月別アーカイブ: 2020年5月

ミノルタハイマチック7のカメラ修理

今日は「ヨーグルトの日」だそうですよ。
ヨーグルトは本当に体に良いことばかりだから
毎日食べると決めていたのに
最近は少しご無沙汰になってしまっています。
一時期、毎日400gのプレーンヨーグルト食べてたのに。。。
(さすがに多すぎる上に蜂蜜をつけて大量消費するから
今度は食べ方を少し工夫しなければ。。。(苦笑))
ちなみにヨーグルトに関する記念日って
他にもいろいろあって今日以外に8個もあるのですよ
それだけヨーグルトって身近な健康食品なんですよねぇ
免疫力をアップさせるという意味では
ヨーグルトと蜂蜜の組み合わせは無敵だと思うのですが。。。
また蜂蜜専門店で美味しい蜂蜜探してきましょう。。。
そういえば乳製品といえば牛乳もそうですが
こちらは必ず冷蔵庫に常備してあるし
今でも毎日必ず500ccくらいは飲んでいます。
ヨーグルトほどではないかもしれませんが
牛乳だって栄養たっぷりで体に良いし
何といっても美味しいですよねぇ

さてさて

本日は「ミノルタハイマチック7」のカメラ修理を行っていきます。
「ハイマチックシリーズ」はミノルタの
レンズ固定式カメラを代表するシリーズですね。
「ハイマチック7」は初代ハイマチックの後継機として
1963年に発売されましたがモデル名の「7」は
初代ハイマチック(正確にはOEMで
アンスコブランドで生産されたアンスコオートセット)が
フレンドシップ7に搭載されて
初めて宇宙に飛んだカメラとなったことが由来となっています。
これ以来、ほかのシリーズでもミノルタにとって
「7」は特別な意味を持つモデル名となることが多くなります。
ネーミングもインパクトありますが
ハイマチック7はいわゆる小型化される前の
ハイマチックシリーズを代表するカメラで
その後の「9」や「11」、「7s」も
気温的な部分は「7」をベースとしています。
初代ハイマチックはプログラムシャッター機で
操作が簡単な反面、
露出を撮影者がコントロールすることはできなかったのですが
「7」ではマニュアルモードを備え
露出計の値を確認しながら自由に露出をコントロールすることができます。
絞りリング、SSリングを「A」の位置に合わせれば
プログラムモードとなり初代と同じように
露出を気にせずに簡単に撮影することもできます。
搭載されるレンズはロッコールPF45mmF1.8の大口径レンズです。
写りの評価の高いのは他のロッコールレンズ同様ですね。

お預かりしている「ハイマチック7」は
まずSSリング、絞りリングが動きません。
両方「A」にすればロックがかかるのですが
そういう問題ではなく
ロックはかかっていないはずなのに回りません。
慎重に少し大きな力を加えてみるとジワリと回りました。
汚れ等で固着しているのですね
シャッターは作動していますが若干の粘りがあるようです。
スローガバナはうまく連携できないようで
低速時にガバナが利かずに高速で切れてしまことが多々あります。
セルフタイマーは完全に固着しています。
さらにファインダーは曇りが酷く
とてもまともにピント合わせができない状況です。
それもこのクモリはハーフミラー蒸着面が曇っているようで
ハーフミラーは交換が前提となりそうです。
露出計は少々不安定ながら動作はしています。
レンズはカビがかなり発生しています。

全体的に清掃・整備・調整が必要な状態です。
ただ、しっかり整備すれば
何の問題もなく快適に使えるようになると思います。
後の小型化されるハイマチックシリーズに比べると
整備性は非常によく、分解して修理・整備を行うまで
考えられた作りをしています。
確かにコンパクトで高機能なカメラも魅力ですが
少々大柄でもその分しっかり作りこまれているカメラには
やはり大きな安心感がありますね。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパス35DCのカメラ修理

今日は「碁石の日」なのだそうです。
じいさんがちゃんとした碁盤と碁石を持っていて
私は全く囲碁はわからないのですが
小学校低学年の頃に毎日のように
「五目並べ」をやっていました。
手加減してくれているのだろうけど
なかなか勝てなくて毎日苦戦していました。
ちゃんとしたルールがあるのかどうかわからないのですが
3以上並んだとき(3の場合は両端に相手の石がないとき
4のときは片端に相手の石がある場合でも)は声に出して宣言します。
例えば自分が石を置くことで3つ並ぶなら「3!」
同時に4と3が並ぶなら「4・3(しさん)」とか。。。
でも同時に3が二つ並ぶ「3・3(さんさん)」は
ルール違反でそこに置いてはいけないというルールでした
何だか懐かしいなぁ(笑)
碁笥(ごけ)の中に入っている碁石って独特のにおいがして
それも何とも好きだったのですよねぇ。。。

