オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「大寒」ですね。
「大寒」の一つ前が「小寒」、
「大寒」の次は「立春」で
「小寒」(1月5日頃)から「立春」(2月4日頃)の
前日(節分)までの約30日間を
「寒(かん)」や「寒中」「寒の内」と呼び
「大寒」はその真ん中にあたり一年で最も寒い時期であると言われます。
確かに今日も天気は良いですが空気は非常に冷たいです。
私もお店の中でエアコン全開でオイルヒーターを抱え込んでます(笑
「大寒」にちなんで今日は「血栓予防の日」でもあるらしいですよ
寒いと血管が縮こまって血圧も上がり詰まりやすいですからねぇ
私が2年前に脳梗塞になったのはもう少し後の2月11日でした
20日を「2(ツ)0(マル)」(詰まる)と読む
語呂合わせにも由来するのだそうです…
何だかイヤな語呂合わせですねぇ(笑
まぁとにかく無駄に身体を冷やすことは極力避けています
今日もひたすら暖かくして乗り切りますよー

さてさて

寒い時期ってのは
カメラも動きが悪くなりやすい時期なのですよねぇ
電子制御カメラだと電気的に電池の電圧が落ちやすいってのもありますが
機械式もある程度以上、機械が冷えてくると
潤滑不足になりやすいってのもありますね
油切れ気味の個体だとなおさらです。
寒くなるとミラーアップしたまま固着してしまうことが
多くなる…なんていう話もよく聞きます。
それよりもこの季節は寒暖差や温度差で
レンズやカメラが結露するほうが心配ですね
特にこの時期に星景撮影で長時間露光とかされる方は
結露対策を万全に行う必要があります。
まぁそういう撮影をされる方は当然よくご存じだとは思いますが…

話が逸れました…
本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
今年もやはりOM-1の依頼は安定して多そうです。
年明けて既に2台目ですね。
お預かりしているOM-1はいわゆる中期モデルで
モータードライブ対応となったタイプです。
底板部にモータードライブのリンク機構があり
初期のMD対応モデルには上カバー前面に
「MD」のシールが貼られているものもあります。
今回のOM-1もかなり長い間仕舞い込まれていて
使われていないものと思われます。
フィルム室のモルトは劣化で既に完全になくなっていて
シャッターも動きも良くありません。
巻上やSSリングの動きも妙に重さがあり
あちこちに長年の汚れがたまっているものと思われます。
心配されるプリズムは思ったよりは軽度な腐食です。
それほど撮影に影響があるレベルではありませんが
それでも今回せっかく分解整備を行うわけなので
プリズムは交換で対処いたします。
上カバーを開けてわかったのですが
プリズム周りのモルトはキレイに取り除かれていて
腐食対策が行われています。
腐食が少し始まったところで対策を行ったものと思われます。
だからこれだけの軽微な腐食で止まっているわけですね。
露出計は一応動作していますが
電池室からの配線はあまり状態がよろしくないので
交換でトラブルを未然に防ぐ方向で対処します。
接触不良の多いSW部の清掃も念入りに行います。

上カバーには純正のアクセサリーシューが
装着されていたのですが
シュー取り付け部内側のゴム部分が劣化していて
上カバー表面の塗装にもかなりダメージが出ています。
シューが長い間、装着したままの個体によくみられる状態です。
これもできる限り磨いてキレイにしていきますが
若干の錆び跡はどうにも残るかと思われます。
アクセサリーシューを付けている方は
たまには外してシューの状態をチェックすることをお勧めします。
まだ上カバーを外しただけの状態です。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

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