日別アーカイブ: 2025年5月7日

キヤノンFTのカメラ修理

今日は「コナモンの日」だそうですよ。
「こ(5)な(7)」と読む語呂合せからで
たこ焼き・お好み焼き・うどん・そば・パンなど
「粉」を使った食品「コナモン」(粉もん)の魅力を
PRすることが目的だそうです。
昨日までGW休暇だったわけですが
墓参りがてらに帰省して(もう実家はありませんが)
「呉の細うどん」、「呉冷麺」、「お好み焼き」と
コナモンを存分に満喫してきました。
やはりどれも私にとってはかけがえのない
ソウルフードで今回も力をいただいた気がします。
それにしてもコナモンって多岐にわたるので
なんだかんだと頻繁に口にしていますよね
生活にもかけがえのない存在ですね!

さてさて

本日は「キヤノンFT」のカメラ修理を行っています。
1966年発売のカメラです。
シャッターや巻上、ミラー駆動等の
機械的駆動部は基本的に「FX」から受け継いでいます。
しかし、露出計は時代を反映して外光式からTTL測光となっています。
まだレンズマウントがFLマウントなので
絞り込み測光です。開放測光はこの後の
「FDレンズ+FTb」登場で採用となります。
機能としてはTTL測光ですが
この後のキヤノン機の特徴ともなる
CDSをコンデンサレンズ背後に配置する方式が
採用されています。コンデンサレンズを斜め45度に切断し
切断面にハーフミラーを仕込んで
視野率の中央部12%の光を背後のCDSに反射して
測光を行う方式です。
外部の光に影響されることも少なく
より正確に測光できる構造になっています。
後のFTBやF-1にも同様の測光方式が引き継がれていくことになります。
構造上、他メーカーで多い「中央部重点測光」や「平均測光」ではなく
中央部12%の「部分測光」となります。
構造がわかっていればスポット的にも使え
露出のシビアな輝度差の大きい場面等でも非常に使いやすい測光方式です。

お預かりしている「FT」はミラーアップしたまま
固着してしまっています。
シャッターは幕位置から判断してチャージ状態で
よくある「シャッター走行後にミラーが降りてこない」のではなく
シャッターを切ろうとしてミラーはあがったけど
シャッターが走らない…状態だと思われます。
シャッターのストッパーの固着か
レリーズからのリンクがうまくいっていないものと思われます。
ミラーアップしたままで確認ができず
心配されるプリズムは後から確認できましたが
今回は大丈夫なようです。

画像は取り掛かり始めのモノで
この後でいろいろ分解を進め確認していくと
やはりレリーズからのリンク部が汚れや古い油脂で
固着してしまっていたようです。
それ以外にも幕軸や幕上げ部の動きは非常に悪く
積年の汚れを徹底的に除去してから
各部の調整を行う必要があります。
それでも部品の損傷等のダメージがあるわけではないので
整備が仕上がれば快調に動作するようになりそうです。

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