さてさて

本日は「オリンパス35DC」のカメラ修理を行っています。
いろいろなモデルが存在する「オリンパス35シリーズ」の一員ですが
現存数も多く非常に人気のあるカメラです。
昨日の「トリップ35」も同じく「オリンパス35シリーズ」ですが
全くスペックも性格も異なるカメラです。
まずレンズはFズイコー40mmF1.7の大口径を搭載します。
これだけの大口径であれば
「積極的に絞りを開いてボケを楽しみたい!」と考えがちですが
35DCの場合は絞りとSSの組み合わせが決まってしまっている
プログラムシャッター(絞り機構はシャッター羽根が兼用して行う)上に
プログラム露出専用機のため絞りのコントロールはほぼできません。
この時代のレンズ固定カメラで大口径レンズ搭載のものは
「ボケを楽しむため」ではなくて
「光量の少ない場面でも何とか撮影ができるために」という理由が
主だと思います。
フィルム感度がASA100(ISO100)が主流の時代ですし。。。
。。。とはいえ絞りのコントロールはできなくても
35DCのレンズは非常に写りの評価の高いレンズです。
しっかりと距離計も装備しますので
キリっとした描写を楽しんでいただければと思います。
露出計指針挟み込み式のプログラウAE機で
光量不足の場合はシャッターロックがかかるため
露出計が動作していないとシャッターが切れません。
シャッターそのものは機械制御で電気を必要としませんが
実際に撮影を行うには電池が必須です。

35DCはその露出計周りにトラブルが起こることも多いのですが
今回お預かりしている35DCも受付時には
電池を入れても露出計が動作していませんでした。
で、作業前に再度確認してみると。。
不思議なことに動いていますねぇ(苦笑)
受付時に何か勘違いしたかな。。。と思い
いろいろ現状チェックしていると
何かのはずみでまた全く動かなくなりました。。。
電池室からの配線が不良で接触が悪いものと予想されます。
今回はそれよりも問題なのは
フィルム感度リングがASA100から全く動きません。
これ、35DCに非常に多いトラブルです。

左端に写っているのが感度リングで
そんぼ感度リングを支えているのが
その隣の銀リングの内側に置いていある3本のスタッドです。
このスタッドの皿状部分を感度リングが回るのですが
落下等で鏡胴先端に力が加わったときに
感度リングがスタッドに食い込んで変形し
そこから動かなくなってしまうのです。

写真ではわかりにくいですが
今回も感度リングがスタッドの皿の形に
しっかり凹んでいます。(写真中央少々上部分)
たったこれだけで完全にリングは動かなくなります。
中古良品のリングと交換するしかないのですが
当店の部品取りの35DCは全て既にリングが使われていました。
新たに探してこなくては。。。(汗)
面でしっかり支える構造ならこんなことにはならないのですが
なぜに35DCだけがこの構造に。。。(苦笑)

良品の感度リングは明日には届くように
手配ができたのでそれ以外の部分を先に整備しておきます。
今回は革張替えのご依頼もお受けしているので
その段取りも同時に行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパストリップ35のカメラ修理

今日は「カクテルの日」だそうですよ。
20代前半の頃はよく飲んでたかも。。。(笑)
その頃はお酒が美味しいというよりは
カッコつけて飲んでたのですよねぇ。。。
(タバコも最初はカッコだけで吸ってたなぁ)
カクテルって映画もすごく流行ったし。。。
高級ホテルの最上階とかによくある
ラウンジバーなんかにもよく行ってました
たいしてお金も持っていないのに
なるべく良い服着て分不相応な外車に乗って。。。(汗)
今、振り返ると相当恥ずかしいな。。。(笑)
まぁ、でもカクテルは美味しいですよ。
飲みやすいロングから飲みごたえのあるショートまで
それぞれ合うものが見つけやすいですし。。。
いろいろ詳しくなって行きつけのバーなんてできると
その種類と味わいの豊富さに結構はまります。
でも今はもうカクテルはあまり飲まないかな。。。
カクテルは純粋にカクテルだけで味わうものだけど
今の私は美味しいものをより美味しく食べるために
飲むお酒が多いから日本酒・ワイン・焼酎のほうが良いですね!
日本酒でも磨き上げた大吟醸とかだと
食事のお供というよりは純粋にお酒だけで楽しみたくもなりますが。。。
。。。こうやって書いてますが。。。
実は入院以降全く飲んでないのですよ。
それでなくてもふらふら目まいしているのに
これで飲んだらどうなるか怖くって。。。(汗)
お酒飲まないから食べるものもすごく適当。。。(苦笑)
そのうち家で少しだけ飲んでみようかな。。。

