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ミノルタXEのカメラ修理

今日は12月1日ということで
たくさんの記念日が制定されていますね。
その中に「カイロの日」というのがあります。
カイロが手放せなくなってくる季節ですね。
さすがにまだ作業中は必要ありませんが
外出時等にはもう使っていたりします。
使い捨てカイロもとりあえず買い込みましたが
年が明けてもっと冷え込みだすと
全然これでは足らなくなるんですよねぇ…(苦笑)
ベンジン入れて使うハクキンカイロも
持ってますしたまに使いますが
手を温めるだけならこれが1個あればいいのですが
最近の寒さはそれではすまないので
背中の背骨のラインに沿って一直線に
3、4枚使い捨てカイロを貼るのが効果てきめんです。
これであとは首と足元の冷えさえなんとか対策すれば
冬は乗り切れます(笑
しかしここ数年で一気に寒さに弱くなりました。
若い頃は寒さには強いつもりだったのですが
いまや人一倍寒さに弱くなりました(苦笑
ただ単に寒くて困るだけじゃなくて
明らかにバイタルサインに悪影響出るのですよねぇ…
身体冷やすとロクなことありません
皆様もお気を付けください。

さてさて

本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
1974年発売のカメラです。
前年にXシリーズの一号機でフラッグシップでもある
「X-1」が発売されており
Xシリーズとしては2号機になります。
「XE」はいわゆる中級機にあたりますが
今後のXシリーズの方向性をより具現化したカメラだと思います。
シャッターは金属羽根の縦走りユニットシャッターで
コパル、ライツと3社で共同開発したシャッターです。
このシャッターユニットや独特なミラーチャージ機構によって
XEならではのあの滑らかな巻上が実現しています。
スペックとしては当時の電子制御機としては
普通ともいえますがXEの魅力は何といっても
その使い心地だと思います。
当時のカタログでも使い心地のよさが強調されており
スペック至上主義であった当時としては
めずらしいアプローチのカメラだったと思います。

お預かりしているXEは露出計が不調です。
不安定なのもありますが
基本的にアンダー目にズレています。
簡単にいうと指針が振りすぎです。
XEではこの症状の個体は多く
もう少しひどくなると明るさに関係なく
電源を入れると常に振り切った状態になってしまいます。
大抵の場合は摺動抵抗の汚れが原因です。
それとは別の原因で
オート制御も不安定なようです。
先日の別のカメラのブログで書きましたが
電子制御機は電圧の確実な導通が不可欠で
そのため各接点の状態が重要になります。
加えてマグネットの確実な吸着です。
各接点や吸着部の清掃整備を行って
状態が改善するかどうかからまず行っていきます。

本格的な分解整備の前にまずは露出計の状況を確認します。
ASA感度盤下の摺動抵抗は裏表設置されていて
裏側の汚れがひどい場合が多いと思います。
今回もこの後でわかりましたが
表側は金ピカでキレイなのですが
裏側はまっ茶色に汚れていました(苦笑)
摺動抵抗の清掃の後、本格的分解整備に取り掛かります。
もうひとつXEでは懸念される
プリズム腐食ですが
今回はファインダーで確認する限りは大丈夫なようです。
ただ実際は腐食が進んでいて
分解時にプリズムを降ろす際に
一気に蒸着が剝がれてしまう場合があるので
ここはより慎重に作業を行っていきます。
ちなみに腐食修理に対応できる交換プリズムは
当店では中古良品を含めても残念ながら在庫はございません。

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