ミノルチナPのカメラ修理

今日は「沖縄復帰記念日」ですね。
沖縄が日本に返還され沖縄県が誕生したのが
1972年。。。意外と最近なんですよね。
返還後、しばらくは車道が右側通行のままだった。。。ってことは
当時、じいさんに教えてもらったことをかすかに覚えてます。
そういえば1975年に開催された「沖縄海洋博」の
分厚いパンフレット?写真集?がなぜか家にあって
「アクアポリスすごいなぁ~行ってみたいなぁ」なんて
よく眺めてたことを思い出しました。。。

さてさて

本日は「ミノルチナP」のカメラ修理を行っています。
同じミノルチナでも「S」はこのブログにも何度か登場していますが
「P」は初めてではないかと思います。
発売開始は「S」と同時で1964年
当時の35mm判のカメラはレンズ一体式のカメラでも
まだまだ大柄なものが多く、ミノルチナPほどコンパクトなものは
ほとんどなかったのではないかと思われます。
現在だったら軽量コンパクトなことが大きなセールスポイントとなりますが
当時は「ある程度大きくないと高級感に欠ける」と思われていたようで
ミノルチナシリーズはなかなか販売台数は伸びなかったようです。

今見るとコンパクトでレンズの出っ張りも少なくて
とても洒落たカメラですよね。時代を先取りしすぎたのですね。
搭載されるレンズはロッコール38mmF2.8
距離計は搭載されておらずピントは目測です。
シャッターは手動プログラムシャッター
セレン光電池駆動の露出計にプログラムシャッターを合わせて
露出を決定します。横長のセレン受光窓がまた何ともカッコ良いです。

お預かりしたミノルチナPは
レンズ前枠部にあるピントリング、
根元にあるLVリングが両方とも全く回りません。
LVリングはどうやら固着らしいのですが
ピントリングが何らかのショックで
取り付け位置がズレているようです。
心配されるセレンの状態はまずまず良好で
通常の撮影にはほぼ支障はなさそうです。
シャッターは少々粘り気味です。

まだ分解は取り掛かったばかりですが
可動部はとにかくスムーズに動作するように
組みつけの狂っている部分は正しく組み付けることで
本来の状態に戻りそうです。
その上で各部の調整を行っていきます。

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ミノルタXEのカメラ修理

今日は「母の日」ですね!
日頃の感謝を是非、形にして伝えたい日です。
残念ながら私は既にカーネーションを贈る相手も
いなくなってしまいましたが
墓参りくらい行かなきゃなぁ。。。(汗)

さてさて

本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
とても滑らかな巻上げ、上質なシャッター作動音等々
使用感の非常に良いカメラです。
私も個人的に良く使うカメラでもあります。
発売開始は1974年、この頃のミノルタは
ライツと提携して色々な開発を行っていましたが
このXEに搭載される金属羽根縦走りシャッターユニットは
ライツ・ミノルタ・コパルの3社で共同開発した
「コパルライツシャッター」です。
ちなみに有名な話ですがこのXEの基本骨格を使用して
ライツ初のAEカメラである「ライカR3」が開発されました。

今回お預かりしているXEは精悍なブラックボディです。
XEは未整備だといろいろトラブルも少々多めのカメラですが
今回も定番中の定番トラブルである
プリズム腐食によりファインダー視野下1/3は真っ黒です。
シャッターも切れてはいるのですが
1/1000、1/500、1/250は全く開いていません。
1/125でやっと開きますが実際は1/1000近くのSSとなってしまっています。
さらに露出計は電源を入れると常に振り切った状態です。
いずれも原因は予想ができるトラブルなので
まずは分解してトラブルの原因を確認します。

シャッターのトラブルは汚れ等による
シャッター羽根の動作不良にあると思われます。
露出計の問題は上の写真にも少し写っていますが
巻戻しクランク下の摺動抵抗の劣化によるものです。
ちなみにこの抵抗、本来はまばゆいばかりの金色ですが
今回もそうですが劣化しているものは
茶色に変色してしまっているものが多いです。
円盤状の抵抗ですが上面はフィルム感度
下面はレンズの絞りに連動します。
プリズム腐食、これは交換した手段がありませんので
腐食のない部品取りボディからプリズムを移植します。