さてさて

本日は「オリンパストリップ35」のカメラ修理を行っています。
ペンEES-2のフルサイズ版といった感じのカメラです。
さすがにハーフ判のペンよりは少しだけ大きいですが
それでも35mm判カメラと考えると
十分に軽量コンパクトです。
さらに露出計はセレン光電池なので電池いらずです。
いつでも気軽に持ち歩き
ささっと撮るには最適なカメラです。
露出は露出計の指針を挟み込むタイプのプログラム露出ですが
シャッター羽根はプログラムシャッター機に多い
絞り羽根兼用のタイプではなく
きちんと独立した絞りユニットを持ちます。
シャッターは明るさに応じて2速が切り替わるタイプで
高速側が1/250、低速側が1/30です。
フラッシュモード時には1/30固定となります。
余談な上に長くなるので詳しくは書きませんが
フラッシュモードを使ってマニュアル露出はできないものと
考えておいたほうがよいです。
フラッシュモードはあくまで露出計が触れない(オート時に赤ベロが出る)時に
フラッシュを使うためのものであって
露出計が動作しているときにフラッシュモードで撮ると
設定した絞り値にならない現象が起きることがあります。
基本的に明るいところではオートで撮るカメラとご理解ください。
搭載するレンズはDズイコー40mmF2.8で
これも非常に写りの評価の高いレンズです。
キャラクター的にコニカC35と比べたくもなるのですが
どちらも同じ1968年に発売され
「トリップ」と「じゃーに~コニカ」ですものね。
そのうち同条件で撮り比べしてみたいですね。

お預かりしているトリップ35は
絞りユニットが固着している様子で
最少絞りのまま固まってしまっています。
これペンEE系でも見られるよくあるトラブルです。
トリップやペンEE系で一番心配なのは
やはりセレン光電池の劣化ですが
この絞り固着が出ていると赤ベロも出ないし
露出計が動いているのかいないのかわかりにくいのですが
露出計が動作していれば明るさに応じて
シャッタースピードは切り替わります。
1/30と1/250は明らかに音が違うので
レンズシャッターの動作音をある程度聞きなれている方なら
簡単には判別できると思います。
LV15あたりの十分な明るさで1/250が切れ
LV10以下の薄暗い環境で1/30に変化しているようであれば
細かい精度はともかくとしても露出計は動作しているものと思われます。
今回もSSは切り替わっておりセレンはおそらく無事と思われます。

まだ現状チェックを行っただけでこれから分解整備に取り掛かります。
セレンで起電されるほんのわずかな電気と
巻上時にチャージする小さなバネの力で
あらゆる機能を動かすカメラです。
ちょっとした汚れや経年劣化で動かなくなるのは当然です。
しかしながら作りそのものはシンプルで
無理のない設計のためしっかり整備して
本来の小さな力で十分に動くようにしてやれば
以前と同様に撮影できる状態に復活できます。
こういう気軽に使えるカメラには
いつまでも生き残っていてもらいたいものです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノンA-1のカメラ修理

今日は「エベレスト日本人初登頂記念日」なのだそうです。
登山家・松浦輝夫さんと冒険家・植村直己さんが
標高8848mの世界最高峰の山「エベレスト」に
日本人として初めて登頂に成功したのが
1970年(昭和45年)5月11日ということです。
あ、この記念日自体は今年、制定・認定されたばかりなのですね!
記念すべき日であり偉業なのは今に始まったことではないですが。。。
今でこそそれなりの体力のある方が
しっかり準備してしかるべきところに依頼すれば
エベレストは登ること自体は可能な山になりつつありますが
ルートのほとんど開発されていない当時は本当に
大変な偉業だったと思います。
エベレストに限らず標高8000m超の世界は
調べれば調べるほど想像を超える世界で
恐怖を感じる反面、一度でいいから体験してみたい気もします。
それもエベレストのあるヒマラヤ山脈とその周辺は
まだまだ未踏の地も多く名前もないような
6000m超のピークがたくさんあるそうです。
なんでも人工衛星から見られる現代とはいえ
今わかっている8000m超14座以外にも
8000m超ピークがもうひとつくらいあるんじゃないのかな。。。と
考えてしまいます。
あ、そんな漫画を過去に読んでいるせいもありますが。。(笑)
(塀内夏子先生の「イカロスの山」めっちゃ感動します!)

さてさて

本日は「キヤノンA-1」のカメラ修理を行っています。
「AE-1」で始まった「キヤノンAシリーズ」ですが
その数ある「Aシリーズ」のカメラの中で
最高峰といえるのがこの「A-1]です。(1978年)
当時の最先端の機能をこれでもかと惜しげなく
詰め込んだこの時代を代表する電子制御カメラです。
SS・絞り優先AE・プログラムAE・絞込実絞りAE
スピードライトAEと多彩な露出モードを持ち
ファインダー内にはLEDには設定値と制御値が示され
正に近未来的なカメラで当時は「カメラロボット」と
呼ばれることもあったようです。
絞りのコントロールを基本的にボディ側で行うという考え方も
おそらくこのA-1が最初だったのではないかと思います。
それほどの電気カメラなので
正直言って「修理不能」なものも多くあります。
ファインダー内にERR表示が出ているものはお手上げですし
基盤内不良で制御ができないものも
修理不能な可能性が極めて高いです。
あと、たまにあるのが基盤内漏電で
使っていないのに電池があっという間になくなってしまう場合は
残念ながら修理不能です。
この時代を象徴する素晴らしいカメラなのですが
そのあたりは致し方ない部分でもあります。

