ペトリ35F2のカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「白露」ですね。
「大気が冷えてきて露ができ始める頃」ということです。
一時期の異様な暑さに比べれば
夜風が多少心地よくはなってきましたが
まだ空気が「むわん」としていますよね。。。。
早く「ピン」と張り詰めた朝の空気になってほしいものです。

さてさて

本日は「ペトリ35F2」のカメラ修理を行っています。
レンズ固定のレンジファインダー機ですね。
レンズ固定式のレンズシャッター機は
1950年代から60年代にかけて
各メーカー色々なモデルを販売しています。
どのモデルも総金属製で質感が高く
デザインもレトロながら凝ったものが多く
魅力的なカメラがとても多いと思います。
ペトリというメーカーは小西六(後のコニカ)に次いで
古いメーカーです。
当初はスプリングカメラや二眼レフが主流でしたが
ペトリ35シリーズで35mm判のカメラを作り始めました。

今回お預かりしている「ペトリ35F2」は
1957年発売です。
その名のとおり4.5cmF2のオリコールレンズを搭載します。
シャッターユニットはコパルMXVで最高速は1/500です。

高級感もあってカッコ良いカメラですね。
一眼レフに参入してからのペトリは
「安かろう悪かろう」のイメージがついてしまった印象ですが
この頃のペトリは高級感にも溢れています。
この個体はご依頼者様が最近手に入れられたモノとのことですが
状態は比較的良いほうだと思います。
一応、一通りは動作しており、外装もキレイです。
ただし、細かく見ていくとファインダーはかなり曇ってして
二重像も見えにくい状態です。
シャッターは普通に切れているかと思っていたのですが
何度かテストしてみるとやはり羽根に粘りがあるようで
シャッタースピードが安定しません。
絞り羽根には若干の油シミが見られるのですが
絞りリング自体は非常に軽く
「おお、意外とスムーズに作動するなぁ。。。」と思っていたら
たまに羽根が引っかかるような感触があり
そのときに羽根を見ると羽根が引っかかっている様子が確認できました。
あぶない、あぶない、ここで無理に動かそうものなら
羽根がバラバラになってしまうところでした。

やはり全体的に動きは悪く
一通りの整備は必要な状態ということですね。
現状チェックは終わったので
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

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