日別アーカイブ: 2021年10月30日

ニューキヤノネットQL19のカメラ修理

今日は「たまごかけごはんの日」だそうですよ!
熱々炊き立ての白米に生卵…醤油を少し垂らして
かき混ぜて一気にかきこむ!
あぁ…日本人でよかったですねぇ(笑
日本ならではの美味しい白米もそうですが
世界的に生で卵を食べるのは日本くらいです。
また日本以外の国ではそもそも生で食べることを想定しておらず
品質管理や衛生管理が十分に整っていないことも多いのです。
安心して生で卵を食べられる国は世界的にも
かなり少ないとのこと…
そうした意味からもやはり日本人で良かったですよねぇ…
すき焼きや麺類、牛丼だって生卵かけると美味しいですものね
加熱した卵ももちろん美味しいですが
生卵のあの風味は他に代えがたいものがありますよねぇ
こんなこと書いていると無性にたまごかけごはんが
食べたくなってきました。
明日の朝ご飯はたまごかけごはんにしましょう!(笑

さてさて

本日は「ニューキヤノネットQL19」のカメラ修理を行っています。
1971年発売のカメラです。
前年にニューキヤノネットQL17が発売開始になっていて
そのレンズを40mmF1.9に変更したモデルです。
翌年の1972年には最終モデルのG-ⅢのQL17/QL19が発売されているので
ニューキヤノネットQL19の発売期間はかなり短かったものと思われます。
しかしキヤノネットは2代目から律儀に同じ焦点距離で
F1.7モデルとF1.9モデルを併売しますが
実質その違いを感じることなんてないのではないかと…(苦笑)
G-Ⅲの場合はバッテリーチェックに少し差別化を行ったりしていますが
このニューキヤノネットの場合はそうした装備の違いもありません。
F1.7をF1.9にしたくらいで
コストがどのくらい抑えられるのかもわかりませんが
この時代にはこういう細かい仕様違いのモデルが多かったような気もします。
少し違う話になりますが
例えば一眼レフ用の交換レンズとかでも
同じ焦点距離35mmでF1.4、F2、F2.8とラインナップしていて
それがそれぞれちゃんと意味があってさらにそれなりに売れるのですよね
さすがフィルムカメラ全盛期といった感じです。
効率化が口うるさく叫ばれてモノの売れにくい今の時代では
なかなかこういうのは難しいのかもしれません。
話が逸れましたが…
ニューキャノネットはそれまでの大柄なボディを
時代とマーケットに合わせて一気に小型化したカメラです
次の最終モデルG-Ⅲも基本的な構造はこのニューキャノネットと
ほぼ変わりません。異なるのはバッテリーチェック関連くらいです
初代から頑なに守られているシャッタスピード優先AEと
露出計は使えなくなりますがマニュアル露出が可能なことも
しっかり引き継がれていて
同じクラスのカメラがオートのみしか使えないものが多い中
非常に貴重なモデルかと思います。
そして見え心地の良いレンジファインダーに
F1.9の大口径レンズ搭載です。
小さなカメラですが一通りの本格的撮影もこなせる仕様ですね。
個人的にもこういうカメラは好みです。

お預かりしているニューキャノネットQL19は
随分長い間、仕舞い込まれていて使われていなかったようです。
心配されるのはこの類のオート制御機構で
よくある絞り羽根の固着ですが
若干の粘りこそあるもののとりあえずは動作しています。
ただし露出計は少々不安定で
自慢のF1.9大口径レンズにはかなりカビが生えています。
ファインダーもかなり曇っています。
この時代のコンパクトカメラはフィルム室の遮光を
大量のモルトに頼ることが多く
ニューキヤノネットも例外ではなく裏蓋には
大量のモルトが貼られているのですが
ここも当然全滅です。
普通に気持ちよく使うにはやはり一通りの整備が必要な状態です。

小さなボディなので
かなりぎっちり中身が詰まっている印象です、
さすがに従来の大柄なキヤノネットに比べると
整備性はよくはないですが
それでも同じような大きさの他カメラに比べると
整備性はいいほうです。
基本的な動きや考え方は前モデルと変わっていない部分も多く
もともとのキヤノネットの設計が
優れていることがよくわかります。
これからさらに分解を進めて
まずはシャッター周り、オート制御周り
電池室からの配線等の修理・整備から取り掛かります。

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