ミノルタXDのカメラ修理

5月19日。。。記念日ではないのですが
1910年のこの日にハレー彗星の尾の中を
地球が通過するという現象が起きています。
そのときに「彗星の尾のシアン化合物で地球上の生物は死滅する」とか
「地球上の空気が5分ほどなくなる」とか
いろいろな噂が広まりました。
自転車のチューブを買占め空気がなくなる間
チューブにためた空気で凌ごうとする人や
水を張った桶で息を止める練習をする人とかがいたそうです。
で、どうせ死んでしまうなら。。。と当時の歓楽街は
かつてない賑わいをみせたそうです。
もちろん、彗星の尾は非常に薄いガスのため
地球の大気に跳ね返されてしまうので全く何もおきませんでした。
今でこそ多少笑い話な要素になっていますが
こういうデマは怖いですよねぇ。。。
現在だってウィルスの大流行だとか生物兵器だとか
同じようなデマの可能性もありますものね。。。
現在のような発達した情報化社会だからこそ
おかしな情報には惑わされないようにしなくてはいけませんね。

さてさて

本日はミノルタXDのカメラ修理を行っています。
1977年に発売された世界初の両優先AE
(絞り優先AE、シャッタスピード優先AE)が搭載されたモデルです。
両優先AEもポイントですが
個人的にはそのよくまとまったデザインが
非常に魅力的なカメラです。
ミノルタらしく巻上やシャッター音、ファインダーの見え等々
使い心地の質感が非常に高いことも魅力です。
スクリーンには非常に明るくピントの山が掴み易い
「アキューマットスクリーン」が採用されています。
ただし、電子制御シャッター機ということもありますが
電装系に少々トラブルの多いカメラ独特のとしても有名です。
当店でも修理・整備は行いますが
修理不能な個体も多いカメラでもあります。
露出計が明るさに関係なく常にオーバー表示のものや
シャッタースピードの制御が全く効かず
常に同じ速度で切れるものとかは修理不能の可能性が極めて高いです。

お預かりしているXDは電子制御部分については
まずは問題ないようです。
ただし高速シャッターが異常に速い
(スリットが狭すぎて露光量が少なすぎる)ことや
レンズ絞込みレバーの動きが悪く本来の半分くらいしか動かないとか
巻上レバーの戻りが悪い等々
機械的な部分で動きのおかしな箇所がいろいろ出てきています。
特に絞込みレバーの動きが悪い点は
XDの定番トラブルである「シャッターレスポンスが異常に悪い」という
トラブルの前兆的なものでもありますので
速めに対処しておきたいところでもあります。

XDのブラック塗装は「ネオブラック」と呼ばれる
独特のツヤの少ない塗装です。
これもまた魅力のひとつでもありますね。
個人的にはシルバーもかなり好きですが
このブラックが人気なのは頷ける気がします。
今回のモデルは後期モデルで通常の貼り革ですが
初期モデルには柔らかい本革が使われていました。
ただ、その初期モデルの本革は
今ではかなり縮んでいたり妙に粘着質になっていたりと
本来の質感が味わえないものが多いです。
ちなみにXDの発売時、ミノルタではサービスステーションで
貼り革交換も行っていて
ワインレッド、黒、こげ茶が用意されていたそうです。
それ以外にもXDには記念モデルも多く発売されていて
クロコダイル風の革やCLEと同じ革が貼られたもの
ヘビ革が貼られたもの。。。等々色々なモデルが存在するようです。

今回は講釈が非常に長くなってしまいました(苦笑)
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
XDは単純に分解するだけでも手間のかかるカメラです。
気合を入れて取り掛かります!

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