お預かりしているA-1は
まず電源が入りません。
おまけに巻上が中途半端なところで固まってしまっているのか
巻上レバーがフラフラです。
こういうパターンはなかなか予想しづらいですね
まずは電源を入るようにすることが最優先ですが
電源が入った時点で致命的な不具合が見つかる可能性もあります。
ただ、このA-1はご依頼者様が長年使っているもので
おかしな使い方はしていないことと
落下したり分解品だったりする可能性はないので
何とか直せるのではないかというところです。
それでも五分五分といったところでしょうか。。。

電源が入らないのはA-Lスイッチの接点不良が原因でした
電源が入るようになったもののシャッターは切れません。
パターン的にソレノイドが原因かと
色々調べていると。。。
ソレノイド付近からネジが1本転がり落ちてきました。
どうやらこれが全ての元凶かと思われます。
どこのネジか分解してあちこち調べてみると
どうやらファインダー部のネジのようです。
長年のうちに少しずつ緩んで落下したものと思われます。
これでシャッターが切れるようになり
巻上のトラブルも解消されましたが
今度はお約束のシャッター鳴きが結構酷い状態です。
ミラー駆動部の整備、ソレノイドの清掃、
幕軸清掃注油等々、一通りの整備を行った上で
調整を行います。

何とか引き続きまだまだ使っていただける状態になりました。
電子部品関係についてはなかなか予想ができませんが
まず当分の間、安心して使っていただけることと思います。
シャッターも巻上も妙な鳴きもなく
気持ちよく動作するようになりました。
改めてみるとやはりキヤノンらしくスタイリッシュなカメラです。
ご依頼品にはパームグリップがついていませんが
やはりあったほうが機能的にも見た目にもいいですよね。
あとで中古品がないかどうか探してみます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

コニカC35のカメラ修理

今日は5月10日ということで
語呂がいいせいもあり
いろいろな記念日が制定されています。
でも今年の場合は第2日曜日ということで
「母の日」が最大のイベントですかね。
うーん、まぁちょっとそれはおいといて
5月10日は「コッ(5)トン(10)」ということで
「コットンの日」なのだそうです。
「コットン=木綿」ですね。
ここで太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」や
杏里さんの「コットン気分」あたりが脳内再生されるところが
もはや年代を感じてしまいますね(苦笑)
サラッとした肌触りがこれからの季節にぴったりですが
木綿のシャツやハンカチなんて
長らく触れた覚えがないような気が。。。(汗)
今は化学繊維ばかりですものねぇ。。。
ちょっと調べてみたらもちろん今でもあるのですね。
木綿の浴衣や着物なんて気持ちよさそうですねぇ。。。
その感触だけでも懐かしい気分に浸れそうです。

さてさて

本日は「コニカC35」のカメラ修理を行っています。
おわゆる「じゃーに~コニカ」ですね。
そのキャッチフレーズの通りに
非常に軽量コンパクトで気軽に旅行のお供になり
操作も簡単で誰でもキレイに写真が撮れると言うことで
大ヒットしたカメラです。
C35の大ヒットを受けて他メーカーからも
同じようなカテゴリーのカメラがいろいろと発売されることになりました。
カメラ業界的にも非常に影響を及ぼしたカメラです。

機械制御のプログラムシャッターを搭載し
露出計の指針を挟み込むことによって露出を決定します。
一部に目測式のモデルもありますが
初代C35や今回お預かりしている「C35フラッシュマチック」は
レンジファインダーを搭載し
きっちり正確なピント合わせを行うことができます。
レンズは評価の高いヘキサノン38mmF2.8を装備します。

気軽に撮り歩くには十分なスペックを持つカメラですが
その気軽さやお求めやすい価格により
手荒に扱われた個体の多いカメラでもあります。
もともとエントリークラスのカメラでお安いこともあり
華奢な部分や経年劣化に弱い部分も多く
家に仕舞い込まれていたものが
そのまま問題なく使える。。。とはいかないカメラです。
このタイプのコンパクトカメラにはよくあることですが
コストの関係上、裏蓋の遮光を大量のモルトプレーンに頼ったものが多く
そのモルトの加水分解によって
フィルム室のコンディションが非常に悪いものも多いです。
動作しているものでも最低でもモルト交換は必要かと思われます。

お預かりしている「C35フラッシュマチック(1971年)」は
定番トラブルではありますが
シャッターを切ってもシャッター羽根がゆっくりとしか動かず
少し開いたままで止まってしまいます。
他のレンズシャッター機であれば羽根の汚れを疑うところですが
C35の場合は羽根ではなく駆動している円盤部の動作不良が原因です。
円盤がくるんと回ることにより羽根が開閉するのですが
その円盤が軸の汚れが原因でスムーズに回転できない状態です。
さらにプログラムAE専用機としては致命的なことに
電池を入れても露出計が全く動きません。
これではたとえシャッターが正常に動作していたとしても
常に絞り開放・1/30でシャッターが切れてしまい
ほとんどの場面で写真は真っ白になってしまいます。