これからさらに分解を進めてシャッターユニットの整備から取り掛かります。

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ニコンFのカメラ修理

今日は「メイストームデー」といって
バレンタインから88日目、恋人同士が別れを切り出すのに
最適な日なのだそうです。
2月バレンタインデー
3月ホワイトデー
4月オレンジデー
5月メイストームデー
6月恋人の日
毎月13日前後に恋人にまつわる記念日があるのですねぇ(笑)

さてさて

本日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
Fについて、もうここであまり説明する必要は
ないような気がしますが
言わずと知れた伝説的な一眼レフですね。
いろいろ素晴らしい点はあるのですが
やはり個人的にスゴイと思うのはその堅牢性です。
同じような年代に機械制御の一眼レフは
他にもいろいろありますが
基本的には壊れてない(調整は定期的に必要)確率は
Fが圧倒的に高いような気がします。
少々何があっても、とりあえず巻上げができてシャッターが切れる。。。
本当に過酷な状況での使用も前提としたカメラだと思います。
整備をしていてもよくわかりますが
部品ひとつひとつも明らかにオーバークオリティで
「ここまで頑丈にする必要があるのか」と思う箇所も
たくさんあります。

今回のFは使い込まれた感のあるブラックボディです。
適度に剥げた塗装と下地がまたカッコ良いですね。

( ↑ レンズは当店のテスト用レンズを装着しています)

全体的な点検整備一式をということでお預かりいたました。
巻上、シャッターともに動きが少々悪く
巻上レバーは巻き上げた後の戻りが悪い状態です。
定番のスローガバナは固着とまではいきませんが
シャッターが閉じた後にカシャンと戻らずに
またガバナ作動時のように「ジーッ」と鳴って戻ります。
これもガバナ解除部分が動きが悪いために起こります。
シャッタースピードは随分ムラが出ていて
1/1000のときに
走り始めは1/750、視野真ん中で1/500、走り終わり部分で1/250といった感じです。
せっかく露出を正確に決めてもこれではちょっと困りますね。

どれも長く使われずメンテもされていないために
汚れや古い油が動きを妨げていることが原因と思われます。
動作部分を清掃・洗浄して新しい油を注油の上
細かく各部の調整を行っていきます。

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キヤノンA-1のカメラ修理

今日は「ザリガニの日」だそうですよ。
1927年のこの日、鎌倉食用蛙養殖場に餌として
アメリカザリガニが持ち込まれたのだそうです。
持ち込まれたのは20匹くらいだったそうですが
その中から逃げ出したものが爆発的に繁殖し
40年後には九州でも見かけるようになったどそうです。
私も子供の頃、煮干をぶら下げてサリガニ釣りやりましたねぇ。。。
こんなところに?っていうところにもいるんですよね。。。

さてさて

本日は「キヤノンA-1」のカメラ修理を行っています。
発売開始は1978年、来るべき80年代に向けて
非常に先進的なカメラとしてデビューしました。
絞り優先AE、SS優先AEを始めとする
5つのAEモードを持つカメラです。
ファインダー内表示もデジタル表示となりました。

言われてみればこのあたりのカメラから
ボディ側から絞りの設定ができるようになっていったのかな
(A-1はマニュアル時にはレンズ側絞りリングの操作が必要ですが
絞り優先AE時の絞り設定はカメラ側から行う)

全て電子制御で行うためもあって
電池消費が激しいことでも有名で
高価な4SR44電池を使っても数ヶ月で使い切ってしまうこともあったようです。

キヤノンらしいカッコ良さですよね!
少々大柄ではありますがグリップが付いていることもあって
意外と重さは感じません。
A-1はやはりNewFDレンズが良く似合います。

お預かりしているA-1は、
まずAシリーズ定番のシャッター鳴きが発生しています。
加えて露出計、オートともにアンダー気味で
ネガ使用だとしても写真が暗くなりそうなほどです。
さらにオートも少々不安定でシャッターを切るたびに
大きく値が変動します。
全体的に動きが悪いところが多いようです。

電子制御カメラの中でも整備は大変な部類に入るA-1ですが
露出モードが多いため、テストもなかなか大変です。
基本的な整備清掃を行った後に
各モードの点検調整を行います。

ちなみに今回のA-1は大丈夫でしたが
基板内漏電を起こしているA-1をたまに見かけます。
(新品の電池を入れても1日もたたないうちに消費しきってしまう)
こうなると残念ながら当店では修理不可能です。
他にも修理不能な基板内もございますので
A-1でトラブルを抱えている場合は
事前にお問い合わせいただいたほうが良いかと思われます。

