月別アーカイブ: 2017年9月

キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は「ベッドの日」だそうですよ。
私は今はベッドではなく布団で寝ていますが
どちらにしても寝具って大事ですよね!
「あったかいふとんでぐっすり寝る!
こんな楽しいことがほかにあるか!」っていうのは
のびたのセリフですが。。。(笑)
(あ、ちなみに今日はドラえもんの誕生日でもありますね)
その気持ちは非常にわかります。
うちの布団もマットレスもだいぶくたびれてきているから
そろそろ買い換えないとなぁ。。。

本日は「キヤノンAE-1プログラム(以下AE-1P)」の修理を行っています。
発売開始は1981年。
大ヒットとなった「AE-1」にプログラムAEを加えたモデルです。
もちろんプログラムが加わっただけなく
ファインダー情報等々も一新され
特に内部の電子機器類は一気に進化した印象です。
とはいえ、基本的な骨格及びシャッターは
AE-1とほぼ同じで
他メーカーが中級機には
金属幕縦走りシャッターを採用するケースが多い中
従来からの布幕横走りシャッターを採用しています。

キヤノンAシリーズといえば
「シャッター鳴き」が定番中の定番ですが
このたびお預かりしている「AE-1P」も
しっかりシャッター鳴きが発生しています。
原因はミラー駆動部のギアの油切れです。
鳴いているだけならまだ良いのですが
症状が進むとミラーアップも目に見えてゆっくりになっていきます。
もちろん清掃して注油すれば良いのですが
AE-1Pは先述のとおり電子機器があらゆるところに
装備されています。
油は基本的には電気を通さないので
接点等に付着すると新たなトラブルを招きます。
電子部品等がなくてもそうですが
注油し過ぎは厳禁です。

今回のAE-1Pはシャッター鳴きだけではなく
ミラーボックス内にあるオート時の絞り制御ステーの動きも悪く
オートがイマイチ不安定です。
さらにレリーズの反応が妙に悪く
相当しっかり押しこまないとシャッターが切れません。
上の写真を見てもよくわかりますが
上カバー下は電子部品でぎっしりです。
これから慎重に分解を進め
各部点検整備を行いながら不具合箇所も修理していきます。

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キヤノンF-1のカメラ修理

今日は「宝くじ」の日だそうですよ。
宝くじ。。。1等なんてあたると人生変わっちゃいますよね。
いいなぁ~とは思いますが
私、宝くじって買ったことないのですよねぇ
当たる確率を考えるとどうにも手が出なくって。。。(笑)
今度、試しに買ってみるかな。。。

さてさて

今日は「キヤノンF-1」のカメラ修理を行っています。
言わずと知れたキヤノン初のプロ用高級一眼レフですね!
発売は1971年、「10年間は不変」と宣言したとおり
後継の「ニューF-1」が10年後に発売されるまで
キャノンのフラッグシップとして君臨しました。
F-1は1976年にマイナーチェンジをされています。
それを境に「前期型」、「後期型」と呼ばれたり
マイナーチェンジ後のものを「F-1N」と呼ぶこともあります。
今回、お預かりしているF-1は後期型なのですが
前期型に比べて下記のような部分が変更されています。

・巻上レバーの巻上角の変更(180度→139度)
・巻上レバーに指当てが追加
・対応最高フィルム感度が2000→3200へ変更
・シンクロターミナルが脱落防止のためネジ留め式に変更
・ミラーの反射率及びスクリーンマット面の変更でファインダーが明るくなった
・シャッターボタン部の受皿の形状変更
・接眼レンズに多層膜コーティング
・アイカップをゴムリングに変更
・標準スクリーンのタイプが「A」から「E」に変更
・バッテリーチェックボタンを自動復元式に変更
・裏蓋にメモホルダーを追加
・巻戻しクランク引き上げの際にクリックを追加

中身の細かいことを言えばもう少しあるのですが
外からわかる部分としてはこのくらいだと思います。
改めて並べてみると意外と変更箇所ありますね。。。
とはいえ基本的な構造は全く変わらず
元々の基本設計の高さが際立ちますね。

お預かりした後期F-1は
シャッターが切れない状態です。
シャッターチャージはきちんとできていて
レリーズロックがかかったような状態です。
分解してみるとやはりシャッターロックの動作不良が原因でした。
それよりも大変だったのがF-1でたまに見かける
シャッターバウンドが発生していました。
幕ブレーキの不良が原因で起こることがほとんどですが
ここの調整はかなり骨の折れる作業です。

写真は整備後に撮影したものです。
動作の悪いところを整備しつつ各部動作部の清掃・注油を行い
露出計・シャッタースピード等々の精度出しも完了しました。
現在、少し時間をおいているところです。
最終的なチェックと微調整を行って作業完了となります。

付属のNewFD50mmF2は絞りが完全に固着していたので
絞り羽根清掃を行いました。
NewFDとの組み合わせも似合いますよね!

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ニコンFのカメラ修理

今日はいわゆる「二百十日」ですね。
立春から起算して210日目ということですが
今年も残り1/3というところですね。
季節的には1年のうちで私の最も好きな秋がやってきます。
朝、冷え込んだときのピンと張った空気感がいいんですよねぇ
ということで今月もがんばってやっていきます!

さてさて

本日は「ニコンF」のカメラ修理を行います。
もはや伝説ともいえるカメラですね。
当店にも修理の依頼の多いカメラのひとつでもあります。
何度も同じようなことを書きますが
基本的には非常に丈夫なカメラで
各部の部品の強度も半端ではありません。
そのため、致命的なダメージを負っている個体は
少ないと思われます。
(ショック品や水没品・分解品は除きますが。。。)
とはいえ、部品ひとつひとつは
しっかりしていても
やはり発売開始から60年近く経過するカメラです。
油切れや内部の汚れで動きはどうしても悪くなってしまいます。
特に長い間、使われずに放置されている個体は要注意です。

今回、お預かりのFもシャッターは動作していますが
測定機にかけてみると高速シャッターは随分不安定です。
定番のスローガバナは固着まではいきませんが
1秒のときに途中で止まりそうになっています。
巻上も少々重めに感じます。
とはいえ、全て分解して古い油や汚れを取り除き
部品の動きをスムーズにしてやることによって
精度はかなり回復すると思われます。
外装もかなりくたびれた部分がございますが
これもできる限り清掃してシャキッとした外観に
近づけたいと思います。
まずはこれから本格的に分解整備に取り掛かります。

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