月別アーカイブ: 2019年5月

ミノルタXDのカメラ修理

5月19日。。。記念日ではないのですが
1910年のこの日にハレー彗星の尾の中を
地球が通過するという現象が起きています。
そのときに「彗星の尾のシアン化合物で地球上の生物は死滅する」とか
「地球上の空気が5分ほどなくなる」とか
いろいろな噂が広まりました。
自転車のチューブを買占め空気がなくなる間
チューブにためた空気で凌ごうとする人や
水を張った桶で息を止める練習をする人とかがいたそうです。
で、どうせ死んでしまうなら。。。と当時の歓楽街は
かつてない賑わいをみせたそうです。
もちろん、彗星の尾は非常に薄いガスのため
地球の大気に跳ね返されてしまうので全く何もおきませんでした。
今でこそ多少笑い話な要素になっていますが
こういうデマは怖いですよねぇ。。。
現在だってウィルスの大流行だとか生物兵器だとか
同じようなデマの可能性もありますものね。。。
現在のような発達した情報化社会だからこそ
おかしな情報には惑わされないようにしなくてはいけませんね。

さてさて

本日はミノルタXDのカメラ修理を行っています。
1977年に発売された世界初の両優先AE
(絞り優先AE、シャッタスピード優先AE)が搭載されたモデルです。
両優先AEもポイントですが
個人的にはそのよくまとまったデザインが
非常に魅力的なカメラです。
ミノルタらしく巻上やシャッター音、ファインダーの見え等々
使い心地の質感が非常に高いことも魅力です。
スクリーンには非常に明るくピントの山が掴み易い
「アキューマットスクリーン」が採用されています。
ただし、電子制御シャッター機ということもありますが
電装系に少々トラブルの多いカメラ独特のとしても有名です。
当店でも修理・整備は行いますが
修理不能な個体も多いカメラでもあります。
露出計が明るさに関係なく常にオーバー表示のものや
シャッタースピードの制御が全く効かず
常に同じ速度で切れるものとかは修理不能の可能性が極めて高いです。

お預かりしているXDは電子制御部分については
まずは問題ないようです。
ただし高速シャッターが異常に速い
(スリットが狭すぎて露光量が少なすぎる)ことや
レンズ絞込みレバーの動きが悪く本来の半分くらいしか動かないとか
巻上レバーの戻りが悪い等々
機械的な部分で動きのおかしな箇所がいろいろ出てきています。
特に絞込みレバーの動きが悪い点は
XDの定番トラブルである「シャッターレスポンスが異常に悪い」という
トラブルの前兆的なものでもありますので
速めに対処しておきたいところでもあります。

XDのブラック塗装は「ネオブラック」と呼ばれる
独特のツヤの少ない塗装です。
これもまた魅力のひとつでもありますね。
個人的にはシルバーもかなり好きですが
このブラックが人気なのは頷ける気がします。
今回のモデルは後期モデルで通常の貼り革ですが
初期モデルには柔らかい本革が使われていました。
ただ、その初期モデルの本革は
今ではかなり縮んでいたり妙に粘着質になっていたりと
本来の質感が味わえないものが多いです。
ちなみにXDの発売時、ミノルタではサービスステーションで
貼り革交換も行っていて
ワインレッド、黒、こげ茶が用意されていたそうです。
それ以外にもXDには記念モデルも多く発売されていて
クロコダイル風の革やCLEと同じ革が貼られたもの
ヘビ革が貼られたもの。。。等々色々なモデルが存在するようです。

今回は講釈が非常に長くなってしまいました(苦笑)
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
XDは単純に分解するだけでも手間のかかるカメラです。
気合を入れて取り掛かります!

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ニコンFEのカメラ修理

今日は「5・18」ということで
「ことばの日」だそうです。
言葉って自分の思いや考えを伝える最大の方法ですが
きちんと使いこなすのは本当に難しいですよねぇ。。。
いったん思ったことと異なる意味に伝わってしまうと
なかなかそれを訂正するにも難しいし。。。
もういい歳したおっさんですから
積極的に自分の考えや思いをひけらかすことは
以前に比べて少ないですが
それでもきちんと自分の考えや思いを
正確に伝えたい場面はありますものねぇ。。。
最近は仕事以外で人と話すことが激減しているので
ちょっとマズいかなぁ。。。と思います。
使っていないと下手になるのは何でも同じですね。

