ニコンFEのカメラ修理

今日は暦の上での「入梅」であり
それに関連して「傘の日」ですね。
雨だと出かけるのはいろいろおっくうになりますが
屋内からシトシト降る雨を眺めている分には
気持ちも静かになりますし嫌いではありません。
外出するとなるといろいろ煩わしいですが
そんな中でもちょっと良いお気に入りの傘なんてあれば
随分と気持ちもよくなるような気がします。
で、毎年この時期に「ちょっとお洒落な傘でも買おうかな…」と
その気になりかけるのですが
そもそも雨の日には極力外出しないことと
出かけてもせいぜい近所のスーパーくらい…ということを冷静に考えると
「いや…買っても持って出かける機会がほぼほぼゼロじゃん…」と思い
毎年、調べるだけ調べて思いとどまります(苦笑
今年もきっとなにかの拍子にいろいろと調べては
結局買わないというルーティンを行いそうな気がします…

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
1978年発売のカメラです。
前身モデルは「ニコマートEL」です。
ニコマートシリーズは近いタイミングで
「FT系」→「FM」、「EL系」→「FE」にモデルチェンジされ
モデル名も一新され外観も中身も
随分洗練されて登場しました。
「FE」は電子制御シャッター+絞り優先オート搭載が
大きな特徴のひとつですが
内部の電子回路やファインダー表示、操作感等々
非常に使いやすいモデルとして生まれ変わった印象です。
ニコマート時代から露出計ファインダー表示は
非常に優れていましたがさらにファインダー自体も明るくなり
より直感的に操作できるようになっています。
なんといっても60年代サイズで大柄だったボディが
適度に小さくなり非常にバランスが良くなったのも魅力です。

一時期は毎月数台手がけるほど
「FE」の修理依頼は多かったのですが
少しばかりヒサビサに整備を行う気もします。
お預かりしている「FE」は電源が少々不安定なようで
普通に一通り乗せ央ができたかと思えば
全く電源が入らなくなる場合があるようです。
おそらく配線の劣化等が原因かと思われます。
それとは別の理由で高速シャッターを切っている際に
たまにですが
電源が入らないときと同様に
ミラーだけ上がってシャッターが動かない症状が発生します。
低速シャッターではこの症状はほぼ出ませんが
1/125以下の高速シャッターを使っていると
オート時、マニュアル時に関係なく
ある程度の頻度で症状が出るようです。
分解を進めてみないと断言はできませんが
おそらくマグネット吸着部の汚れ等による
吸着不良が原因かと思われます。

まだ取り掛かったばかりの状態ですが
これからさらに分解を進めて
シャッターユニットの整備から行っていきます。
その際に先述したマグネット部の清掃整備も行っていきます。
コパル縦走りシャッターユニットのため
整備性はこの類のカメラとしてはかなり良好です。
それでも少々注意点があって
それを知らないで分解を進めると
再組立てにかなり苦労するかもしれません。

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