日別アーカイブ: 2025年5月23日

キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「ラブレターの日」らしいですよ。
由来は日付は「こ(5)いぶ(2)み(3)」(恋文)と読む語呂合わせと
浅田次郎の短編小説が原作の映画『ラブ・レター』が
1998(平成10)年のこの日に公開されたことからだそうです。
恋人や家族など大切な人に想いを届ける日とされています。
…さすがにもう縁がないですね(笑
いただくにしても書くにしてもそんなの
40年以上前の記憶の彼方です。
ラブレターはともかくとしても
手紙を書くなんて行為そのものが
すっかりなくなってしまいました。
もはやハガキすら書くこともないですね。
たまにはある程度しっかり文字書かないと
それでなくてもキレイではない文字が
さらに汚くなりそうです…
昔は手書きならではの威力を信じて
小まめに手書きしていたのですが…
今では手書きどころか仕事上のメールこそ
必要に応じて打ち込みますが
手書きどころかプライベートでメールすら打つ機会ありません(苦笑)
LINEもめったに使うことありません…
まぁそのあたりは別にいいのですが…(笑

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理をしています。
1976年発売のカメラです。
キヤノンAシリーズの第一号機で
電子カメラ時代の幕開けを飾ったカメラともいえます。
もちろん大ヒットモデルです。
シャッタースピード優先オートを搭載したAEカメラで
オート露出自体は既に登場してからある程度
時間がたっていたもののマイクロコンピュータ搭載で
従来の同機能搭載モデルに比べ
300点以上の部品削減と生産効率化を一気に進めたカメラです。
オプションで専用のパワーワインダーが存在し
「連射一眼」のキャッチフレーズで
ワインダー一気に普及させたカメラでもあります。
さすがにワインダーは修理対象外でもありますし
AE-1のパワーワインダーは見る機会も少ないですが…

大ヒットモデルで現存数も多いこともあって
修理依頼も多いカメラです。
本来の姿であれば現在でも使い勝手もよくて
非常に良いカメラです。
ただ当店にやってくる「AE-1」は
長期にわたって放置されていたカメラが多く
当然ながらコンディションは良くないものが多いです。
今回お預かりしている「AE-1」も電池を入れれば
かろうじて電源は入りますが
非常に不安定な状態です。
シャッターは切れたり切れなかったりで
切れたとしてもかなりの高確率で
ミラーアップしたままになってしまいます。
そして露出計はかなりオーバー目に出ていて
感度が鈍くなっているようです

配線や接点を含む電源周りの清掃整備と
シャッターやミラー駆動を実際に制御する
マグネットの清掃、露出計関連の調整
実際に駆動する機械的部分の清掃整備等
全体的に手を入れる必要がありそうです。

コンピュータやフレキ実装で確かに典型的な
電子制御機ではあるのですが
まだ70年代のカメラということもあり
意外と機械的な連動とかも残っています。
SSダイヤルからの糸連動とかもあり
反対にこのあたりが整備時に注意が必要です。
後継のAE-1Pになると
まさに典型的な電子カメラといった中身になりますが
AE-1はまだまだ進化過渡期な部分も多く認められます。
でもキヤノンらしく非常に上手くまとめられたカメラです。
整備性はこのタイプのカメラとしては非常に良いと思います。
コンスタントに修理依頼のあるカメラなので
中身も見慣れた光景で社ありますが
それなりに神経を使うカメラではありますので
慎重に丁寧に整備を行っていきます。

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