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
昨年はFEがトップクラスに修理依頼の多いカメラだったのですが
今年は少し少ないような気がします。
このブログに登場するのもちょっと久しぶりですね。
当時のニコンのラインナップの中では
F一桁機に次ぐ中級機にあたります。
F一桁機はフラッグシップならではの高級感や
堅牢性が必要なためどうしても大きく重くなりがちですが
FEやFMクラスになるとすごくコンパクトなわけではないですが
随分使いやすい軽快さがセールスポイントとなります。
FEは電子制御シャッター機で絞り優先AEも搭載します。
普段使いに非常に使いやすいカメラです。
加えて指針式の露出計は
現在設定されているシャッタースピードと
露出計が指示するシャッタースピードが同時に確認でき
マニュアル撮影時にも非常に使いやすいものです。
もちろん絞り値もファインダー内で確認できます。
(Aiニッコール使用時のみ)
絞り優先オートでもマニュアルでも使いやすい非常に優れた一眼レフだと思います。

お預かりしている「FE」は
まず1/1000がほとんど開きません。
1/500でも1/2000近い値が出てしまっています。
よくある先幕と後幕のバランスが狂ってしまっていて
後幕が追いついてしまうパターンではなく
先幕・後幕の幕速のバランスは良いのですが
根本的にスリットが狭くなってしまっているようです。
物理的にマグネット吸着部分に問題があるのか
何か電気的な問題か。。。いろいろ探りながら修理していくつもりです。
露出計は少々ズレがあるものの
それほどおかしな値がでているわけではないのですが
オート露出は2段ほどアンダーなようです。
比較的正しい値が出る1/125や1/60を選択するはずの
シチュエーションでこんな様子なので
先述のシャッタースピードの問題と別の問題かと思われます。
他、巻上時(チャージ完了時)に
巻上レバー軸が戻ってこず
巻上レバーがスカスカになってしまう症状があるようです。
(これも言葉で書くと表現が難しいですねぇ)
バッテリーチェックランプも接触が悪いのか不安定です。

レンズは当店のテスト用レンズです。
現状を一通りチェックしたので
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

そういえば。。。以前にも書きましたが

生産時期によってはそうでないものもあるのですが
FEで絞り優先オート使用時に
露出計指針(黒いほうの指針)が1/1000以上に振り切ってしまう場面
(要は光が多すぎてSSが追いつかないような場面)では
シャッターを切っても実際にはシャッターは開きません。
これは故障等ではなく仕様です。
感度400のフィルムを使って
晴天屋外だとこういった場面が多いと思われますので
絞り優先オートで撮影される場合は
ご注意いただければと思います。
オート使用時には指針が1/1000~手ブレしない程度のSSに
入ってることをしっかり確認して撮影いただければと思います。

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ミノルタSR101のカメラ修理

今日は「お茶漬けの日」だそうですよ。
永谷園の海苔茶漬け、美味しいですよねぇ。。。
でも普通の緑茶をかけただけの
お茶漬けもこれまた捨て難い。。。
そのままだと少し寂しいので
野沢菜か広島菜でもあれば無敵の美味しさだと思います。
一番食べていた頃は
おかずがなくなっても
まだご飯を食べたいので
最後はお茶漬けでしめるという食べ方がパターンだったかな
真夏とかは冷たい麦茶をかけることも多かったですねぇ。。。
最近お米を抑え気味なので
お茶漬けを食べることもなくなりましたが
久しぶりにお腹一杯かきこみたくなってきました(笑)

さてさて

今日は「ミノルタSR101」のカメラ修理を行っています。
「SR101」は1975年8月に「SR505」と同時に
発売されました。
その2年前には「X-1」が登場し
前年には「XE」の発売も始まっていて
ミノルタとしては電子シャッター機である
「Xシリーズ」へ移行する最中
最後のSRシリーズ(すなわち最後の機械制御シャッター機」として
登場したのが「SR101」と「SR505」です。
「SR505」が「SRTスーパー」のマイナーチェンジ版であることに対し
「SR101」は「SRT101」のマイナーチェンジ版です。
ペンタ部のデザイン等はSRT101のものが引き継がれています。
そのためファインダー内での絞り値表示こそありませんが
基本的な機能はSR505と同様です。

