今日は「人間ドックの日」だそうですよ。
1954(昭和29)年7月12日、
国立東京第一病院(現:国立国際医療研究センター)で
初めて「人間ドック」が行われたことが由来になっています。
人間ドックの「ドック」は
船を修理・点検するための施設であるドック(dock)からきています。
「人間ドック」は、日本独自の発想で
予防医学の観点から自覚症状の有無に関係なく
定期的に病院・診療所に赴き
身体各部位の精密検査を受けて
普段気が付きにくい疾患や臓器の異常や健康度などを
チェックする健康診断の一種です。
私も5年前から年に一度、人間ドックを受診しています。
若い頃なら必要なかったと思いますが
今や自覚症状がなくても
いつ何が起こってもおかしくない年齢になってしまったので…(苦笑)
毎年、受診しているとデータも溜まってきて
細かい身体の変化もわかるようになってきました。
それでもいつ何が起こるかわかりませんが
見つかられるものは少しでも早く見つけて対処したいですものね。
先日も定期通院の際に半年後のドックの予約をしてきました。
カメラやクルマでも当たり前のように検査やチェックを行うのだから
最も大事な自分の身体こそ定期的なチェックと整備が必要ですよね
人間の自己治癒能力は万全ではないですし
それは年齢とともに確実に衰えます…
さてさて
本日は「ペンタックスSV」のカメラ修理を行っています。
1962年発売のカメラです。
前モデルの「S3」をベースに新たにセルフタイマーが内蔵され
フィルムカウンターも自動復元式になったカメラです。
最近、「SV」の修理依頼、比較的多いですね。
ペンタックスの一眼レフはこの次の世代となる
「SP」が大ヒットモデルとなりますが
「SV」はそれまでの「AP」からの流れを汲むカメラの
集大成ともいえるモデルです。
露出計こそ内蔵されていませんが1/1000をシャッター最高速を持ち
スロー側も1S・Bまでカバーしています。
「S3」以降は完全自動絞りにも対応し
「SV」になってそれ以降続くマニュアル一眼レフと同様に
直感的に普通に操作、撮影ができるようになりました。
モデルごとの「お作法」古いカメラならではの変わった操作が
必要なくなったとも言えます。
このあたりの操作性は非常に大事かと思います。
「SP」ほどではなかったものの「SV」も相当売れたカメラだと思います。
そのため現存している個体数はかなり多いと思います。
家でしまい込まれていたカメラが「SV」だったということも多いと思います。
お預かりしている「SV」は巻き上げて
シャッターを切ると先幕は元気に走行するのですが
後幕はそうはいかず申し訳なさそうにゆっくり出てきて
2/3ほど走行したところで止まってしまいます。
もちろん走行が完了しないのでミラーも上がったままになってしまいます。
「SV」はシャッター幕が劣化していて交換前提となる個体が
非常に多いのですがフィルム室から見える範囲では
シャッター幕はまだ普通にしなやかであまり問題がないように思えます。
いずれにしても分解して見えない部分まで
チェックしてみないと何とも言えません
ミラー駆動にももんだいがあって強制的にシャッター走行を完了させても
ミラーが完全に降りず途中で止まってしまいます。
やはりあちこちで動作不良が見られる状態です。
ずいぶん昔のことだとは思いますが
過去に一度、幕交換が行われているものと思われます。
そのため幕自体には気になる劣化はないのですが
幕軸の汚れ等の原因で走行不良となってしまっているようです。
ミラーの動作不良はミラーを下す方の棒バネが
外れてしまっていることが原因でした。
加えて巻上にもずいぶん古い油脂汚れが溜まっていて
かなり動きが悪くなっています。
これからそういった問題をすべてクリアするために
入念に清掃整備を行っていきます。
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