露出計の不動の原因は
電池室裏側の配線が腐食しているためでした。
マイナス側が腐食しているパターンが多く
酷いものになるとその先にある受光体の根元まで
腐食しているものもあるのですが
今回は+側の腐食です。
こちらの先には直接メーターがつながりますが
今回はメーターにまでは腐食は到達していないようです。
どちらにせよ、配線は全て交換します。
他、動作不良のシャッター機構部等
一通りの整備一式を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ペンタックスSPFのカメラ修理

今日は「アイスクリームの日」だそうですよ。
気温も上がってきてまさにアイスの美味しい季節到来です!
(いや真冬に暖かい部屋で食べるアイスも最高なのですが。。。)
コンビニやスーパーでもたくさんの種類の
美味しいアイスが食べられますが
やはり「サーティーワン」とかに行って
いろんなフレーバーから選んで食べるのは楽しいですね!
サーティーワンアイスクリームなら
今でもトリプルとかでも食べられそうだな。。。
いや本当は身体的に食べちゃいけないのですが。。。
くどいくらいに甘い「キャラメルリボン」が
昔から大好物です!
こういうときはガツンと強烈に甘いほうが満足度が高いですね!
いかん、妙にテンションが上がってしまいました。
近いうちにヒサビサにサーティーワン行ってきます(笑)

さてさて

本日は「ペンタックスSPF」のカメラ修理を行っています。
大ヒットした「SP」の後継モデルで
開放測光に対応したモデルです。
もちろん従来のM42レンズでは
絞り情報をボディ側に伝える機構はありませんので
対応した「SMCタクマーレンズ」を使用することで
開放測光に対応します。
従来のM42使用時にはSP同様、絞込測光で対応します。
この時代には絞込測光・開放測光のカメラが混在し
それぞれメリット・デメリットが語られてきたものですが
やはり開放測光のほうがそれは便利です。
絞り込むのはプレビューして確認したいときくらいですものね
当然、絞り込んだままではファインダーは暗いわけですし。。。
しかしながらペンタックスレンズだけにとどまらず
いろいろなM42マウントレンズを使いたいということであれば
従来の絞込測光のみのSPのほうがシンプルで良いかもしれません。
ただSPFでも絞込測光はできますから
使い分けがきちんとできていれば問題ないのですが。。。
(レンズによって開放測光だったり
絞込測光だったりするとかなりややこしいことになりそうです)

露出計に関する部分に限って言えば
SPとSPFは全く別物です。
絞り情報も電気的に露出計に反映しなくてはならないため
配線周りはSPに比べるとかなり複雑になっています。
反対に露出計関連以外の部分は
ほぼSPと共通です。
なのでシャッター関連に関してはSPもSPFの同じような
トラブルが発生します。
SP系で多いのはやはり高速シャッターの精度不良で
一見、普通に動作しているように見えても
未整備の個体ではかばりの確率で問題を抱えていると思われます。
今回もそうですが症状が進んだものだと
高速時にシャッターが途中で閉じてしまう症状が現れ
写真の片側が黒くなってしまうというパターンもよく見かけます。
さらにそれに関連してシャッター幕動作不良に関連して
ミラーアップしたままになるという症状が多発します。

今回お預かりのSPFも1/1000では
ほぼシャッターが開いていない状態で
1/500、1/250でも写真の片側が黒くなったり
暗くなったりする状況です。
先幕の動作不良で後幕に走行途中で追いつかれてしまう状態です。
シャッター幕軸はもちろん
関連するま巻上機構部、ミラ-駆動部等々
各部の清掃整備調整が必要です。

写真は一通りの整備が完了した時点でのものです。
ところで、SPもそうですがSPFも
プリズムの周りにぐるりと遮光用のモルトが貼ってあり
そのモルトが加水分解を起こすことで
プリズムの蒸着を剥離させてしまいます。
いわゆるプリズム腐食ですね。
SPやSPFの場合にはファインダー視野中央より少し下に
横方向に黒い線が見えるようになることが多いです。
今回もプリズムは腐食が見られたので
交換で対応いたしました。
SPやSPFは比較的交換可能な中古プリズムが見つかりやすい状況です。
ただ、注意が必要なのはSPとSPFでは
微妙にプリズムの大きさが異なります。
SPFのほうが少し大きいのです。
それでもSPFは何とかなるのでいいのですが
もはやプリズム腐食に対応できないカメラも結構増えてきているので
いくら古いカメラが比較的メンテナンスが対応しやすいといっても
対応できなくなる日はきっと来るのでしょうね
今のうちにお気に入りのカメラは
しっかり使って楽しんでおいたほうが良いと思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「声の日」だそうですよ。
「こ(5)え(Eight)」という語呂合わせです。
なかなか強引ですねぇ(笑)
自分の声って実はちょっと気に入ってたのですが
(普通に話す声も歌う声も含めて)
2月の脳梗塞でこれも少し変化してしまいました。
嚥下(飲み込み)が一時完全に麻痺した影響もあって
声帯がうまく開き切らないようになったような気がします。
声を張ることが少し難しくなったかな。。。
加えて左顔面に少し麻痺もあるから
ほんの少しですが活舌も悪くなっていると思います。
コロナ騒ぎもあって試していないけど
きっとカラオケも以前のようには気持ちよく歌えないだろうなぁ。。。
まぁでもそういうのもリハビリしていかなくてはいけないので
落ち着いたらまずは一人カラオケに行ってきましょう!
(なんだか現実を突きつけられて落ち込みそうな気もしますが。。。)