お預かりしている「SR101」は
外観の非常にキレイなブラックボディです。
発売から40年以上経過していることを考えると
非常に良いコンディションだと思います。
とはいえ、おそらく近年はあまり使われてなかったと思われ
モルトが全滅、そのモルト屑がファインダーの内側に
かなり入り込んでいます。
シャッター幕の動きも悪いようで
高速シャッターでは先幕と後幕のバランスが崩れているため
写真両端でかなりの露光差が出てしまっています。
たまにミラーアップしたまま固着することもあるようです。
やはり全体的に動きが悪いのですね。
露出計は動作はしていますが
大幅にアンダーといった様子です。
通常の屋外晴天の明るさで
露出計の指示どおりに撮影すると2段以上アンダーになってしまいます。

装着されているレンズはSR101の次の世代である
MDロッコールですが「SR101」にも似合いますね。
外観が元々キレイなので整備後の写真のようですが
分解整備はこれから取り掛かります。
細かいトラブルはいろいろ抱えていますが
どれも各部の動きが悪いために起きているトラブルなので
機械動作部分をきちんと清掃して注油の後
調整を行えばどれも改善すると思われます。

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ミノルチナSのカメラ修理

今日は「旅の日」だそうですよ。
旅。。。というか
ちょっとした旅行も縁がないですなぁ(苦笑)
先日のGWみたいに生まれ育った地元に帰るのは
旅。。。とはちょっと違うし。。。
テント担いで山に行くのも、旅。。。とは違いますよね
でも一泊か二泊くらいの小旅行なら
たまには行きたいかな。。。
温泉旅行とか。。。
それ以上長くなると
たぶん家に(というか店に)帰りたくなりそうです(笑)

さてさて

本日は「ミノルチナS」のカメラ修理を行っています。
ミノルチナ。。。久しぶりですねぇ
当時、世界一薄いと言われていたレンジファインダー機です。
発売は1964年です。
レンズはロッコールQF40mmF1.8の大口径で
セレン式の露出計を内蔵します。
端正なルックスとコンパクトさで今でも非常に人気の高いカメラです。
ミノルタのレンズ固定式レンジファインダー機といえば
当時はハイマチックが主力で(ハイマチック7が1963年発売)
他にもユニオマット(Ⅲが1964年発売)やAL2(1963年発売)と
バリエーションに富んだラインナップでした。
現在ではなかなか考えられませんが
この頃のカメラのイメージは
「ある程度大きく重くないと高級ではない」という考えが残っていて
他のモデルに負けない性能で軽量コンパクトな
「ミノルチナシリーズ」は販売面でかなり苦戦したようです。
そのためかハイマチック7あたりに比べると
現存する個体数もミノルチナは随分少ないような気がします。
ミノルチナは目測式でレンズが38mmF2.8の「P」と
今回、取り上げている「S」が存在します。
どちらもコンパクトで使いやすく質感の高い良いカメラです。

お預かりしている「ミノルチナS」はシャッターを切ると
シャッター音はするのですがシャッター羽根が全く動きません。
羽根が固着してしまっているようです。
レンズシャッター機定番のトラブルです。
もうひとつ心配されるのがセレン光電池ですが
こちらは比較的良好な状態のようです。
セレンの劣化もそうですが
ミノルチナの場合はシャッター速度、絞りリングに連動する
摺導抵抗が組み込まれているのですが
この抵抗が劣化しているものが多く
露出指針が途中で飛び跳ねたり、振り切ってしまうものを
よく見かけます。
こうなってくると抵抗を交換するしか方法がないのですが
その抵抗が手に入りません。
今回の個体もわずかにその症状が見受けられますが
通常の使用に問題ないレベルかと思います。
できる範囲での清掃・調整で対応します。

まだ現状チェックを行ったのみで
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
シャッター羽根・絞り羽根の清掃・調整、シャッターユニットの整備
レンズ清掃、ピント調整、ファインダー・距離計の清掃整備
露出計の調整等々、各部点検整備一式を行います。
久しぶりに触れるミノルチナSですが
やはりカッコ良いですし質感も良いですねぇ。。。
整備すればシャッター音や巻上も非常に快適になり
使い心地も本来のミノルタらしい上質な感覚になると思います。

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リコーXR500のカメラ修理

今日は「ヨーグルトの日」だそうですよ。
ヨーグルトはとっても身体に良い食物ですよね。
一時期、毎日食べていた時期もあるのですが
いつの間にかまた食べなくなってしまっています。
この機会にもう一度、
毎日ヨーグルトを食べる習慣をつけなくては。。。
プレーンヨーグルトにハチミツをたっぷりかけて食べると
これがまた美味しいのですよねぇ。。。
ハチミツかけ過ぎはちょっと身体に悪いとは思うのですが。。。(苦笑)
とりあえず今日は帰りにスーパーに寄って
ヨーグルト買って帰ります!

