コニカC35のカメラ修理

今日は「光化学スモッグの日」なのだそうです。
1970年のこの日に光化学スモッグによる被害が
最初に明らかになった日だそうです。
それより以前にも農作部等に光化学スモッグが原因と思われる
被害等は後からわかったのだそうです。
大気汚染の一種ですが1970年代のピークほどではないものの
毎年のように光化学スモッグ警報は出ていますね。
ここのところ関東はずっと梅雨空ですので出ませんが
晴れて日差しが強く気温が高いと発生いやすいのだそうです。
大気汚染は本当に怖いですよね。
一旦発生してしまうとどうしたって影響を受けるでしょうし。。。
光化学スモッグだけの話ではないのですが
世界人口の約90%が汚染された大気の下で暮らし
それが原因で年間700万人が死亡しているという推計もあるそうです。
安心して気持ちよく深呼吸ができる環境になってほしいですね。

さてさて

本日は「コニカC35」のカメラ修理を行っています。
いわゆる「じゃーに~コニカ」として一世を風靡したコンパクトカメラです。
非常にコンパクトなボディにレンジファインダーを装備し
露出はプログラムオート専用で簡単に撮影ができる。。。
まさに旅行やお出かけのお供に最適なカメラです。
テレビCM等の効果もあって爆発的なヒットとなり
現存する個体数も非常に多いカメラです。
ただ、個体数が多いこととお求め易い価格のため
かなり荒っぽく扱われた個体も多く
現状でそのままストレスなく使える個体はかなり少ないと思われます。

お預かりしているC35はシャッターが切れないということです。
外装は比較的キレイで貼り皮も色違いのものに張り替えてあります。
何故かセルフタイマーレバーを留めているカニ目のついた
化粧板は全く違うカメラのものが移植されており
セルフタイマーレバーも全く手応えなくグラグラです。
巻上レバーの化粧板にも外すときについたと思われる
傷があるのでおそらく分解品だと思われます。
ちょっと嫌な予感がしますね。。。

シャッター不動の原因は
当初はC35にありがちなシャッター羽根を駆動する円盤部の
動作不良かと予想していたのですが
やはり素人による分解品のようで
シャッターユニットの組み込みが間違っていることが原因でした。
さらにセルフタイマーユニットは内部で脱落しており
(もはやネジさえ付いていない)
ホットシューに繋がるリード線は上カバーに挟まれて断線しており
巻上部の組み間違いもありました。
他にもこれも分解が原因と見られるフィルムカウンター不良があり
これは分解は関係なくおそらく落下させてしまったものと思われますが
ピントリングに歪みが確認できました。
ちなみにピントリングの歪んでいるC35は比較的見かけることが多いです。
ピントリングとオート切替リングの隙間が
一定になっていないので良く見ればすぐにわかります。
酷いものになると無限遠まで回らないものもあります。
レンズ側から落下させると割りと簡単に
歪んでしまうので注意が必要です。

基本的には針挟み込み式のプログラムオート機なので
シンプルなカメラですが明らかに前回の分解組み立てが
酷すぎるので慎重に細かいところまでチェックしていきます。
こういう個体は通常なら考えられないところで
部品の変形や異常が見つかることもあるためです。
どういう経緯でご依頼者様が
手に入れたものかはわかりませんが
これからは何とか気持ちよく使っていただける状態に整備していきます。
今回は問題ない状態に復帰できそうですが
あまり酷い分解品だとカメラの機種に関わらず
修理不能な場合も多いです。
これからカメラを手に入れられる場合は
ある程度は信頼できるルートで入手されるようご注意ください。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。