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
おそらくミノルタSRシリーズの中で
最もたくさん生産されたカメラだと思います。
それまでのSRシリーズで組み合わせられるレンズは
いわゆるオートロッコールでしたが
SR-T101と同時に開月発売された
MCロッコールを使用することで開放測光を実現しました。
ミノルタ初のTTL測光機でもあります。
加えて受光素子(CdS)を上下方向に配置することで
上下二分割測光を行います。
ミノルタでいうところの「CLC」という機構で
SR-T以降のいろいろなカメラにも採用されます。
使い心地もよく頑丈で7年間以上にわたって生産され
大ヒットしたカメラです。
もちろん現存数も多いのですが
コンディションの悪いカメラでも何とかシャッターは動くという
個体が多いのも特徴の一つかと思います。
ただ、動きにくい状態の中、健気に何とか動いている個体も多く
精度はもちろん出ていませんし
そのまま使っているともっと大変なトラブルの元にもなります。
家から眠っていたSR-Tが出てきたなら
まずは一通りのメンテナンスを行うことをお勧めします。

お預かりのSR-Tもシャッターは動作しているのですが
先幕と後幕の幕速のバランスが大きく崩れていて
高速シャッターの精度は全く出ていません。
シャッター音や巻上にも油切れの兆候が見られます。
露出計も動作はしていますが
同じ明るさのものを見ていても
指針がふらふらと落ち着きません。
SW部の接触不良、あるいはミノルタ機に多いような気がするのですが
ハンダ付けの劣化が疑われます。

何はともあれ動くところは全て清掃し
必要な部分に必要な分だけの注油を行った上で
動作の調整を行っていきます。
SR-Tですから毎度のことですが
連動糸には細心の注意を払います。
実は同じご依頼者様から全く同じ仕様の
黒SR-T101をもう一台同時に預かっています。
こちらも状況としては1台目と同様で
全体的に動きの悪い状況です。
2台そろって気持ちよく撮影に使っていただけるように
整備を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ニコンEMのカメラ修理

本日は5月7日ということで
「コ(5)ナ(7)モンの日」とのことです。
「コナモン」とは「粉もの」で
たこ焼きとかうどんとかお好み焼きとかそばやパンのことです。
お好み焼き(私の言う「お好み焼き」は「広島の」お好み焼き)は
大好きですし毎日でも食べたいし
「うどん」も地元の「呉の細うどん」であれば大好物です。
(すみません、東日本特有の汁の色の濃いうどんは
未だに苦手としています
太すぎて硬い(コシのある?)讃岐うどん系も
実はあまり好みではありません(汗))
最近は食べてないですが「たこ焼き」もいいですよねぇ。。。
久しぶりにフワトロで熱々な「明石焼き」も食べたいですねぇ
広い意味で「粉もの」といえば
パスタ等も含んで麺類はほぼ含まれるから
日ごろから食べているものが多いですねぇ。。。
そういえば今年のGW中は呉に帰れなかったから
「お好み焼き」も「細うどん」も「呉冷麺」も食べられなかったし
そうこうしているうちに「元祖・呉の細うどん」である
「一心」は閉店しちゃうし。。。。はぁ。。。
「一心」の閉店はもはやしかたがないとしても
次はいつ地元の美味しいものを食べに行けるかな。。。

さてさて

本日は「ニコンEM」のカメラ修理を行っています。
1980年に発売されたニコンのラインナップの中では
エントリー機にあたるモデルです。
この時代には各メーカー絞り優先AE専用のエントリー機を
取り揃えていてそのどれもがヒットしていました。
ニコンは大体昔から軽量コンパクトなカメラを作ることを
苦手としていますが
このEMは良い意味で「ニコンらしくない」
軽量コンパクトでおしゃれなカメラです。
余談ですがマニュアルフォーカスカメラ時代には
このEMを筆頭とするFGやFG-20を含んだ
「EM系」が非常にコンパクトで使い勝手もよいカメラだったのに
オートフォーカスカメラ時代になると
またエントリー機で迷走しコンパクトで使い勝手の良い一眼レフは
なかなか出てこなくなります(苦笑)
「u」あたりでやっとエントリー機らしいエントリー機になった気がします。
すみません、話がそれました
EMのキャッチフレーズは「リトルニコン」
同じ年にデビューした「スーパーニコン」・「F3」と
並べると親子のように見えますが
どちらもこれまでのニコンとは全く違う
スタイリッシュなデザインが魅力的です。