さてさて

本日は「リコーXR500」のカメラ修理を行っています。
1978年に発売された機械制御縦走りシャッターの
マニュアル露出のみのシンプルなカメラです。
その前年に登場したXR-1とは兄弟機で
基本的な構造は同一です。
当時のカメラ業界を揺るがすほどの革命的価格で発売となり
それ以降のカメラにかなり影響を与えたと思われます。
この時代のカメラで戦略的な価格が売りのカメラなので
やはりプラスチック部品が多いのですが
ダイキャストやマウント部はしっかり作ってあり
「これで十分」と思わせる部分の多いカメラです。

お預かりしているXR500はまずシャッターを切ると
かなりの確率でミラーが上がりかけの位置で止まってしまい
シャッターが切れない状態になってしまいます。
指で軽くミラーを押し上げてやればシャッターも普通に切れます。
XR500はミラー駆動部のトラブルが比較的多く
シャッターが普通に切れているようでも
ミラーを途中で軽く指で止めてやると
そこで固着してしまう状態のものも良く見かけます
(本来は途中で止めても離せば普通にミラーアップできます)
加えてシャッター羽根にゴム系のブッシュか何かが
溶解したような汚れがありシャッタースピードの精度を狂わせているようです。
さらに露出計は全く動きません。

まだ動きを確認しながら上カバーを外しただけの状態です。
ミラーは駆動部を清掃注油すれば直ると思われますし
シャッター羽根も清掃すれば問題なさそうですが。。。
ちょっと問題がありそうなのが露出計
不動の原因はSW部の接触不良でとりあえず動くようにはなったのですが
妙にオーバーな値を示し、それが調整用抵抗を動かしても
全く変わりません。光の変化にも反応の変化が鈍いようです。
基板内抵抗及び受光部に問題がありそうです。
これがちょっと時間のかかりすな予感がします。
まずは分解を進めてミラー駆動部や
シャッターユニットの整備から行います。
ちなみに機械制御シャッターでマニュアル露出のみ
さらに露出計は指針式。。。と分解整備しやすいカメラに思われそうですが
露出計の連動等、分解・組み立てには
意外と手間が掛かる部分の意外と多いカメラです。

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キヤノンFTのカメラ修理

今日は「カクテルの日」だそうですよ。
カクテル。。。うーん、二十代半ばくらいの頃は
ちょっとオシャレなショットバーだとか
夜景の見えるホテルのラウンジバーだとか
そういうところでカクテルはかなり飲んだし
当時はそれなりに詳しかったのですが。。。
(思い出すと生意気なガキだったな。。。と(汗))
今となっては。。。
夜景と酒が欲しければ
山にでも撮影機材担いで登って
熱燗をちびちびやりながら。。。って感じですねぇ
(なかなかそれをする時間と余裕がないのですが。。。(苦笑))

さてさて

本日は「キヤノンFT」のカメラ修理を行っています。
ここのところ、「FT」の修理、結構多いですねぇ。。。
その代わりというのもおかしいですが
それまでちょくちょくあった「FTb」の依頼が全くございませんが。。。
「FT」は「キヤノンFシリーズ」中期あたりを代表するカメラです。
この後に出る「FTb」となると開放測光になり
レンズマウントも開放測光に対応したFDマウントにマイナーチェンジされます。
「FT」は絞込み測光機で
当時対応していたレンズは「FLマウント」です。
(FDマウントレンズをFT以前のFLマウント機に使うことは問題ナシ)
FTの露出計測光は中央部分測光です。
ファインダーコンデンサレンズ内にハーフミラーを組み込み
中央部の光のみをコンデンサレンズ後ろ側に配置した
CdSで測光します。なかなか凝った造りです。
この測光方法はこれまでの実績やユーザーの声を反映させたものだそうで
この後に登場するF-1にも採用されています。
個人的にもこの時代によくある「中央部重点測光」よりは
「中央部分測光」のほうが実際は使いやすいと思います。

