日別アーカイブ: 2022年11月20日

ニコンF2フォトミックAのカメラ修理

今日は「毛布の日」だそうですよ。
毛布が手放せない季節になってきましたねぇ
私は実は真夏でも寝る時には
毛布にくるまって寝るのですが
(そのかわり冷房で室温をめいっぱい冷やす(苦笑))
この季節になると敷布団の上にまず毛布1枚
で、掛布団の下に毛布1枚で
挟まれて寝ている感じです。
これが暖かくてたまらんのです(笑
毛布と一言で言っても現在は
羊毛毛布やアクリル毛布、
綿毛布、シルク毛布、マイヤー毛布、タフト毛布等々いろいろですねぇ
家の毛布はもう20年以上使っていて
何とも馴染み深いものですが
そろそろ布団と一緒に買い替えてもいいかもしれません…
もっと気持ちよく眠れるのであれば…
あとでちょっといろいろ調べてみます…(笑

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミックA」のカメラ修理を行っています。
ボディ側はいわゆる通常の「F2ボディ」に
Aiレンズ対応となった
「フォトミックAファインダー(DP-11)」が装着されたカメラです。
ニコンのフィルムカメラを使っている方なら
Aiレンズや非Aiレンズと言われてもイメージが湧きやすいと思いますが
ニコンの一眼レフを使ったことのない方であれば
なかなかピンと来ないのではないかと思います。
ニコンF時代の初期Fマウントレンズのほとんどが
完全自動絞りに対応しているのがセールスポイントの一つでしたが
カメラ内蔵の露出計の対応には
レンズ外周部の外爪である通称「カニの爪」で連動対応していました。
他社が露出計TTL開放測光に対応するために
マウント変更を行う中、ニコンはいわゆる「ガチャガチャ」と言われる
絞りリングを一往復させる開放F値補正操作を行うことで
レンズの開放絞り値をボディ側に伝達し
そこからの連動をさらに「カニの爪」で行っていたわけですが
さすがにスマートなやり方とは言えず
1977年に従来のFマウントにAi方式 (Automatic Maximum Aperture Indexing ) という
開放F値を自動でカメラボディに伝達する拡張が行われます。
この際旧来のレンズについても
ニコン持ち込みによるAi化改造が1997年まで行われており
互換性はほぼ維持されたのですね
Aiレンズ+ボディ側Ai対応であればもはや「カニの爪」は不要なのですが
フィルム時代のAiレンズの多くは「カニの爪」が残っていて
ニッコールらしい外観に一役買っていますね。
その後も「Fマウントレンズ」は「Ai-S」にマイナーチェンジされたり
オートフォーカス時代になると電気的連動が追加されたり
絞りリングがないものも出てきたりと
いろいろとややこしくなっていくのですが
マニュアルフォーカス機に限って言うとAiと非Aiだけわかっていれば
まぁ困ることはほとんどありません…

前置きが長くなりました…
Aiレンズは絞り情報の伝達方法変更が一番の目的ですが
並行して絞り値直読用の値刻印も追加されています。
通常の絞り値の内側にさらに小さな値が刻印されています。
フォトミックAファインダーもこのレンズ側の刻印を直読します。
これに関しては正直言って非Ai時代のほうが
ファインダー内の文字が大きく見えやすかったと思います…
ちなみにフォトミックAファインダーは
Ai連動爪を格納することもできるので
非Aiレンズを装着することも可能です。
ただし絞り情報の伝達はできないので開放測光はできません。

お預かりしている「F2フォトミックA」は
随分外観の汚れが目立ちます。
かなり長い間、使われずに仕舞い込まれていたものと思われます。
それでもシャッターは一応動作するのは
さすがメカニカルF一桁といったところですが
巻上もシャッター幕軸もかなり油切れの兆候が見られます。
明らかに作動音が苦しげなのですね…
シャッタースピードの精度はさすがに全く出ていません。
そしてF2といえばいつものパターンですが
電池室マイナス側端子基部の支点部が破損しているようです。
ここはどうしても樹脂製で弱いから仕方ないですね。
当然ながらフォトミックファインダーには
給電されず動作確認はお預かり時にはできませんでした。
その後、整備前に確認したところ
精度はまぁダメですが露出計そのものは動作している模様です。

まだこれから取り掛かるところですが
まずはボディ側の整備一式と電池室の修復を行い
ファインダー側の清掃整備も行っていきます。
スクリーンのコンデンサレンズや
接眼レンズにもかなりのカビが発生していますので
入念に清掃を行っていきます。
しっかり整備さえ行えば機械式カメラの最高峰と言われる
F2の使い心地を存分に楽しんでいただける状態にできると思います。
今回もしっかり仕上げていきたいと思います。

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