ニコンのカメラは生真面目すぎるほど
頑丈で重い部品やダイキャストを使用するので
これまでのカメラは大きく重いものばかりではありましたが
その分、クラスを超えた耐久性・堅牢性があったのも事実です。
EMの場合は良い意味でそのあたりを振り切ったカメラなので
正直、ほかのニコン機に比べると
華奢な部分も多くあります。
今回は問題なかったのですが
非常に多いのが巻き戻しクランクが破損した個体。。。
下手に分解しようとしたり
無理な力を加えるとプラスチックが経年劣化で
脆くなっていることもあり簡単に破損します。
当店在庫の部品取り用EMもほぼすべての個体で
巻き戻しクランクが既に使われてしまっています。
現在、大丈夫なのものでも
巻き戻しクランクの扱いにはお気を付けください。

お預かりのEMはまず電源が入りません。
随分長い間、仕舞い込まれていた個体とのことですが
久しぶりに出してきて
電池を入れて最初の数回はちゃんと露出計も動いたのだそうです。
入れたばかりだという電池を念のため
チェックしてみると電圧がほとんどありません。
おまけに2個のうち1個は微妙に膨らんでいます。
試しに新品のLR44を入れてみて
電源が入らないことを確認しすぐに電池を抜いてみると
電池がほんのり熱くなって
新品なのに電圧も少し落ちてしまいました。
間違いなくどこかでショート(短絡)してしまっているようです。
基盤内ショートであれば正直お手上げですが
可能性が高いのは電池室裏ではないか思います。
まずここを直さないと始まらない状態です。

ショートの原因はおそらく以前にかなり長い間
電池を入れっぱなしにしていたことによる腐食です。
電池室自体は一見キレイだったのですが
電池室周辺は底部基盤の一部も含めて
緑青でびっしり覆われていました。
できる限り落として何とか正常に通電できそうな様子です。
露出計の動きやオート時のシャッター制御も不安定で
各接点を徹底的に清掃していかなくてはなりません。
それでも普通に動作できる状態には何とかなりそうです。
写真には写っていませんが
組み合わされていたレンズは
おわゆるパンケーキタイプのAi-Sニッコール50mmF1.8です。
こちらもカビ・汚れがひどいので清掃を行います。
EM用に発売されたシリーズEのレンズも良いですが
やはりAi-Sのパンケーキが万能で信頼性も高く良いですね。
私も以前は持っていたのですが。。。
パンケーキじゃなくてちょっとレンズの奥まったAi50/1.8でいいから
どこかで手に入れてこようかなと思います。

リコーフレックスニューダイヤのカメラ修理

今日は「コロッケの日」であり
さらに「ふりかけの日」らしいですよ
どちらも大好きですが
どちらもたくさんは食べられなくなったなぁ。。。
コロッケ。。。というか揚げ物が
ほんの少ししか食べられなくなりました。
食べてる最中は平気だしとっても美味しいと思っていただくのですが
あとでしっかり「胃もたれ」「胸やけ」に苦しみます(苦笑)
でも熱々のコロッケ売ってたらつい買っちゃいます。
まぁ1個くらいなら平気です!
「ふりかけ」は白米好きな私なので
当然大好きなのですが。。。糖質制限しなくてはいけないことと
先日の入院以来、あまり一度にたくさん食べられなくなったので
(まぁある意味良いことなのですが。。。)
ふりかけ使ってまでご飯を掻き込む。。。なんてことがなくなってしまいました。
。。。でも。。。こうやって書いていると
炊き立てのご飯にふりかけかけて食べたくなってきたなぁ(笑)
これも朝、軽くお茶碗1杯くらいなら許されるかな。。。
明日の朝はふりかけご飯にしましょう!

さてさて

本日は「リコーフレックスニューダイヤ」のカメラ修理を行っています。
「リコーフレックス」というとプレスボディで
ピントリングはギアを回すタイプの軽量コンパクトなタイプを
連想される方も多いとは思いますが
「ダイヤ」シリーズはダイキャストボディを採用した
従来のリコフレに比べると少し高級志向の二眼レフです。
最初の「ダイヤ」は1955年に発売されていますが
見かけるのが多いのは1956年に発売された
「ニューダイヤ」かと思います。
従来の「ダイヤ」との違いで分かりやすいのは
フィルター枠が単純なねじ込みではなく
バヨネットになっていることだと思います。
ダイヤシリーズを通して大きな特徴といえば
レンズボードの左右に飛び出した振り子式のピントレバーです。
素早く大きくピントを変化させたい時とかには
非常に使い勝手の良いピントレバーです。
搭載されるシャッターユニットは基本的には
「シチズンMXV」で最高速は1/400です。
(セイコーシャ搭載モデルも存在します)
設定されたSSや絞り値はビューレンズの上部に表示され
ウエストレベルで構えたまま設定の確認ができます。
オートコードとかと同様ですね。これも非常に重宝します。
レンズはリケノン搭載モデルと
リコナー搭載モデルが存在します。いずれも80mmF3.5です。
ファインダーもフレネルレンズが採用され
従来のリコフレに比べると明るさ・ピントの山の掴みやすさにおいて
やはり上回ります。
フィルム装填はスタートマーク合わせ方式となり。
もちろん巻き止めも自動です。
ここまでくるとセルフコッキングもあってほしくなりますが
そこはまだ未装備で巻上とは別にシャッターをチャージする必要があります。
こうしてみても従来のリコフレに比べると
全く異なる高級志向の二眼レフです。
並行して従来のリコフレも生産・販売されているので
選択肢のひとつとしての高級版といったところでしょうか。。。
でも使い勝手や性能も含めて従来のリコフレとは異なる
非常に魅力的な二眼レフだと思います。

