コニカオートS2のカメラ修理

今日は「東京タワーの日」
(1958(昭和33)年12月23日完成(竣工)し、完工式が行われた)
で、「テレホンカードの日」
(1982(昭和57)年12月23日、日本電信電話公社(電電公社、現:NTT)により
東京・数寄屋橋公園に磁気テレホンカード対応の公衆電話の1号機が設置された)
さらに上皇様の誕生日(平成の天皇誕生日)ですね
どれも時代の移り変わりを感じるものばかりです。
でも東京タワーは現在でも
スカイツリーと並んで東京のシンボルですね!
特別展望台から上の部分に使用されている鉄材の原料には
朝鮮戦争後にスクラップされたアメリカ軍の戦車が使われているそうです。
これは当時の日本では良質の鋼材に恵まれず
またアメリカにとっても旧式戦車を売却して
新型戦車を製造した方がメリットが大きかったためだそうです。
いろいろな時代背景が関係しているのですねぇ
しかしテレホンカードはさすがに過去のモノになりましたね
当時のアイドルやいろんなその時代ならではの図柄の
テレホンカードがオークション等でほとんどのものが
比較的お安く売られています
中にはプレミアでお高いものもありますが…
ちょっと見ていると懐かしい気分になってきて楽しいですねぇ
さすがにもう使うことはないですかね…

さてさて

本日は「コニカオートS2」のカメラ修理を行っています。
意外とこのカメラの修理依頼も結構多いのですよね。
自宅で眠っていたものがこのカメラだったというパターンが多いのですが
それだけ良く売れたカメラだったということですね!
当時発売されていた「コニカSシリーズ」に
シャッタスピード優先オートを搭載し
より簡単に撮影できることをセールスポイントとしたカメラです。
もちろんマニュアル撮影も可能です。
マニュアルのSシリーズでは露出計はセレン光電池を使ったものでしたが
オートSシリーズは登場時から受光体はCdSを採用していました
最初の「オートS」ではボディ左肩部にCdSが配置されていましたが
「オートS2」でレンズ枠内上部に移動され
フィルター使用時等の補正が必要なくなりました。
レンズもヘキサノン47mmF1.9からヘキサノン45mmF1.8に変更されています。
1964年発売のカメラです。

「オートS」は上記の通り受光体がCdSの露出計なので
当然ながら電池が必要です。
…となればやはり電池室周りのトラブルが多いのですが
今回の「オートS2」は水銀電池を入れっぱなしではなかったようで
あまり電池室に深刻なダメージはありませんでした。
しいて言えばバッテリーチェック時のSWに接触不良があるくらいです。
ただしシャッターユニットにはいくつか問題があって
まずスローガバナが粘り気味で場合によっては
シャッターが開いたまま固着してしまいます。
セルフタイマーは完全に固着していて
スライドしてオンにすると完全に固まったまま動かなくなってしまいます。
シャッター羽根そのものにも若干の粘りがあり
…となると当然ながらそれより小さな力で駆動する
オート時の絞り羽根制御にも粘りが出てしまっています。
さすがに登場から60年近く経過するカメラです。
使われずに仕舞い込まれたままの時間も相当あったことを考えると
このくらいの動作不良は当たり前にあるのが普通と思われます。
加えてやはりファインダー、レンズにはそれなりに
汚れやカビが見受けられます。
完全にはクリアにならないかもしれませんが
実用上問題のないレベルにまではクリアに仕上げたいと思います。

これからさらに距離計を降ろして
レンズボードを分離し
シャッタユニット及びレンズ周りから
清掃整備を行っていきます。
完全マニュアル機の「S」に比べると
指針挟み込み式のオート制御がある分
こちらのほうが少々ややこしいですが
それでもこのカメラの整備性は良好です。
やはり大きさにそれなりに余裕があるので
造りや整備性にも余裕が感じられます。
コンパクトなカメラは確かに使っていて便利ですが
整備性まで考えると
この時代のこの大きさのコンパクト(?)カメラは
なかなか捨てがたいものがありますね
ファインダーやレンズ設計にも余裕があると思います。
今回もしっかり整備して
まだまだ当分快適に使用できるように仕上げていきたいと思います。

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