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ペンタックスMEスーパーのカメラ修理

今から47年前のこの日(1970年5月11日)、
日本山岳会エベレスト登山隊の
松浦寿夫さんと植村直己さんが
日本人初のエベレスト登頂に成功しました。
デスゾーンといわれる8000m超の世界。。。
いろいろ話には聞きますが、想像を超えるような世界なんでしょうね。
私は国内の3000m級、それも夏山で十分満足ですが
やはり世界最高峰の世界はやはりあこがれますね。

さてさて

本日は「ペンタックスMEスーパー」のカメラ修理を行っています。
1979年の発売開始で、3年前に発売してる絞り優先AE専用機の「ME」に
1/2000のシャッターとマニュアル露出を搭載したカメラです。
シャッターは電子制御縦走りのセイコーMFCを搭載します。
ファインダースクリーンにもクリアーブライトマットが採用され
非常に明るくピントの掴みやすいファインダーとなっています。
電子制御ならではのプッシュボタン式のシャッター速度設定となっており
少々好みが分かれるところだとは思いますが
なかなか使いやすいとは思います。
非常によく売れたカメラで現存する個体数も多いせいだとは思いますが
意外と過小評価されがちなカメラだと思われます。
かなり完成度は高いカメラだと個人的には思います。

過小評価されがちな原因のひとつは
市場に出ている未整備のMEスーパーの多くは
ミラーボックス周りにトラブルを抱えていることが多く
そのせいで「壊れやすい」というイメージが定着しているせいもあるかと思います。
ミラーボックスのトラブルというのは可動部分にショックを緩和するための
ゴムブッシュが取り付けてあるのですが
これが経年劣化で溶け出して粘着質となり
動きを妨げてしまうものです。
これが原因で症状となって表れるのは
「ミラーアップしたままになってしまう」、「ミラーチャージ(巻上)ができない」
「チャージされているはずなのにレリーズができない」
「巻上が滑る感じでチャージができない」等々がございます。

今回、お預かりのMEスーパーも
チャージは完了しているのにレリーズができない
(シャッターボタンは押せるが切れない)といった症状です。
これもミラーボックスの動作不良により
実際はミラーチャージができていないことが原因です。

案の定、ミラー駆動部のゴムブッシュ3箇所は
見事なまでにグズグズに劣化し粘着質となり動きを妨げていました。
ME系のカメラ全てに当てはまるトラブルですが
もちろん修理は可能です。
他、ウィークポイントが何箇所かありますので
シャッターユニット周りからトラブル予防も含めて
点検整備を行っていきます。

電子制御シャッター機ですが
比較的、電子部品関連のトラブルは少ないカメラです。
(最近は分解品でフレキが切れているものをたまに見かけますが。。。)
しっかり整備すれば快適に使えるとても良いカメラですよ。

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キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「ファイトの日」だそうですよ。
「ファイト一発」でおなじみのリポビタンDが
1962年のこの日に発売されていることにちなんでだそうです。
ドリンク剤はともかく
毎日元気でモチベーション高く何事にも「ファイト一発!」で
取り組んでいきたいものですね。

さてさて

今日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
最近、このブログにも頻繁に登場するFTbですが
大きく前期モデルと後期モデルに分けることができます。
後期モデルにはファインダー内にシャッタースピード表示があります。
外観ではセルフタイマー周りのデザインが変更されています。
ファインダー内SS表示はやはりあると便利ですね。
このタイプのFTbをFTb-nと呼ぶこともあるようです。

今回お預かりしているFTbは
その後期モデルです。
元々はご依頼者様のおじい様のカメラだったそうです。
随分長い間、使われずに保管されていたようなのですが
比較的、乾燥したところで保管されていたらしく
ファインダー内、レンズ内にカビはほとんど見当たりません。
ただし、油切れは相当進んでいて
1/1000は開かず、シャッターを切った際にも
何度かに一度はシャッターが走る瞬間に「ギャイン」と
AE-1のシャッター鳴きのような異音がしています。
この状態で動かすのはかなり良くないので
最低限の動作チェックのみ行い、分解整備に取り掛かります。

写真は整備後のものですが
非常にスムーズに動作するように生まれ変わりました。
付属の50mmF1.4s.s.cはボディとは逆に
油が絞り羽根に染み出してきて絞り羽根固着を起こしていました。
お預かり時には絞りが解放の状態で固着しており
全く出てこない状態でした。
こちらも絞り羽根の洗浄を行い今はスムーズに可動しています。

FTbは全面の「QL」の文字が示すとおり
キヤノンお得意のクイックローディングを搭載しています。
慣れない方にとってはフィルム装填って
かなり面倒な作業だとは思いますが
このカメラはフィルムの先端を指定の位置にセットするだけで
あとは巻上時に勝手に巻き込んでいきます。
確かに便利ですよね。
当時も今もフィルム装填に関するトラブルは多いと思いますので
こういう機能の付いたカメラを使うのも対策のひとつですね!

