日別アーカイブ: 2018年7月26日

ニコンニューFM2/Tのカメラ修理

今日は「幽霊の日」だそうですよ。
いかにもこの季節らしい記念日ですねぇ(笑)
エンターテイメントとしてのホラーとかは
非常に好きですが
幽霊はちょっと信じることはできないかな。。。
いえ、普段人の目に見えない何かとか
そういうものはあるかもしれませんが
それが人の霊とかとは思えないです。
世の中の全ての不思議なことは
「蟲」のせいじゃないかと。。。(汗)
(あぁ~漫画「蟲師」の影響が。。。(笑))

さてさて

本日は「ニコンニューFM2チタン」のカメラ修理を行っています。
FM2は前身のFMをベースとしたモデルですが
FM/FEシリーズを見ていると
一眼レフのシャッター高速化の歴史を見ているようでもありますね。
1977年に登場したFMはコパル製金属羽根縦走りシャッターで
最高速は横走り機も含めて標準的な1/1000で始まりました。
1982年に発売されたFM2では当時の世界最高速である
1/4000のシャッターを搭載しました。
このシャッタースピードを実現するためには
幕速を従来のモデルに比べて約2倍にする必要があったそうです。
そのためシャッター幕(羽根)にはチタンが用いられ
軽量化のために蜂の巣状にエッチングされ全体の厚さの
半分以上を削り取っています。
その後、1984年には「ニューFM2」が登場し
幕速はさらに早められ、最高速1/4000は変わらないものの
シンクロスピードが1/200から1/250に高速化されています。
ニューFM2ではシャッターユニットの技術開発が進んだ結果
後期モデルからはシャッター幕(羽根)はジュラルミン製になり
あの独特のハニカムエッチングも見られなくなりました。
今回のニューFM2/TはニューFM2の上下カバーを
チタン製とし外装色もチタンカラーとしたものです。
発売開始は1994年です。
現在でも。。。というより最近特に再び人気が高騰しているモデルですね。

当店で扱うカメラとしてはかなり新しいモデルということもあり
お預かりしている個体は現状の動作に大きな問題はありません。
巻上部に多少油切れの兆候が見られるくらいでしょうか。。。
露出計の微調整や各動作部の清掃、注油を行っていくわけですが
今回のFM2/T、この時期のカメラとしてはめずらしく
プリズムが腐食してしまっています。
視野内に縦スジが入るパターンです。
細い縦スジというレベルではなく明らかに視界の邪魔になるレベルで
縦方向に腐食してしまっています。

先にシャッターユニットやミラー駆動部の整備を行い
組み上げるタイミングでプリズムを交換します。
プリズムの新品は既に手に入らないので
中古良品のプリズムを使用します。

以前にも海洋泣きがしますが
FM系は機械制御シャッターで
少々何があっても修理可能だと思われていることも多いのですが
露出計周りのトラブルは修理不能なことが多いです。
LED式の露出計は制御部分にトラブルが起こると
残念ながら当店では修理不可能です。
その点では指針式のFE系のほうが修理しやすいですね。

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