キヤノネットのカメラ修理

今日は「カーフリーデー」だそうです。
都市の中心部でマイカーを使わないことで
交通や環境、都市生活と車の使い方の問題について考える日とのこと。
世界の約2000都市で、この日1日
都市中心部へのマイカーの通行規制が行われるそうです。
日本では横浜市・名古屋市など9都市で行われ
いくつかの都市ではこの日に近い秋分の日に実施されるそうです。
環境問題とかそういうのはとりあえずおいといて
都内…特に23区内だと実生活でクルマが必要とは私は感じません。
趣味とかであれば別ですが…
これだけ公共機関が発達していればたいていの場合は
電車・地下鉄が確実に時間が読めてそのうえ早いです。
ただし少し郊外に行く用事や変わった時間に出かけたいとなると
やはりクルマがあれば便利は便利ですよね。
私もクルマ持たなくなってからずいぶん経ちますが
「クルマあれば便利だし楽しいかな…」と思うことは結構あります。
ただ…所有して維持するには駐車場事情が厳しいですよね…
地方の家賃並みに高いです(苦笑)
…となると…現実的に考えて
実生活にほぼほぼ必要なくて
たまにしか乗らないクルマは不要…ということになってしまいますね。
今の場所に住んでいる限りマイカー所有はなさそうです…

さてさて

本日は「キャノネット」のカメラ修理を行っています。
今回も1961年発売の初代キヤノネットです。
あれ?ここ最近やたらと初代キヤノネットの修理を
行っているような気がします。
素実前にもブログ書いた気が…(笑
たまたまだとは思いますが…
ただ、いつも書くように初代キヤノネットはその高い性能・機能と
それに見合わない低価格で社会現象となるほどヒットしたカメラです。
当然ながら現存数も非常に多く
家から出てきたカメラが
初代キヤノネットだった…ということも多いと思います。
そうなると修理依頼もやはりコンスタントにありますね。
売れたかどうかは別にしても非常に良いカメラだと思います。
時代を反映して少し大柄で重いですが
大口径の45mmF1.9レンズを搭載して薄暗い場所での撮影が可能で
シャッタースピード優先オートも使えます。
レンジファインダーもしっかり搭載してピント合わせも行いやすく
シャッタースピードは1/500~1s・Bまでカバーし
マニュアル露出での撮影も可能です。
すなわち写真撮影に慣れてくれば
意図的な露出で撮ることもできるというわけですね。
そして底部巻上・底部巻き戻しで上カバーはすっきりした
端正なデザインも秀逸です。
改めて見てもやはり魅力的ですね。

お預かりしている「キヤノネット」は
巻上ができてレリーズもできますが
レリーズしてもうんともすんともいいません。
ただレリーズすると再び巻上が行うことができます。
レンズシャッター機で定番のシャッター羽根固着です。
羽根に固着した汚れや油脂分によって
羽根が閉じた状態で張り付いてしまい動けなくなる症状です。
シャッター羽根がこれだと当然ながら
その後ろ側になる絞り羽根も動きが粘っています。
特にキヤノネット…というかこの種の
指針挟み込み式SS優先オート搭載機は
その機構上、かなり小さな力で絞り羽根を駆動するので
ほんのわずかな汚れや油脂分で簡単に動きが妨げられてしまいます。
ただ直接的に絞りリングから駆動するわけではないので
粘っていても羽根を破損する可能性が低いのは助かります。

やはりいつものことながら
心配なのはセレン光電池の状態です。
シャッターが固着していて絞りも粘っていて
さらにファインダー内表示がシンプルな初期型なので
お預かり時にはセレンの状況がよくわからず
まずは上カバーを開けて露出計の動作状況を確認です。
レンズを先端を明るいところへ向けると…
よかった…セレンは元気なようで
露出計指針は元気よく振れています。
…となるとシャッターユニットを中心に
機械的駆動部の整備を入念に行います。
当然ながらレンズやファインダーにはそれなりにカビがいるので
これもできる限りキレイに清掃していきます。

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