ニコンFフォトミックのカメラ修理

今日は普通にイメージすれば
もちろん「桃の節句」で「ひな祭り」なのですが
子供の頃から全く縁がなくてイメージわかないのですよねぇ(笑
3月3日で語呂もよいので他にもいろいろな記念日が
制定されていますが
そんな中に「三の日」なんてのがありますね。
日本三大協会というところが1993(平成5)年に制定した記念日です。
日本人は古くから数字の「3」を好み
「三種の神器」「日本三景」「三霊山」「三大祭」「三名園」「三大珍味」など
3つでくくることによって物事が安定すると考えられ
同協会では、その「3」についての収集、研究を行っているのだそうです。
「三大ほにゃらら」は確かに多いですよね!
(怒り新党を思い出しますね(笑))
そういえば「三種の神器」って
本来の秘宝の意味ではなく家電製品で例えて
1950年代は白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫
1960年代にはカラーテレビ・クーラー・自動車の3種類が
「新・三種の神器」とされていましたが
現在だと何になるでしょうね?
間違いなく「スマホ」は入りますよね?
…ん?…調べてみたら
やはりそういうのもいろいろ考えられているようで
「ロボット掃除機」「ドラム式洗濯機」「食器洗い乾燥機」とかが
あげられることが多いようです…
…いや…これ…何一つ持っていませんが?(笑)

さてさて

本日は「ニコンFフォトミック」のカメラ修理を行っています。
1959年にベーシックなアイレベルファインダーを搭載した
「ニコンF」が発売され
その3年後、1962年に発売された
最初のフォトミックファインダーを搭載したカメラです。
後に「フォトミックT」でTTL平均測光になり
「フォトミックTn」で中央部重点測光になり
フォトミックFTn」でいわゆる「ガチャガチャ」に対応するのですが
今回は一番最初の外光式露出計を搭載するフォトミックとなります。
本体側は通常の「F」と同様です。

お預かりしている「Fフォトミック」は
本体側も油切れ等の症状があちこちに見られ
シャッターは切れているものの
巻上はスムーズではなく
高速シャッターの精度は全く出ていない状態で
低速側は1/30以下もすべて1/60で切れる状態です。
スローガバナにリンクできていない状態です。
そのスローガバナも結構強烈に固着しています。
かなり長い間、使われずに仕舞い込まれたままだったと思われます。
それでもボディ側は分解整備清掃注油で
本来の動きを取り戻すことはそう困難ではないと思われますが
問題はフォトミックファインダー側です。
当時の水銀電池が入ったままで液漏れ腐食の原因となっていて
緑青・腐食がかなり広範囲に広がっています。
なんとプリズム内部まで緑青が見られる状態です。
プリズムの外側とか表面ではなくて
蒸着の内側です…もうこれはどうしようもありません。
ただ不幸中の幸いなのはプリズムを取り外して見ると
相当、緑青や腐食が目立つのですが
実際にファインダーに装着して接眼レンズから見ると
それほど目立たなく、緑青の酷い部分はほぼ視野外なのです。
外側部分のできる限りの清掃のみを行います。
そして露出計部分も残念ながら今回は修理不可能です。
電池室・SW部の腐食だけなら代用部品等を駆使して
何とかすることもできますが
内部の抵抗体がもう腐食と蒸着剥がれで残念ながら修理不能です。
ここは交換部品がないと残念ながらどうにもなりません。

通常はボディ側から整備を始めることがほとんどなのですが
今回はとにかくファインダー側に気がかりな部分が多かったので
フォトミックファインダー側から整備を始めています。
露出計に関しては残念ですが
通常の撮影ができるように他部分の清掃整備をしっかり行っていきます。

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