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コニカⅡのカメラ修理

今日は「声の日」だそうですよ。
そういえば連休中はカラオケ行けなかったですねぇ。。。
定期的に思い切り声を出しておかないと
なかなか出なくなるから2週間に一度は
ひとりで思い切り歌いたいのですが。。。なかなかうまく時間が取れませんね(苦笑)

さてさて

今日は「コニカⅡ」のカメラ修理を行っています。
発売開始は1951年、ヘキサノン50mmF2.8レンズを搭載します。
レンズはダブルヘリコイドによる沈胴式となっています。
まだセルフコッキングではありませんが
二重露光防止装置は装備されています。
なんといってもレトロなデザインが何ともいい雰囲気で
さらに定評のあるヘキサノンレンズの写りの良さが魅力です。
こういうカメラをちょっとぶら下げて
フラッと散歩に出かけるのは何とも粋ですね!

お預かりしているコニカⅡはシャッターそのものはなかなか元気です。
60年前のカメラとしてはかなり良いコンディションだと思います。
ただしレンズにはかなりカビが発生しています。
少しカビ跡が残る可能性が高そうですが
通常の撮影に全く問題ないほどにはキレイにできそうです。
魅力のひとつであるダブルヘリコイドは
固着しているわけではありませんが
回転させるときに重さにかなりムラがあります。
ヘリコイドグリスが均等に塗布されてないような感じです。
他、距離計にもズレが見受けられます。

全体的には整備は一通り必要ですが
コンディションとしては悪くない個体だと思います。
しっかり整備してしまえばかなり快適に撮影に使えそうです。
もちろん色々なトラブルの予防の意味も兼ねて
シャッター羽根、絞り羽根周りの清掃整備から取り掛かります。

私も個人的にⅡとⅢは持っていますが
この頃のコニカレンジファインダー機は
持っているだけで楽しいものが多いですね!

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ペンタックスMXのカメラ修理

今日は「コナモンの日」だそうですよ。
「コナモン」って何のことかと思ったら「粉モノ」のことなんですね。
たこ焼きとかお好み焼きとか。。。
ところで、お好み焼きは関西風もいいけど
やはり広島風が好きですねぇ。。。今でもたまに無性に食べたくなります。
私が子供の頃はそこらへん中に小さなお好み焼き屋さんが
たくさんありました。お店で食べてもいいけど
持ち帰りにして外で食べるのもまたいいんですよねぇ~
すっかり暖かくなったし、外でビールと一緒にお好み焼き。。。いいなぁ(笑)

さてさて

本日は「ペンタックスMX」のカメラ修理を行っています。
ペンタックスMシリーズ中、
唯一の布幕横走り機械制御シャッター機であり
今でも非常に人気の高いカメラですね。
前モデルのKシリーズ比べると随分コンパクトになり
ギュッと凝縮感のあるデザインも人気の理由かと思います。
1976年の発売開始です。

MXは修理依頼件数の多いカメラでもありますが
トラブルの内容はある程度パターン化されていています。

まずは高速シャッターの不良です。
他のカメラでもよくある症状ですが
MXは特に多いように思われます。
先幕と後幕のスピードが全く違ってしまっているがために
走り始めは開いているのに走り終わる前に
後幕が先幕に追いついてしまい閉じてしまう状態になります。
1/1000のみが開かない、1/250くらいから1/1000まで
どのSSでも開かない。。。といったものも見受けられます。

次はミラーアップしたままになってしまうと症状です。
常にミラーアップしてしまうものは少ないかと思いますが
たまにミラーアップしてしまう、
あるいはスローシャッターを使うとミラーアップしてしまう、
という症状が多いかと思われます。
結局、どちらもシャッター幕軸、ミラー駆動部が
油切れ等の理由で動きが悪くなってしまうことが原因です。