お預かりしている「FT」は
ご依頼者様のおじいさまが使っていたものだそうです。
かなり長い間使われずにしまい込まれていたようです。
シャッター駆動部には油切れの兆候がかなり出ていて
まずシャッター音が「ギャン」といった感じで明らかに耳障りです。
実際のシャッタースピードも精度は全く出ていなくて
先幕、後幕ともに幕速がかなり遅い状況です。
スローガバナーは1/8くらいまでは何とか作動するものの
1/2や1秒になると固着してしまいシャッターが開きっぱなしになってしまいます。
露出計はバッテリーチェックも含め全く動きません。
全体的に油切れによる動作不良と
汚れによる接触不良という感じです。
ただ、幸いなのはこのカメラによくある
プリズム腐食がないことです。
FTの腐食のないプリズムはなかなか見つけづらい状況なのです。

写真は一通り整備が終わって組み上げた状態です。
しばらく注油が馴染むまで様子を見た後で微調整を行います。
シャッター音が明らかに整備前と異なり
キヤノンFシリーズらしい歯切れの良い気持ちよい音になりました。
露出計ももちろん復活しています。
付属しているのは大口径のFL55mmF1.2です。
こちらもカビ取り清掃等、一通りの整備を行いました。
こうしてみるとかなり迫力のある組み合わせですね。
文句なしにカッコ良いです。

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ミノルタXEのカメラ修理

今日は「ご当地キャラの日」だそうですよ。
一昔前まではこんなに全国各地で
「ご当地キャラ」や「ゆるキャラ」が
盛り上がるとはとても想像できなかったですね。
。。。とかいう私も
普段持ち歩くバッグには
私の生まれ育った街。呉市のキャラクター
「呉氏」のマスコットとバッジが付けてあります(笑)
2017年にTRFの「CRAZY GONNA CRAZY」の
替え歌「呉-市-GONNA呉-市-」で
呉氏の存在を知ったときには
「私の地元でこんな面白そうなことやってる!!!」と
驚いたものです。
そういえば今日と明日は
呉市の大和ミュージアムとなりの大和波止場で
「復興応援呉ご当地キャラ祭」が行われます。
全国の色々ご当地キャラが集まるそうです。
(今日11日はフナッシーやくまもんも来るらしい。。。)
あぁ。。行ってみたかったなぁ。。。

さてさて

本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
XE。。。久しぶりですね。
1974年発売で前年に発売された
「X-1」に続く「Xシリーズ第二弾」のカメラです。
ポジション的には中級機ですが
ライツ社、コパル社と共同開発した
コパルライツシャッターを搭載し
中級機としてはミノルタ初のAE搭載機でもあります。
しかしながら何と言ってもその魅力は
抜群の使い心地
その中でも一番の魅力はその滑らかな巻上感触だと思います。
ただ、状態の良いXEに出会うことは年々難しくなってきていると思います。
その最大の美点でもある巻上感触も
巻上部の油切れ等によりあまりよろしくないものが多いです。
(それでも並みのカメラより滑らかだったりしますが)

お預かりしているXEも
自慢の巻上は少々ゴロゴロ感が出ていて
要メンテナンスという状態です。
で、世の中に存在する8割以上の
XEに発生しているのではないかと思われるプリズム腐食が
この個体にも起こっています。
プリズム前面に貼ったモルトが原因で起こるのですが
ファインダー視野下部、全体の半分近くが真っ黒です。
これではさすがに撮影には使えません。
交換で対処するしかないのですが
当店でも中古良品のプリズムを探すことが非常に難しくなってきました。
今回はまだ何とかストックがあるのでそれで対処いたします。
加えてこれも定番ですが
露出計の指針が振り切った状態で明るさで全く変化しません。
これは巻戻しクランク下にある摺動抵抗の汚れ・劣化が原因です。
清掃や軽い磨きで直ることもありますが
これも中古良品との交換が無難です。

