コニカSのカメラ修理

今日は「温度計の日」だそうですよ。
1686年のこの日に水銀温度計を発明し
華氏温度目盛りに名前を残す
ドイツの物理学者
ガブリエル・ファーレンハイトが生まれたことに由来しています。
実家に昔、水銀温度計がありましたね
アルコール温度計しか見る機会があまりなかったので
めずらしくてよく覚えています。
でもファーレンハイトといえばやはり「華氏(℉)」ですよね。
日本では全く馴染みがありませんが英語圏では
いまだに多く使われる温度の単位です。
日本ではやはりセルシウス度(摂氏(℃))ですよね。
ふと思ったのですが長さや重さの単位は
日本古来の単位(貫とか尺とか)が存在するのに
温度には私の知る限りないのですよね…
昔の人は温度に関して「暑い・寒い・熱い・ぬるい・冷たい」くらいで
充分だったのですかね…
まぁ充分か…加えて「お湯が沸いた」「水が氷った」があれば
事足りますね。。。(笑

さてさて

本日は「コニカS」のカメラ修理を行っています。
1959年発売のレンズ固定式のカメラです。
それまで「コニカⅠ・Ⅱ・Ⅲ」と続いてきた
レンズシャッター機のシリーズを大きくモデルチェンジして
登場したカメラです。
直線的でそれまでとは全くイメージの異なるカメラになりました。
コニカⅢMで取ってつけたような露出計が装備されていましたが
「S」ではスマートに内蔵されました。
ただやはりセレン光電池の露出計なので
セレンは劣化して起電しないものが多いようです。
今回、お預かりしている「コニカS」も露出計は全く動きません。
加えてシャッター羽根にも定番の粘りがあり
ファインダーも汚れで曇って非常に見えづらい状況です。

シャッターや駆動部のトラブルは原因が明らかですし
通常整備をしっかり行えば改善できるので
まずは露出計の状況を詳しく調べていきます。
セレン光電池は取り外して単体で調べても
全く起電しない状態です。
通常はセレンの交換は部品が確保できないので
修理不可能とさせていただくことが多いのですが
今回はたまたまコニカSのセレンで
そこそこ起電するものが在庫にあったので
それと交換で対処していきます。
しかしながら今回の問題はそれだけで終わらず
露出計本体も内部で断線しているようで
電圧をかけても全く動作しません…
これも中古良品と交換で対処します。
さらに加えて絞りリング・SSリングの摺動抵抗の状態も悪く
露出計が全く安定しない状態です。
ここは抵抗体が剥がれ落ちないように慎重に清掃して
できる限りの調整を行っていきます。
さすがにこの時代の露出計はなかなか一筋縄ではいきませんね
それも今回は何とか使える状態にはなりそうです。

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