日別アーカイブ: 2019年9月30日

ニコンF2フォトミックのカメラ修理

今日は「クレーンの日」だそうですよ。
私が生まれ育った広島県呉市には港に
海軍工廠跡に造られた
IHI(石川島播磨重工業)呉造船所
(現ジャパンマリンユナイテッド呉工場)があって
旧市内のどこからでもちょっと高台に登れば
港にたくさんのタワークレーンが見えて
それが当たり前の光景でした。
うちのじいさんも定年までは(私が小学校に入るくらいまで)は
IHIに2交替で勤務していたので
尚のこと身近な感じがしてしまいます。
今でもたまに呉に帰ると造船所が一望できるところから
写真を撮ったりしますがタワークレーンはもちろん
ハンマーヘッドクレーンや橋形クレーン等々
被写体としても面白いものがたくさんあります。
ところで。。。ずいぶん昔にタワークレーンの先端の赤色灯の交換を行うと
1回で危険手当が5万円もらえるって聞いたことがあるのですが
本当だったのかな。。。
私も高いところは比較的平気なほうですが
タワークレーンのてっぺんはさすがに足がすくむでしょうねぇ。。。
想像しただけでちょっとピリピリします(笑)

さてさて

今日は「ニコンF2フォトミック」のカメラ修理を行っています。
フォトミックという名はF2ボディに露出計内蔵の
フォトミックファインダーが装着されているということですね。
フォトミックファインダーにも細かい違いがあって
何種類か存在するのですが
今回は一番最初に発売されたフォトミックです。
先代のニコンFにもフォトミックファインダーが存在しましたが
それに比べると随分まとまりがよくなったような気がします。
基本的な構造はFフォトミックとF2フォトミックは同じようなものなのですが
大きな違いは電池室がファインダー内からボディ側に移動したことです
このおかげでF2フォトミックはFフォトミックに比べると
ファインダーがコンパクトになりました。
。。。とは言っても同時代でライバルだったキヤノンF-1に比べると
ファインダーは大きく決してスマートとはいえません
でもニコンらしい無骨さがあって
デザインは正反対ですがF-1もF2フォトミックも非常にカッコ良いと思います。

お預かりしているF2フォトミックは
高速シャッターの精度が全く出ていない状態で
セールスポイントのひとつである1/2000シャッターが
1/1000も出ていないような状態です。
年数を考えると程度の良い個体なのですが
さすがに未整備では各部の精度は狂ってしまっています。
F2といえば電池室の端子留め折れトラブルが非常に多いのですが
今回はそこは大丈夫そうです。
しかしながら摺導抵抗の汚れか接触不良か
露出計も指針が暴れて全く安定しません。
摺導抵抗の劣化は修理不能な部分もあるのですが
とりあえず普通に使えるレベルには何とかしたいと思います。

※レンズは当店のテスト用レンズです。
まだ現状をチェックしただけの状態で
これから本格的に分解整備取り掛かります。
まずはボディ側からシャッター周りを中心に行っていきます。
黒F2フォトミックだと尚のこと精悍さが増しますね
この塊感が何ともカッコ良すぎます。
FとF3は個人的にも所有して使っているので
そのうちF2フォトミックは1台欲しいところです。
以前にも書きましたがフォトミックファインダーを装着すると
シャッタースピードや絞りがファインダー内で確認できて
非常に使いやすくなります。
中でもAi化されていないフォトミックは絞り値がAiモデルに比べ
非常にはっきり確認できます。(十分な外光は必要ですが)
LED式のものはメンテナンスにかなり不安があるので
やはりお勧めとなると初代フォトミックかな。。。と個人的には思います。

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