他、あまり見かけることは少ないですが
LED式の露出計のため、露出計トラブルが発生しているものは
修理不能のこともございます。

お預かりしているMXはシルバーボディでなかなかキレイな個体です。
今回もお預かり時に簡単にチェックを行ったときに
見事に1/250~1/1000まで全くシャッターが開かない状況でした。
先幕の動きが悪く、後幕に追いつかれてしまう状態です。

現在、一通りの点検整備を済ませた状態ですが
少し時間をおいて様子を見ている状態です。
幕軸の清掃を行い、古い油や汚れを落とした上で
新しい油を注油するのですが
整備直後はなかなかシャッタースピードが安定しません。
何日かおいて新しい油が馴染んでから
最終調整を行います。

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リコーXR500のカメラ修理

お休みをいただいていたので
今日が5月最初のブログとなりました。
5月2~3日は標高が2017m(今年が標高年)の
雲取山に登ってまいりました。
トレーニング不足の身体には結構ハードでしたが
ヒサビサに山を楽しめました。
それにしても人が多かったです(笑)

さてさて

本日は「リコーXR500」のカメラ修理を行っています。
XR500は1978年に発売されましたが
50mmF2のレンズが付いて「39800円」と非常に戦略的な
価格で登場しました。
機械制御シャッター(1/500~1/8、B)を搭載し
シンプルな操作系で現在でもなかなか人気の高いカメラです。
必要最小限のスペックではありますが
昼間のスナップとかであればこれで十分なんですよね。
気軽に撮り歩くにはもってこいのカメラだと思います。

お預かりしているXR500はまず露出計が全く動きません。
シンプルな指針式の露出計なので
露出計そのものが壊れている可能性は低いと思います。
電池室から露出計までの経路のどこかで
断線か接触不良があるものと思われます。

基板はいわゆるフレキですが
露出計に関するもののみでしかもLED式ではなく
指針式なので比較的シンプルです。
露出計不動の原因はどうやら巻上レバー部の
ON/OFFスイッチ部の接触不良のようです。
これから分解をさらに進めて
シャッターユニットの点検整備から取り掛かります。

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ニコンFE2のカメラ修理

今日は「図書館記念日」だそうですよ。
数年前までは頻繁に図書館に立ち寄っては
色んな本を読んだり借りて帰ったりしていたのだけど
最近はめっきり行くことがなくなってしまいました。
たまにはゆっくり図書館で過ごす時間も作りたいですね。

さてさて

本日は「ニコンFE2」のカメラ修理を行っています。
1983年に登場したFEの後継機です。
なんと言ってもハイライトは1/4000秒のシャッター最高速と
1/250秒でのシンクロですよね。
FE2がデビューしたときに私は中学生でしたが
強烈に憧れて毎日カタログを眺めていました。

搭載されるシャッターユニットはこの時代の縦走シャッターということで
定番のコパルスクエアSEです。
1/4000シャッターと1/250シンクロを実現するために
幕速を当然上げなくてはならず
チタン製のシャッター羽根をさらに軽量化するため
ハニカム状のエッチングが施されています。
(後期モデルでは通常のアルミ製の羽根に変更されました)

この時代ならではの高い工作技術ですよね。。。
このシャッター羽根だけでもFE2を手に入れる理由になると思います。
(他にもFA初期やFM2初期にも搭載されています)
魅力はもちろんそれだけではなくて
非常にシンプルで使いやすい操作系、
直感的に露出が把握できる指針式の露出計
適度に軽量コンパクトなボディ。。。等々、非常に魅力の多いカメラだと思います。
生産中止後にしばらくは定価以上で取引されていたと
話を聞くことがあるのですがそれも納得できるカメラだと思います。

今回、お預かりしているFE2は
通常に撮影に使われていたカメラということなのですが
あるときから露出計が全く反応しなくなったということで
当店にやってきました。
拝見させていただくと確かに露出計は無反応なのですが
一番下の「B」のポジションにとどまっているわけではなく
真ん中あたりの1/30あたりにふわふわととどまっています。
光の強さにもまったく反応いたしません。
それでもオートはそれなりに精度は出ていますし
マニュアル時のシャッター速度もまずまずの状態です。

というわけで露出計本体の断線と思われるのですが
FE2の場合、メーターを単体で交換ではなく
シャッターダイヤル下の管制部ごとの交換が必要です。
(写真真ん中に写っている部品)
中古良品からの移植で対応します。

そのまえにさらに分解を進めてシャッターユニット部の
点検整備から取り掛かります。
その後、管制部を組み込んで各部の調整を行っていきます。

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