ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「図書館記念日」なのだそうですよ。
1950(昭和25)年のこの日に
「図書館法」が公布されたことが由来となっています。
10年ほど前までは割と頻繁に図書館に立ち寄っていたのですが
最近はずいぶんとご無沙汰になってしまいました。
私の場合、本を読むと言っても
小説の類には全く興味がなくって
科学雑誌とか写真集とかを見たくなって
図書館によることが多かったのですね。
今やちょっとしたことならネットで検索したほうが
早いというのもありますが
やはりちゃんとした紙の媒体でしっかり見たり
読んだりしたほうが良い場合は多いと思います。
今考えると図書館に比較的ふらっと立ち寄れたりしていた頃は
比較的時間に余裕があったんだな…と思います。
今は悲しいかなそんな感じでもないのですよねぇ
図書館だけではなくあまり目的もなく
町をぶらっと歩く…という機会が減っているような気がします。
暇…というか余裕のある時間は
積極的につくならないとダメですね。
そういう時間のなかからまたいろいろと新しいアイデアや
考えも生まれてくるものなのに…
でもこれもさじ加減が難しい部分もあって
あまり時間的余裕が多くあると
今度は考えてもしょうがないような余計な思いに
とらわれてしまったりするのですよねぇ
何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ってことでしょうねぇ
あれ?図書館の話はどこに???(笑
ところで明日5/1から5/5までは当店もお休みをいただきます。
少しはのんびり過ごしたいと考えています!

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
1960年代のミノルタ機をい代表するカメラでもあり
比較的早い時代に電子制御機に大きく方向転換したミノルタなので
ミノルタの機械制御機を代表するカメラともいえると思います。
SR-T101登場後もミノルタの機械制御機は
SR-TスーパーやSR505と「Xシリーズ」登場までまだ続きますが
これ以降のミノルタ機械制御機のベースは
全てこのSR-T101が基本設計となっています。
SR-T101の登場は1966年でミノルタ初のTTL測光機でもあり
最初の開放測光対応機でもあります。
開放測光に対応するためにレンズ群も従来のSRマウントに
絞り伝達爪を追加した「MCロッコール」にモデルチェンジされています。
マウント自体の変更はされていないので
それまでのSRマウントレンズ(オートロッコール)も
装着は可能ですが開放測光を行うためには
「MCロッコール」との組み合わせが必要です。
(もちろん後の「MD」レンズでも可能です)
現在の分割測光の起源ともいえる上下2分割測光(CLC)を備え
露出計周りに新しい機能が多いカメラでしたが
一番の魅力は丈夫な巻上やシャッター機構であり
快適なその使い心地ではないと思います。
ロングセラー機でもあるので現存台数も多く
それゆえに長い間、過酷な環境に放置された個体が多いとも思いますが
シャッターは意外と普通に切れている個体も多いと思います。
といってもそんな個体の多くも
動きにくい状態の中、何とかがんばって動作しているだけで
本来の軽やかな動きからは遠いものが多いと思います。

今回お預かりしているSR-T101もかなり長い間
使われずに仕舞い込まれていた個体だと思われます。
今回も何とかシャッターは作動しているのですが
全体的な動きはかなり渋く
特にレリーズロックの解除の動きが渋いようで
たまにレリーズロックがかかったままスタックしてしまいます。
当然ながらシャッタスピードの精度は出ておらず
先幕後幕のバランスも大きく崩れています。
低速シャッター時にはお約束の「ミラーアップしたまま固着」なんて
症状も出ています。
露出計も何とか動作していますが接触不良もあり
かなり不安定です。

それでも致命的なトラブルを抱えているわけではなく
本来の軽やかな動きを取り戻せるように
各駆動部の洗浄清掃、注油を行えば問題ない状態に
復活できると思います。
SR-T101は7年以上生産が続けられたこともあって
内部には年代ごとに細かな変更が数多く行われているのですが
今回のSR-T101はかなり初期のモデルのようです。
連動糸の多いカメラとしても中身を触る方の中では有名ですが
正しい手順を踏まえて分解を行えば
それほど連動糸に悩まされることもありません。
ただし手順を間違ったりうっかりおかしなことをしてしまって
意図しない糸が外れたりなんかすると途端に
非常に面倒なことになるので注意が必要です。
気を付けるべきポイントが各所にあるので
そのあたりに留意して集中して作業を行っていきます。

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