日別アーカイブ: 2021年10月18日

ミノルタSR-Tスーパーのカメラ修理

今夜は「十三夜」です。
旧暦の毎月十三日の夜のことですが
特に旧暦9月13日~14日の夜「九月十三夜」を意味します。
「十五夜」は言うまでもなく有名ですし
「中秋の名月」といえば「十五夜」の月ですが
「十三夜」は「十五夜」に次いで月が美しいとされ
「後の月(のちのつき)」とも呼ばれています。
この季節は秋晴れとなることも多く
一雨ごとに空気が澄んで空が高くなる季節です。
9月後半の「十五夜」よりも
個人的には「九月十三夜」のほうが夜空はキレイかと思います。
ただし、今日もそうですが
一気に寒くなる季節でもあるので夜空を見る場合は
寒さにご注意くださいませ。
昨日は昼間はぐずついたお天気でしたが
夜にキレイなお月様が見えていました。
ちょうどリハビリで自転車ででかけたのですが
確かに月とそれにかかる雲は非常に美しかったですが
いかんせん身体がある程度温まるまでが激寒でした(苦笑)
今夜は夜遅くには曇ってしまうようです。
早めの時間に夜空を見上げてみると良いかもしれません。

さてさて

本日は「ミノルタSR-Tスーパー」のカメラ修理を行っています。
1973年発売のカメラです。
大ヒット作「SR-T101」の
ヴァージョンアップ版という感じでしょうか
「SR-Tスーパー」が発売後も「SR-T101」は生産・販売され
後にそれぞれ「SR-T101」が「SR101」
「SR-Tスーパー」が「SR505」に
モデルチェンジされていくので
SR-T101の後継モデルとは単純に言えないと思います。
ただ、SR-Tスーパーは構造上の基本的部分は
SR-T101と同様です。
変わった点としてはファインダー内で絞り値がレンズの刻印を
直読する方式で確認できるようになりました。
そのためボディ上カバー形状はSR-T101とは明らかに異なり
デザイン上も明確に違いがある形状となっています。
加えてファインダースクリーンがスプリット+マイクロプリズムとなりました。
アクセサリーシューに接点が付きホットシューとなりました。
この3点が機能的な相違点です。
これだけといえばこれだけですが
より使いやすい形態に進化したと言えると思います。
逆に元々のSR-T101の基本的設計が優れていたため
基本的な部分には手を付ける必要がなかったとも思われます。
どちらにしてもミノルタらしい使い心地の良い
非常に丈夫なカメラです。

お預かりしているSR-Tスーパーは
かなり長い間、使われずに仕舞い込まれていた個体だと思われます。
加えて保存環境もあまり良いとは言えないようです。
ボディには汚れやサビがかなり付着しており
装着されているレンズやファインダーはカビだらけです。
シャッターは後幕が最後まで走り切ることができず
少し隙間を残して止まってしまいます。
当然ミラーアップしたままになってしまいます。
露出計はかろうじて動作していますが
指針が全く安定しません。
上へ下へと踊っているような状態です、
バッテリーチェックでも同じ状況です。
そしてレンズ絞り連動部のテンションが全く効いておらず
押し込まれると自力で戻ってこれません。
多少テンションが効いているなら
単なる動作不良なのですが全くテンション感がありません。
ちょっとイヤな予感が…
ファインダー内、SS表示は連動して動作していますが
シャッターダイヤルを回した時の感触も
ちょっとイヤな感じがします…
さらにイヤな予感が増していきます。


とりあえず上カバーを外してみたのですが。。。
あぁ。。。やっぱり。。。
連動糸が1本切れてしまっています。
動作確認している間にかなりイヤな予感はしていたのですが
見事的中です。
これが切れているとなかなか厄介な事態になります。
まぁ直らないことはないのですが
かなり手間がかかる上に微妙な調整が必要となってきます。
SS表示側は切れていなかったので
もしかしたらセーフかも…と淡い期待をしていたのですが…
まぁとにかく直すしかありません(苦笑)
連動糸は通常の使用状況だと
そうそう切れるものではないのですが…たまにこういうこともありますね。
今回は違うと思いますが
誤った上カバーの外し方をするといとも簡単に切れてしまいます。
連想糸のセッティングは再組立て時に根気よく行うとして
まずは分解を進めて動作不良の幕軸部分や
ミラー駆動部、巻上部の整備から取り掛かっていきます。

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