お預かりしている「ニューダイヤ」は
使われなくなってからおそらく数十年
仕舞い込まれたままのものかと思われます。
レンズ表面には拭き傷も多くそれはどうにもなりませんが
それ以外にもカビ・汚れがひどく
このままではまともに写真が撮れない状態だと思われます。
シャッター羽根には粘りがあり高速時には精度が出ず
スローガバナにも粘りがありすスローシャッター時には
シャッターガ開いたままになり忘れたころにシャッターが閉じる状態です。
スリガラススクリーンやフレネルレンズにもかなり汚れが見られ
二眼レフでは定番ですが
ファインダーミラーは曇りまくりで既に用をなさない状態です。
あらゆるところを清掃したうえで調整して
リフレッシュさせないといけない状態です。
しかしながらきっちり整備を行えば
まだまだ快適に使えるようになる状態だともいえますね。

まずはいろいろと問題のあるシャッターユニットをおろして整備します。
当然、外したテイクレンズは全て後で清掃です。
その後、ヘリコイド周り、巻上機構部の整備を行い
ビューレンズやファインダーの清掃を行います。
ミラーは当然交換です。
ちなみにセルフタイマーはフラッシュ接点がXに設定されている状態で
SSは「B」以外に設定されているときのみ正しく作動する仕様です。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ミノルタSR-1のカメラ修理

今日は5月3日。。。
「ごみの日」、「ゴミ片付けの日」、「そうじの日」だそうですよ
どれも「ご(5)み(3)」の
語呂合わせが由来となっている記念日です。
掃除は常日頃から少しずつこまめにやっておいたほうが
効率よいことはわかっているのですが
ちょっと油断すると汚れがたまってから
しかたなく掃除するパターンに陥りがちです(汗)
お店はまだしも自宅がちょっとひどいので
どこにも行かないGW中にしっかり掃除しておきます!
あ、お店のエアコンのフィルターは
昨日、しっかり掃除しました!
いきなり冷房の出番が来そうな
暑さですものねぇ。。。

さてさて

本日は「ミノルタSR-1」のカメラ修理を行っています。
1959年に発売されたカメラです。
前年にミノルタ初の一眼レフカメラ「SR-2」が発売され
(最初なのに「2」。。。数字が大きいほうが上位機種ということからしいです)
SR-2の普及版として追加となったのが
「SR-1」です。普及版といいますが初期のSR-1は
SS最高速が1/500以外はSR-2とほぼ変わりません。
ただ、このSR-1、デビュー以来毎年ののように結構おおがかりな
マイナーチェンジが行われます。
それでもモデル名はSR-1のままなので
同じSR-1でもボディの形から違う。。。なんて現象が起きています。
ボディ形状だけで4種類存在します。
当然中身もそれぞれ細かく異なるので
修理時に部品交換が必要な場合は非常に厄介なカメラです。
(最も交換頻度の高いプリズムはSR-1,2,3共通だから
まだよいのですが。。。)

お預かりしている「SR-1」は
おそらく1963年のモデルかと思われます。
前年には「SR-7」が登場しており
それに合わせてボディのデザインも変更され
フィルムカウンター窓がそれまでの巻き戻し側から
巻上側に変更されています。
中身もSR-7との共通化が行われています。
こうしてみるともはや初期のSR-1とは別物です。
上位機種は「SR-2」→「SR-3」→「SR-7」と
モデル名も変化しているのに
中身は同様に進化しているのに「SR-1」は
ずっと「SR-1」のままなのです。
比較的後期の63年式とはいえ
もはや60年近く経過しようとしているカメラです。
もちろんそのままで快適に使える状態ではありません。
しかしながらさうがタフなSR系で
とりあえずはシャッターは動作します。
。。。。とはいえ、油切れの状態で一生懸命何とか
とりあえず動いているという状態で
「あぁ、もういいよいいよ、無理しないで!」と言いたくなる状態です。
(自分でシャッターを切っておいておかしな話ですが)
ちなみに1/1000に設定した状態で
1/100程度しか出ない状態です。
後幕の動きが圧倒的に悪いようです。
スローシャッター時にはガバナを引っ張り切れずに止まりそうな状態です。

シャッターもそうですがミラー駆動部、巻上部
駆動部分の動きは全て悪いです。
もちろんファインダー内やレンズ内にも
結構なカビや汚れが見受けられます。
このままでは使える状態ではありませんが
どこかが致命的に破損しているわけではございません。
とにかく分解して古い油や溜まった汚れを取り除き
新たに注油を行い、限られたバネの力で
スムーズに動けるように整備を行います。
その上で微調整を行うと全く問題なく
撮影に使える状態になると思います。
まだ現状チェックを行っただけの状態です。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。