今日は「道具の日」だそうですよ。
「どう(10)ぐ(9)」(道具)と読む語呂合わせですね。
私も仕事柄、毎日、いろんな道具を使いますが
たとえばドライバーやピンセットひとつを取ってみても
道具の善し悪しで作業効率が驚くほど変わるので
やはり道具は大事ですね。
効率云々のみなら多少のことはまだ良いのですが
下手な道具を無理して使うと
作業そのものを失敗してしまう可能性もあります。
では例えば高級で高価なドライバーが最も良いかというと
またそこが難しいところで
趣味でそれを使うことに
満足感を得るのならともかく
作業道具は結局消耗品なので
コストとのバランスもでてくるのですよね…(苦笑)
ちなみにいくら高級な道具だったとしても
消耗したり劣化した道具を使い続けることは
安物を使い続ける以上に危険です。
高級な道具は長く使い続けられるものもあるので
一概には言えませんが
摩耗や劣化で使いにくくなったものは
早めに見切りをつけて交換することも大事です。
結局、自分のスタイルに合ったものを
自分でいろいろ使って見つけて
それを適切なタイミングで交換やメンテナンスしながら
良い状態で使い続けるのが大事かなと思います。
優先されるは道具ではなくて作業の結果ですものね…
でもよい道具には愛着も湧きますし
長く問題なく使えるものは
しっかり使い込んでいきたいものです。
さてさて
本日は「オリンパス35RC」のカメラ修理を行っています。
1970年発売のカメラです。
非常にコンパクトなボディに使いやすい機能を詰め込んだ
当時も現在も人気のカメラですね。
「RC」から当時の愛称は「リチャード」でした。
CDS使用の露出計を内蔵し連動して
シャッタースピード優先オートが使用できます。
露出計はオフになりますがマニュアル露出でも使用できます。
その際にオート時にはオート機能が選択する
絞り値をファインダー指針が指しますが
マニュアル時には設定絞りを指針が指し示します。
いずれの場合もSSは設定SSもファインダー内表示されます。
シャッターはB・1/15~1/500をカバーしますが
変わっているのはレンズシャッタ機なのに
シャッターダイヤルは一眼レフ機のように
上カバー上に配置されます。
これは人によっては相当使いやすいと感じるかもしれません。
レンズはコンパクトなE.ズイコー42mmF2.8が搭載されます。
機能やスペックを見ても現在でも人気なのがわかりますね。
お預かりしている「RC」はシャッターは比較的問題なく
動作しているのですが露出計が電池を入れても全く動きません。
よくある電池室の腐食かと思いきや
電池室内の端子は非常にキレイで端子の裏側にも
緑青も全く出ていません。
リング連動のSWにテスターをあてて確認すると
ここまでの導通に問題はなさそうです。
いろいろ確認しながら分解を進めていくと
露出計本体内の断線が不動の原因のようです。
これは露出計本体を中古良品と交換するのが無難ですね。
「RC」の登場翌年に発売された「DC」同様に
露出計は底部に配置される少々変わったレイアウトです。
ここでこの時代定番の指針挟み込み式で
オート機能を制御しています。
このあたりの基本的構造は「RC」も「DC」も同様です。
今回は露出計本体がダメでしたが
挟み込みされ続けているうちに指針が固着してしまって
動けなくなるパターンもよくあるトラブルです。
露出計は載せ替えて露出計位置調整や絞り制御の調整を行います。
その前に先立って
これからシャッタユニット側の整備を行っていきます。
コンパクトなボディながら整備性も悪くないカメラです。
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