日別アーカイブ: 2021年3月22日

ヤシカエレクトロ35GSのカメラ修理

今日は3月22日…制定されている記念日には
あまりピンとくるものがなくて
3月22日に過去になった出来事を調べてみると…
1997年3月22日に山陽新幹線・新大阪~博多で
500系新幹線が運行開始になっているのですね。
500系新幹線…カッコ良いですよねぇ
世代的にシンパシーを感じるのはやはり0系ですが
歴代新幹線の中でどれが一番カッコ良いと思うか?と聞かれたら
迷わず「500系」と答えます。
JR西日本が単独で開発した車両でもあるのですよね
(後継のN700系はJR西日本・JR東海の共同開発
最新のN700S系はJR東海の単独開発)
車体強度・台車強度・力行性能など
すべて320km/h対応として設計・計画された車両で
「のぞみ」の中でもスピードを重視する便に運用されていました。
確か客席内に速度表示があったのも500系だけじゃなかったかな…
非常に長い先頭車両のノーズや真正面から見ると
ほぼ円形に見える空力重視のスタイリング
700系に比べると正直に言って乗り心地も悪く
騒音もそれなりにあり室内も狭く
デメリットも多かったのですがそれでも速度を最重視して
作られた車両ということろにも妙にロマンを感じます。
(まぁ後継車両と比べるとデメリットが目立つのは当たり前ですよね)
のぞみフル編成での運用が2010年2月末に終了してからは
東海道新幹線で見ることはなくなりましたが
8両編成に短縮され山陽新幹線では「こだま」として
今でも元気に走っています。
少し前に話題になった「タイプ・エヴァ」のラッピング車両や
現在では「ハローキティ新幹線」のラッピングでも話題です。
エヴァもカッコよかったですが
ハローキティのピンクの車両はめちゃくちゃ目立ちます。
広島に行く際に何度かすれ違ったり
駅に停車しているのを見かけましたが
チャンスがあれば乗ってみたいですよねぇ
(残念ながらエヴァは乗れなかったし実車も見られなかった…)

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GS」のカメラ修理を行っています。
今月もありますねぇ…エレクトロの修理…
「GS」は1970年に発売されたモデルです。
初代から受け継がれている基本構成・外装デザインはそのままに
レンズが新コーティングとなり
「ヤシノンDX」から「カラーヤシノンDX」に変更されました。
シャッター等の基本スペックは変更なく
エレクトロ35の肝でもある
「コパルエレク」シャッターであることも変更ありません。
使用電池も変わらずエレクトロのために開発されたと言われている
HM-2N積層水銀電池です。
さすがにこれは今や入手できないので
電池アダプタ等を使って4LR44で代用するか
LR44を4つ使って代用します。要は6Vで運用すればOKです。

お預かりしている「エレクトロ35」は
随分長い間、眠っていた個体ではないかと思われます。
ただ、しっかり電池は抜いて保存してあったようで
エレクトロで多く見られる電池室内や電池蓋の腐食は見られません。
ただ、レンズ、ファインダーには世代にカビが発生しています。
警告灯(赤・黄)は状況によって点灯するので
電源自体は入っているとみられますが
シャッター制御は全くできていないようで
明るさや警告灯の状況に関係なく
常に一定速で切れてしまっているようです。
加えてバッテリーチェックは全く点灯しません
エレクトロのブログになると
巻上時の「カチン」という音の話を必ずすることになるのですが
これはレリーズ軸がバネの力で戻るときに起こる音で
巻上時に必ず鳴るのが正解です。
で、今回の「GS」はこの音が全くしていません。
この音がしないということはレリーズ時の
レリーズ軸の押し込み量が足らず
レリーズ時に軸がロックされていないということなので
オート制御が正常に行われない
或いは全く制御されないという状態になります。
今回シャッターが制御されないのはおそらくこの辺りが原因と思われます。

ではなぜレリーズ軸の押し込み量が足りなくなるかというと
レリーズ軸のそばに取り付けられている
ゴムブッシュが劣化で潰れているからというのが
お決まりのパターンです。
今回もその通りで潰れているというよりは
ほぼブッシュがない状態になっていました。
ブッシュを新たに取り付けて仮組して動作確認してみると
まずはオートの制御は行われるようになりました。
しかしながら今度はその制御が非常に不安定です。
これは接点の汚れによる接触不良だったり
鏡胴部の絞り情報となる摺動部の汚れや
それにかんれんした抵抗のハンダ不良等が考えられます。
原因となりそうなところに一通りの整備や対処を行うと
かなり安定して正しい精度で動作するようになりました。
ある程度何とかなりそうな目処が立ったという感じです。
並行してレンズ清掃やシャッター羽根・絞り羽根の清掃等々を行います。
古いタイプの電子制御機なので
なかなか思うようにならない場合もあり
修理不可能になる場合もあるのですが
何とか今回は問題なく整備できそうです。
でもやっぱりエレクトロは前期のこの大柄なボディで
ギラギラの太刀魚みたいなシルバーが何ともいいですよねぇ…

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