まだ現状チェックを行っただけで
これから本格的な分解整備に取り掛かります。

XEは他にも接点の接触不良等で
シャッターが開きっぱなしになったりとか
ミラーアップしたままになったりとか
シャッターは切れるけどシャッターが開いていないとか
色々な症状の出ることのあるカメラです。
正直言ってトラブルは少々多めのカメラですが
それでも魅力的な1台であることに変わりないと思います。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「ファイトの日」だそうです。
制定したのは「ファイト一発!リポビタンD!」でお馴染みの
大正製薬さんだそうです。
リポDはともかく何事も気合入れて取り掛かると
やはり違いますものね。
さぁ今日も「ファイト一発!」でがんばりますか!
。。。この気合と集中力が
一瞬だけで年々長続きしなくなってきているような気が。。。(苦笑)

さてさて

今日は「オリンパスOM-1のカメラ修理」です。
先月はやたらとOM-1の修理がたくさんありましたが
今月も何台か入っているみたいです。
まずは「令和初」のOM-1修理です。

お預かりしているOM-1はMD対応前の
前期の個体です。
ご依頼者様が生まれる前になくなった
おじいさまが使われていたものだそうです。

話が少し逸れますが。。。
最近、「おじいさんの形見なんです。。。」とお店に
持ち込まれるカメラがオートフォーカス一眼レフだったりするのですね。。。
「おじいさんのカメラ」と聞くと
どうしても自分の世代にあてはめてしまうせいか
1950~60年代のカメラを想像してしまいがちです。
これも時代の流れですね。。。歳取るわけだ。。。(苦笑)

話を戻します。。。
おそらく相当長い間使われていなかったと予想するのですが
状態はその割には悪くありません。
手荒く扱われたOMにありがちな
巻上のゴロゴロ感もなく気持ちよいシャリシャリ感です。
配線は一部張り替えたほうが無難でしょうが
露出計も生きています。
しかしながら経年劣化はどうしても避けられず
プリズムは定番の腐食です。
加えてシャッターも1/1000は開きません。
1/500でも半分くらいしか開きません。
先幕の動きが悪くシャッター走行中に
後幕が追いついてしまうのですね。
動きの悪いところはさすがに何箇所もあると思われますが
それでもきっちり整備をすれば
かなり気持ちよく使える状態になりそうです。

まだ現状チェックを行っただけの状態ですが
外装の状態も良いですね。
付属するF.Zuiko50mmF1.8レンズも
表面に多少の汚れとカビがある程度です。
ご依頼者様はフィルムカメラを全く使ったことがないとのことなので
絶好調になった整備後のOM-1を納品時に
一通り使い方の説明もさせていただく予定です。

これからプリズム交換を含む
各部点検整備一式に取り掛かります。

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キヤノンPのカメラ修理

今日は「アイスクリームの日」だそうですよ。
1年中美味しくいただいていますが
これからは正にアイスの季節ですね。
そういえばツイッターではつぶやきましたが
先日、呉に墓参りに行ったときに
呉名物、巴屋の「アイスモナカ」を堪能していきました。
注文を受けてからその場でモナカにアイスを入れてくれるので
モナカはサクサクのままで美味しいのですよ!
昔からのデフォルトはラクトアイスで
爽やかでシャリシャリですごく美味しいのですが
今回は濃厚なプレミアムバニラ+餡子トッピングと
いうのも試しました。
甘さがガツン!ときます(笑)
濃厚なモノが欲しいときには最高の一品です。
機会があれば是非試してみてください。

さてさて

本日は「キヤノンP」のカメラ修理を行っています。
キヤノンは数々の高級レンジファインダー機を
1930年代から60年代まで製造していますが
その中でも「P」は10万台以上生産され
かなりヒットしたカメラだと思います。
比較的普及型とされお得意の変倍ファインダーではなく
35/50/100mmフレームを常に映し出す
等倍ファインダーを採用し
部品点数を減らして比較的お求め易い価格で販売したカメラです。
。。。とはいえ、カメラ自体が高級品だった時代ですので
まだまだお高かったようです。
もちろんこの時代のカメラですから
多少コストダウンを考えたといっても
安っぽさは微塵もありません。
ちなみに「P」はフランス語で「人気がある」という意味の
「Populaire」から命名されたようです。

