日別アーカイブ: 2025年11月3日

キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は「文化の日」で祝日ですね。
それに関連した記念日がたくさん制定されている日です。
そんな中に「文化の日」とは直接関係なく
「みかんの日」が制定されていますね。
「いい(11)みか(3日)ん」と読む語呂合わせだそうです。
確かにそろそろみかんの出荷が始まる頃ですね。
実家では冬になるとコタツが出て
その上にはかならず籐の小さな丸い籠に
みかんが入れておいてありました。
コタツに入るたびにみかんを剥いて食べてましたねぇ…懐かしい…(笑
私は出身が広島県呉市なので
島しょ部の斜面にはたくさんみかん畑がある風景が
お馴染みでした。
言われてみればここ数年みかんって買ってないですね…
食べればあんなに美味しいのに…
呉からお取り寄せで注文してみようかと思案中です。
一箱買っちゃうとひとり暮らしでは
追い立てられるように食べないと腐らせちゃうのですよねぇ(苦笑)
それでもあれば食べると思いますが…血糖値の上昇が…(笑

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」(以下AE-1P)の
カメラ修理を行っています。
1981年発売のカメラです。
当店で扱えるキヤノンのカメラとしては
最も新しいカメラですね。でも44年前ですが…(笑
Aシリーズの1号機である「AE-1」の後継機で
単にプログラムオートが追加されただけ…と思われがちですが
電子回路的にはあらゆるところが一新されていて
5年間で中身は様変わりすることがよくわかります。
ファインダーも非常に明るくクリアで
ピントの山もより掴みやすい優れたものになっています。
このモデルからついにコンデンサレンズが省略されています。
それに伴って下からスクリーンも外せるようになり
スクリーン交換も簡単になっています。
ファインダー露出計情報も指針からLEDに変更となり
非常に現代的なものへとなっています。
ただ…機械的なシャッターやミラー、巻上の駆動部は
基本的にはAE-1のものを引き継いでいます。
(すべてのAシリーズがそうですが)
そのためAシリーズ共通の「シャッター鳴き」の持病は
油切れによりAE-1Pでも発生します。

お預かりしている「AE-1P」は
電源は普通に入るのですが
巻き上げると巻上完了の瞬間にシャッターが切れてしまいます。
そしてシャッタースピードも設定にかかわらず一定速です。
巻き上げの動作の中でミラーとシャッターがチャージされ
それをマグネットが吸着してチャージ状態を保持するのですが
そこが保持されずチャージ完了と同時に
チャージが開放されてしまうようです。
要はマグネットの汚れによる吸着不良かと思われます。
フォーカルプレーン、レンズシャッターに関わらず
電子制御機にありがちなトラブルです。
そしてシャッターが切れた際にすぐにわかりますが
定番のシャッター鳴きがかなり酷い状況です。
油が欲しいところは油切れで
油が不要なとこに油が回って汚れている状態です。
いったん分解して古い油脂類を落とし
必要な場所に最低限の注油が必要な状態です。
その上で電気的なものを含め調整を行っていきます。

機械的な部分は共通とはいえ
制御する部分がかなり進歩しているので
上カバーを開けた風景は「AE-1」とは全く様子が異なります。
「AE-1」では糸連動だったシャッターダイヤルからの連動も
電気的な信号で行われます。
それでもこの類のカメラとしては「AE-1P」は
整備性はかなり良好な方です。
この季節になってくると特にそうですが
帯電した静電気だけでも基盤がパーになることもあるので
作業はより慎重に行います。
1950年代や60年代のカメラとは違った難しさがあります。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

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