オリンパスOM-1のカメラ修理

今夜は「十三夜」ですね。
旧暦九月十三夜は
旧暦8月15日~16日の夜「八月十五夜」の月「中秋の名月」に次いで
月が美しいとされ、「後の月(のちのつき)」とも呼ばれます。
満月前の少し欠けた月を愛でる風習は
日本独自の風習と言われています。
私の好みとしては「十五夜」の頃より
かなり空気が澄んでくるこの時期の月のほうが
非常に美しいと思っています。
十五夜と十三夜の両方の月を祝い
どちらか片方の月見しかしないことを
「片月見(かたつきみ)」や「片見月(かたみつき)」と呼び
縁起が悪いとも言われています。
また、旧暦10月10日~11日の夜「十日夜(とおかんや)」と合わせて
計三回の月見ができると、とても縁起が良いと言われているあそうです。
昨夜ウォーキング中に見た月も非常にキレイでした。
今夜もキレイな月が見れるといいですね。
ちなみに今度の水曜日は「スーパームーン」です。

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
毎月必ず複数台、修理を行っていると思いますが
文句なしに当店で最も修理依頼の多いカメラです。
それだけ現在でも人気が高く
昔から愛用し続けている方も多いカメラだと思います。
使ってみるとその理由もわかります。
軽量コンパクトで持ち歩きに便利なのはもちろん
小さくて精密感があり質感も高く所有感が満たされます。
そして独特のシャリっとした巻き上げや
上品なシャッター音等々、使い心地も非常に気持ち良いのです。
使っている方が長く使う理由が非常にわかります。
他メーカがやらないような小型化を進めたため
独自の機構や工夫が多く登場から50年経過した現在となっては
多少華奢に感じる部分もありますが
しっかり整備さえ行っていればまだまだ実用できるカメラです。

お預かりしている「OM-1」は精悍なブラック塗装です。
外観もキレイで状態は良さそうな個体ですが
やはりかなり長い間、使われていなかったものと思われます。
電池はキチンと抜いて保管してあったようで
電池室はキレイで精度は要調整ですが露出計も作動します。
ただシャッターの動きにかなり問題がある状態です。
先幕・後幕のバランスが大きく崩れていて
1/1000は全く開かない状態です。
1/500も一部開き切らない状態で
それ以外では開くものの精度的には出ていません。
幕軸や「OM-1」独特の底部三連ギアの清掃整備が必要です。
その上で微調整を行い精度を確保していきます。

相当以前のことかと思われますが
プリズムの腐食対策が既に施されています。
おかげでプリズムは視野の端に
少し大きめの点腐食があるものの
実用に問題ない状態です。
頻繁に整備を行うカメラなので
分解を進めても見慣れた光景ですが
OM-1は決して油断のできないカメラです。
その独自性ゆえにデリケートな部分も多く
整備性自体は悪くないのですが
構造をわかっていてもいろいろな問題に
直面すことの多いカメラでもあります。
本格的な分解整備はこれからですが
今回も気を抜かずに集中して取り掛かっていきます。

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