日別アーカイブ: 2025年10月11日

ヤシカミニスターのカメラ修理

今日は「ウィンクの日」だそうですよ。
「10」と「11」を横に倒して見ると
ウィンクをしているように見えることからだそうです。
目のぱっちりした人がキレイにウィンクを決めると
絵になりますよねぇ…
私の場合、目が細い上にキレイにウィンクできないので
「両目つむっとるん?」と笑われます(笑)
左目だけを閉じることはできるのですが
右目だけを閉じることが昔からできません。
過去何度か思い立って練習したことがあるのですが
これもうまくいきませんねぇ…
これもまったく不便を感じるわけではないのですが…
おまけに効き目が左なので右は閉じても閉じなくても
左メインで見ることはできます。
でもキレイにウィンクを決められるようにはなってみたかった気が…
多分今できるようになったら
あらゆるシチュエーションで乱発します(笑
気持ち悪いといわれそうですが…(苦笑)

さてさて

本日は「ヤシカミニスター」のカメラ修理を行っています。
1960年発売のレンズ固定レンズシャッター機です。
搭載するレンズはヤシノン4.5cmF2.8
(4.5cmF1.9搭載モデルも存在します)
非連動のセレン光電池使用の露出計を内蔵します。
シャッターはコパルSVLでB・1s~1/500をカバーします。
このシャッターはこの時代多かったいわゆる「LV方式」で
露出LVリングを回すと連動して絞りリングが回ります。
非連動の露出計もLV表示でLVリングを回して
露出を設定する…という考え方です。
この時代の他のカメラにも多く存在するLV式ですが
今の普通の感覚でSS・絞りをそれぞれ単独で
合わせようとすると少々使いにくく感じるかもしれません。
慣れてしまえばある程度克服できますが…
このあたりも時代を反映していますね。
比較的ヒットしたモデルで現在でも見かけることの多いカメラです。
機能的には当時の高級機ですので
一通りのことがこなせヤシノンレンズの写りも秀逸です。
当店にもコンスタントに修理依頼のあるカメラです。
ちなみにミニスターの「スター」は星ではなく
「MINISTER」なのですね。(割と最近知りました(苦笑))
意味は大臣、公使、聖職者、牧師…等なのだそうです。
そういわれるとなんだか偉そうなカメラに見えてきました(笑)

お預かりしている「ミニスター」は
いくつか大きな問題を抱えてしまっています。
まずはレンズシャッター機定番のシャッター羽根の粘り
当然ながら絞り羽根も粘っていますが
粘った状態で無理に動かしたことがあると思われ
羽根の一部が外れてしまっています。
絞り込んでいくと絞りの形が歪になってしまいます。
加えてセルフタイマーもかなり強烈に固着してしまっているようです。
スローガバナーも固着です。
ファインダーを覗くと曇りやカビもそれなりに酷いのですが
距離計二重像やブライトフレームが全く見えません。
映し出すハーフミラーの状態が心配されますが
今回はハーフミラーの問題よりも
ブライトフレームを反射するミラーが
脱落してることが原因のようです。
外れたミラーが二重像の光路もふさいでいて
二重像も見えなくなってしまっているようです。

全体的に修理箇所も多いですが
まずはシャッターユニット周りから修理整備を行っていきます。
露出計が単体で非連動なこともあり
構造的にはシンプルで整備性は良いカメラです。
心配されるセレンの状態は良好で
光に反応して元気よく指針が振れています。
精度的にも大きな問題はなさそうです。

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