ミノルタX-7のカメラ修理

今日は8月6日、「原爆の日」ですね。
今朝は起きてすぐ黙祷から1日が始まりました。
こっち(関東)に来てから毎年思いますが
黙祷のサイレンがないのは少し寂しいですね。
細かいことにいろいろと不平不満はあれど
毎日笑って普通に食べて普通に眠れて
平和に過ごせる日常に感謝です。

さてさて

本日は「ミノルタX-7」のカメラ修理を行っています。
1980年発売の絞り優先オート専用機です。
いつも書きますが宮崎美子さんのCMで大ヒットしたカメラです。
この頃は物品税の関係もあり
本体4万円の絞り優先AE専用機が
エントリーモデルとして各社から発売され
熾烈な販売競争を繰り広げていました。
オリンパスOM10、ニコンEM、キヤノンAV-1、ペンタックスMV-1・MG
どれもよくできた使いやすいカメラばかりです。
各社CMも力入ってました。OM10は大場久美子さん、
ペンタックスMGは早見優さんでしたね。
その中でもX-7は文句なしに成功したカメラだと思います。
スペックとしては各社同じようなものなのですが
X-7はラインアップ上末っ子でもミノルタらしい
使い心地のよさを実現したカメラだと思います。
シルバーとブラックモデルが存在しますが
単なる色違いなだけではなく
ブラックモデルはシルバーモデルをベースに
前グリップを取り付けスクリーンに
ミノルタお得意のアキュートマットスクリーンを装備し
さらに明るくキレの良いファインダーとなっています。
色合いやグリップの有無もあってすっきりした印象の
シルバーも魅力ですし、いかにも80年代らしい雰囲気を持つ
ブラックもまた魅力的な1台です。

お預かりしているのはブラックの「X-7」です。
X-7で修理というと真っ先に思い浮かぶのは
プリズム腐食です。XEやXD、XG-S系でも同様ですが
プリズム枠前面に貼られたモルトが加水分解を起こし
その影響でプリズムの塗装や蒸着が剥離してしまうのです。
ファインダー内横方向に太い黒い帯となって見えてしまいます。
当然、ファインダー視野の多くの部分をこの黒い帯で邪魔されてしまい
とても普通に撮影に使えない状態になってしまいます。
お預かりしているX-7は濃い黒い帯にまではなってはいないものの
曇りのような太い帯が確認できる状態です。
こうなるとプリズム交換を前提として整備を行います。
今回はスクリーンも傷が多いのでスクリーン交換も行います。
いずれも新品は入手不可なので中古良品で対応します。
X-7は比較的、電子基板内トラブルは少ないカメラではあるのですが
やはり接触不良を原因とする電気的トラブルはそれなりにあるカメラです。
今回も電源は入っているものの
露出計は点灯せずシャッターを切ると
シャッターは開いたままになってしまいます。
おそらくモードダイヤル周りの接点不良が原因かと思われます。

80年代の電子制御機なので
フレキに覆われていて分解にはいろいろ神経を使うカメラです。
それでもこの類のカメラの中では
整備性は良いほうかと思います。
画像はまずはプリズムを降ろすところまでの段階ですが
これからさらに分解を進めて各接点の清掃や
シャッター周りの整備から取り掛かっていきます。