コニカⅢAのカメラ修理

今日は「噴水の日」らしいですよ。
1877(明治10)年のこの日に
東京・上野公園で第1回内国勧業博覧会が開催され
会場中央の人工池に日本初の西洋式の噴水が
作られたことが由来となっています。
この季節に涼しげな噴水はピッタリですね!
公園とかにある噴水池では
水遊びができるようなところも多く
子供の頃に呉市内の中央公園の噴水池で
バシャバシャ遊んでいたことを記憶のかなたに
うっすらと思い出せます(笑
話がそれますがその呉市中央公園は現在リニューアル中で
シンボル的存在だった噴水がなくなってしまうのだそうです。
いろいろ考えた末の結論でしょうが
やはり少し寂しいですね。
昨年の時点でなくなることがもうわかっていたので
最後に写真を撮ってきました。
もう水は出ていませんでしたが…
日常の風景も時代が進むとどんどん変化していきます
当たり前のなんでもない日常風景でも
とりあえず写真に残しておくことは
大事かもしれないな…と思うことが最近多いです。
まぁそれだけ歳をとってきたということですよねぇ(苦笑)

さてさて

本日は「コニカⅢA」のカメラ修理を行っています。
セルフコッキングを装備し
鏡胴脇から生える独特の巻上レバーを
ダブルストロークで巻き上げる「Ⅲ」をベースに
「生きているファインダー」と当時言われていた
パララックス/画角自動修正機能付等倍ファインダーを装備したカメラです。
いつも思うのですが「生きている…」はちょっと大げさかと…(苦笑)
距離計連動機構からさらにリンクしてブライトフレーム枠を
動かすことによって自動修正を実現しています。
それも大きな機能ですがそれよりも精度の高い
等倍ファインダーが搭載されたことが一番の特徴かと思います。
通常のⅢではハーフミラーを使う部分に
ごっそりと豪華にプリズムが鎮座しています。
これによって非常にクリアで見えの良いファインダー像となっています。
等倍なので右目でファインダーを覗きながら
左目で視野外も同時に見ることができます。
両目で見ていると通常の目視の視野に
ブライトフレームが浮き上がってみるような感覚です。
特に動くものを追う際には視野外まで広く同時に確認できるのは
非常にありがたい機能です。
両目で見るには少しばかり慣れも必要ですが
慣れてくると非常に便利なことがよくわかります。
等倍ファインダーの最大の魅力です。

お預かりしている「ⅢA」は定番トラブルともいえる
シャッター羽根の粘りを抱えた状態です。
レリーズするとゆっくりと羽根が開いていくような状態です。
何度か繰り返し作動させると
見た感じでは普通に動き始めるのですが
しばらくたってからまた動かしてみると
またゆっくりと開閉してしまいます。
さすがにこのままでは全く撮影に使えません。
絞り羽根にも油滲みがみられるので
こちらもかなり心配です。
いつもかきますが粘った状態で絞り羽根を動かしていると
かなりの高い確率で絞り羽根の破損に繋がります。
特にコニカⅢ系ではよくあるトラブルです。

過去に分解歴のある個体で
調速カムの抑え部分とかが一部破損した箇所も発見されました。
実は整備前にSSリングの動きが
ちょっとおかしいな…と思っていたのですが
このあたりが原因だったようです。
今回は何とか修復できましたが
最近市場に出回っている個体は
思いもかけない人為的トラブルを
抱えている個体が多く常に注意が必要です。
特にフリマサイト、オークションサイトで入手した個体は
その確率が高いと思われます。
今回はそれほど重篤なトラブルではなかったので
問題はないですが入念に隅々までチェックして
問題のない状態に仕上げていきます。

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