リコーフレックスニューダイヤのカメラ修理

今日は「タイヤゲージの日」なのだそうですよ。
明日が「タイヤの日」でその前日の今日が
「タイヤゲージの日」で
タイヤの空気圧に関心を持ってもらおうという日なのだそうです。
空気圧は大事ですよねぇ
安全性の面ではもちろんですし
そこまで圧力が劣悪ではなくても
乗り心地や燃費にも影響します。
季節や温度でも空気圧は変化しますし
他にも様々な要因で空気圧は低下する方向に作用します。
タイヤゲージはお安いものなら数百円でも手に入りますが
精度的には今一つですし
タイヤゲージって使っていくうちに誤差も出てくるものなのですよね。
あらゆる測定機器においてそうなのですが
(たとえば当店のカメラテスターとかも)
本当にその測定機器が正しい値を測れているのかっていう点も重要ですよね
もうこれは定期的にテスターのためのテスターで
測定したり確認しながらメンテナンスするしかないのですが…
タイヤゲージもそういう意味からは
個人で測るのはあくまで運航前点検の目安程度で
(今どきの車だと空気圧センサーが
装備されているものも多いそうです)
数ヶ月に1回くらいは工場やディーラーで
測ってもらったほうがいいような気がします。
カメラは壊れても命に関わることは少ないとは思いますが
クルマやバイクはまさに命を載せてますものね
空気圧…大事ですよ

さてさて

本日は「リコーフレックスニューダイヤ」のカメラ修理を行っています。
リコフレというとピントギアの特徴的な
プレスボディでシンプルかつ軽量コンパクトな
従来からあるモデルが有名ですしイメージもされやすいと思いますが
「ダイヤシリーズ」従来のリコフレとは全く異なる
少し高級な二眼レフのシリーズです。
ボディもダイキャストボディとなり
ピント調節もヘリコイド+ボディ両側に突き出たレバーで行います。
このレバー式のピント調節は非常に使いやすく
素早くにもじわっとゆっくり合わせることにも対応できます。
1955年に最初の「ダイヤ」が発売され
その翌年の1956年に「ニューダイヤ」が発売されます。
わかりやすい違いはフィルムター枠がねじ込み式なのが最初のダイヤで
バヨネット式なのが「ニューダイヤ」です。
搭載されるシャッターユニットやレンズは
この時代のカメラなのでバージョン違いがあるような気もしますが
今回お預かりしている「ニューダイヤ」は
シャッターはシチズンMXVでSSはB・1s~1/400
レンズはリケン・リコナーの80mmF3.5です。
ミノルタオートコード等と同様に
設定されたSSや絞りはビューレンズ上側の窓に集中表示されます。
これも便利なのですよね。
構えた体制そのままで設定が確認できます。
文字が少し小さくて加齢で目が悪くなってくると
少々見づらいのはご愛敬です(苦笑)

お預かりしている「ニューダイヤ」は
かなり長い間、仕舞い込まれたままで使われていなかった個体と思われます。
それでも保管状況はそれほど悪くなかったようで
シャッターは一応作動します。
しかしながらさすがにシャッター羽根の汚れ等による粘りが見られ
スローシャッターに関してはガバナにも粘りが見られ
SS1秒だと今にも止まってしまいそうです。
さらにレンズにはかなりのカビの発生が見られ
ファインダースクリーンも同様です。
二眼レフでは定番ですがファインダー内のミラーは劣化で相当曇っており
ここはいつものごとく交換で対処しなくてはなりません。
自慢の左右出しピントレバーは動作はしているものの
動きは相当重く素早いピント合わせには対応できない状態です。
やはり全体的に清掃整備が必要な状況です。

とはいえ致命的な破損等があるわけではなく
コンディションとしては良いほうだと思います。
ただこのままバリバリ使うのはちょっと無理ですし
動きの重い各部を酷使して使用するのは
さすがにカメラそのものがかわいそうです。
部品自体が古く無理がさせられないのは
整備後も同様ですが
最小限の力でできるだけ無理なく動く状態で
使い続けてあげることが
この類の機械に一番良いような気もします。
そうできるようにするためにも
今回もしっかり整備して仕上げていきたいと思います。

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