リコーオートハーフSEのカメラ修理

今日は「カレンダーの日」だそうですよ。
明治5年(1872年)12月3日(旧暦)が
太陽暦の採用により明治6年1月1日に変更されたことに
由来するものだそうです。
それまで使っていた太陰太陽暦から太陽暦に変更すると
決まってからわずか20日あまりで導入されたでそうです。
昔のこととはいえ当時は大混乱だったでしょうね。。。。
あ、来年のカレンダーそろそろ買っておかなくては。。。

さてさて

本日は「リコーオートハーフSE」のカメラ修理を行っています。
「オートハーフシリーズ」は
「オリンパスペン」と人気を二分する
ハーフ判カメラの定番モデルです。
「SE」はオートハーフEにセルフタイマーが付いたモデルですね。
オートハーフは「50歳の自分の母親でも撮れるカメラ」という
基本思想に基づいて作られています。
そのため巻上、ピント、露出は可能な限り自動化され
構えてシャッターを押すだけで撮影ができるように作られています。
加えて女性のハンドバッグ、男性の上着のポケットに
収まる大きさを目指して作られています。
総金属製のボディは現在の感覚からすると大きさの割りに
重いのは事実ですが凹凸の少ないコンパクトな四角いボディは
非常に持ち歩きに便利です。
ゼンマイ仕掛けの自動巻上も使っていて楽しいカメラです。

オートハーフの露出はセレン光電池を使用した
露出計の針を挟み込み、
その位置で絞りやシャッタースピードを制御する仕組みです。
この時代のオート露出カメラではよく使われている手法です。
やはりこの露出計関連のトラブルが多く
露出計が反応していないため常に絞り開放・1/30で
シャッターが切れてしまうという状態のものが多いです。
今回、お預かりしたオートハーフSEも
常に開放絞りで露出され
ファインダー視野内に組み込まれている
露出警告マーク(光が不足していると赤、OKなら黄緑色)も
明るいところへ向けても赤のままです。
この場合、セレン光電池が劣化のため起電しないパターンと
セレンは起電しているのですが露出計本体が動作しないパターンに分かれます。
これまでの感覚では半々といった感じでしょうか。。。
今回はセレン光電池が劣化して起電していないパターンでした。

写真は一通り整備が終わったあとのものです。
少し様子見をしてから最終チェックを行います。
オートハーフのシャッターは非常に小型で
ほんのわずかなバネの力で駆動しています。
今回ももちろん整備していますが
シャッター羽根にわずかな油や
駆動部に汚れがあれば簡単に固着してしまいます。
コンパクトに作られているが故のデリケートな部分です。
しかしながら構造自体はシンプルで
非常に考えられて造られているカメラです。
整備するたびに個人的に1台欲しい。。。と思うカメラでもあります。

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