お預かりしている非常に大切に使われていたカメラのようで
近年は使われていなかったようですが
外観に多少汚れはあるとはいえとてもキレイな状態です。
一通り動作もするのですが
さすがにシャッターの動きは悪く
シャッタースピードの精度は全く出ていません。
後幕の動きが特に悪く
高速シャッターの際にはシャッターが走行している間に
後幕が遅れてスリットがどんどん広くなっていく状況です。
1/1000で測定してみると
走り始めは約1/500(この時点で広がり気味)
視野中心付近で1/200程度
走り終わり付近では1/90程度までスリットが拡がってしまいます。
この状態で1/1000だと思って撮影すると
全体的にもオーバーな上に写真右側は白っぽくなってしまうと思われます。

モナカ状にカバーが外れていく構造は
バルナックタイプの時代から変わりません。
これから本格的に整備を行っていきますが
とにかく動くところはひたすら清掃し
注油の必要なところには新たに注油しなおします。
おそらくこれだけでもシャッタースピードはかなり改善すると思われます。
最終的には幕速を調整して精度を出していきます。

露出計もなくシンプルな「P」は
現在使うレンジファインダー機としてはかなり魅力的なカメラです。
この「P」はご依頼者様の親御様の形見だと聞いていますが
是非思う存分使っていただければと思います。
付属しているレンズも清掃整備いたしますが
これがトプコールS 5cmF2 というこれも写りの評価が高いレンズです。
うーん、なかなか羨ましい組み合わせです。

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リコーハイカラー35のカメラ修理

今日は「紙飛行機の日」だそうです。
子供の頃はチラシを折ってよく作ったなぁ。。。
これが結構気持ちよく飛ぶのですよ。風に乗れば尚更。。。
裏山に行って高いところから下の住宅地に向かって
飛ばしたりもしました。結構遠くまで飛ぶのですよ。
(今考えれば近所迷惑な話ですが。。。)
そういえばGW中に親友と話題に上がったのですが
紙飛行機ではないのですが
主翼に鳥の羽根みたいな翼が付いていて
ゴムを巻くと「パタパタパタ」と鳥のような羽音をたてて
飛ぶおもちゃの飛行機があったのですが
あれの羽音をもう一度聴きたいなぁ。。。(笑)
思った程、遠くまで飛ばないのですけどね
どこかでまだ売ってないのかな。。。

さてさて

今日は「リコーハイカラー35」のカメラ修理を行っています。
オートハーフのフルサイズ版といった感じのカメラですが
露出はオートハーフのようにプログラオートではなく
シャッタースピード優先オートです。
ピントも固定焦点ではなく目測合わせです。
露出計は連動しませんがマニュアル露出も可能なので
撮影の幅はオートハーフより数段広いと思います。
ただし、オートハーフにように何も考えずに
シャッターを切ればよい。。。というわけにはいかず
少し撮影の知識がないといけないカメラですね。
特に最近だとISO400のフィルムを使うことが多いので
シャッタースピードが1/300までしかなく
光量不足の警告はあっても光量過多の警告がないカメラなので
うっかりすると露出オーバーの写真を量産してしまう可能性もあります。
とはいえ、普通にマニュアル露出のカメラが使える方なら
何の問題もないとは思いますが。。。
巻上はオートハーフでお馴染みの
ゼンマイ仕掛けの自動巻上です。
ただ、これもおそらくオートハーフと同じ仕様のゼンマイだと思われますが
一度目一杯ゼンマイを巻いておくと
オートハーフだと20枚以上は楽々巻上できるのが正常な姿ですが
ハイカラーの場合だとゼンマイは絶好調でも
10枚少々しか巻上ができません。

お預かりしているハイカラー35は
レンズのクモリがかなり酷いことと電池室に腐食があり
露出計が動きません。
少し前にも露出計本体がNGなハイカラーを修理しましたが
今回は露出計本体は大丈夫でした。
露出計は電池室の修復を行って良好な状態になりましたが
レンズ前玉のクモリのほうはどう清掃しても
普通に使用できる状態にはならなさそうです。
今回は部品取用の個体からレンズを移植することで対応いたしました。

元々、外装のコンディションは良かったので
かなりキレイなハイカラー35に仕上がりました。
オート露出もバッチリですし、レンズもクリアです。
構造的にもオートハーフとかなり近いのですが
大きさに少し余裕があるため
整備性はこちらのほうが数段上だと思います。
あ、書き忘れていましたが
レンズは35mmF2.8、気軽に撮り歩くにも
じっくり風景撮るにも丁度良いレンズですね。

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