キヤノンPのカメラ修理

今日は「アイスクリームの日」だそうですよ。
1年中美味しくいただいていますが
これからは正にアイスの季節ですね。
そういえばツイッターではつぶやきましたが
先日、呉に墓参りに行ったときに
呉名物、巴屋の「アイスモナカ」を堪能していきました。
注文を受けてからその場でモナカにアイスを入れてくれるので
モナカはサクサクのままで美味しいのですよ!
昔からのデフォルトはラクトアイスで
爽やかでシャリシャリですごく美味しいのですが
今回は濃厚なプレミアムバニラ+餡子トッピングと
いうのも試しました。
甘さがガツン!ときます(笑)
濃厚なモノが欲しいときには最高の一品です。
機会があれば是非試してみてください。

さてさて

本日は「キヤノンP」のカメラ修理を行っています。
キヤノンは数々の高級レンジファインダー機を
1930年代から60年代まで製造していますが
その中でも「P」は10万台以上生産され
かなりヒットしたカメラだと思います。
比較的普及型とされお得意の変倍ファインダーではなく
35/50/100mmフレームを常に映し出す
等倍ファインダーを採用し
部品点数を減らして比較的お求め易い価格で販売したカメラです。
。。。とはいえ、カメラ自体が高級品だった時代ですので
まだまだお高かったようです。
もちろんこの時代のカメラですから
多少コストダウンを考えたといっても
安っぽさは微塵もありません。
ちなみに「P」はフランス語で「人気がある」という意味の
「Populaire」から命名されたようです。

お預かりしている非常に大切に使われていたカメラのようで
近年は使われていなかったようですが
外観に多少汚れはあるとはいえとてもキレイな状態です。
一通り動作もするのですが
さすがにシャッターの動きは悪く
シャッタースピードの精度は全く出ていません。
後幕の動きが特に悪く
高速シャッターの際にはシャッターが走行している間に
後幕が遅れてスリットがどんどん広くなっていく状況です。
1/1000で測定してみると
走り始めは約1/500(この時点で広がり気味)
視野中心付近で1/200程度
走り終わり付近では1/90程度までスリットが拡がってしまいます。
この状態で1/1000だと思って撮影すると
全体的にもオーバーな上に写真右側は白っぽくなってしまうと思われます。

モナカ状にカバーが外れていく構造は
バルナックタイプの時代から変わりません。
これから本格的に整備を行っていきますが
とにかく動くところはひたすら清掃し
注油の必要なところには新たに注油しなおします。
おそらくこれだけでもシャッタースピードはかなり改善すると思われます。
最終的には幕速を調整して精度を出していきます。

露出計もなくシンプルな「P」は
現在使うレンジファインダー機としてはかなり魅力的なカメラです。
この「P」はご依頼者様の親御様の形見だと聞いていますが
是非思う存分使っていただければと思います。
付属しているレンズも清掃整備いたしますが
これがトプコールS 5cmF2 というこれも写りの評価が高いレンズです。
うーん、なかなか羨ましい組み合わせです。

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リコーハイカラー35のカメラ修理

今日は「紙飛行機の日」だそうです。
子供の頃はチラシを折ってよく作ったなぁ。。。
これが結構気持ちよく飛ぶのですよ。風に乗れば尚更。。。
裏山に行って高いところから下の住宅地に向かって
飛ばしたりもしました。結構遠くまで飛ぶのですよ。
(今考えれば近所迷惑な話ですが。。。)
そういえばGW中に親友と話題に上がったのですが
紙飛行機ではないのですが
主翼に鳥の羽根みたいな翼が付いていて
ゴムを巻くと「パタパタパタ」と鳥のような羽音をたてて
飛ぶおもちゃの飛行機があったのですが
あれの羽音をもう一度聴きたいなぁ。。。(笑)
思った程、遠くまで飛ばないのですけどね
どこかでまだ売ってないのかな。。。

さてさて

今日は「リコーハイカラー35」のカメラ修理を行っています。
オートハーフのフルサイズ版といった感じのカメラですが
露出はオートハーフのようにプログラオートではなく
シャッタースピード優先オートです。
ピントも固定焦点ではなく目測合わせです。
露出計は連動しませんがマニュアル露出も可能なので
撮影の幅はオートハーフより数段広いと思います。
ただし、オートハーフにように何も考えずに
シャッターを切ればよい。。。というわけにはいかず
少し撮影の知識がないといけないカメラですね。
特に最近だとISO400のフィルムを使うことが多いので
シャッタースピードが1/300までしかなく
光量不足の警告はあっても光量過多の警告がないカメラなので
うっかりすると露出オーバーの写真を量産してしまう可能性もあります。
とはいえ、普通にマニュアル露出のカメラが使える方なら
何の問題もないとは思いますが。。。
巻上はオートハーフでお馴染みの
ゼンマイ仕掛けの自動巻上です。
ただ、これもおそらくオートハーフと同じ仕様のゼンマイだと思われますが
一度目一杯ゼンマイを巻いておくと
オートハーフだと20枚以上は楽々巻上できるのが正常な姿ですが
ハイカラーの場合だとゼンマイは絶好調でも
10枚少々しか巻上ができません。

お預かりしているハイカラー35は
レンズのクモリがかなり酷いことと電池室に腐食があり
露出計が動きません。
少し前にも露出計本体がNGなハイカラーを修理しましたが
今回は露出計本体は大丈夫でした。
露出計は電池室の修復を行って良好な状態になりましたが
レンズ前玉のクモリのほうはどう清掃しても
普通に使用できる状態にはならなさそうです。
今回は部品取用の個体からレンズを移植することで対応いたしました。

元々、外装のコンディションは良かったので
かなりキレイなハイカラー35に仕上がりました。
オート露出もバッチリですし、レンズもクリアです。
構造的にもオートハーフとかなり近いのですが
大きさに少し余裕があるため
整備性はこちらのほうが数段上だと思います。
あ、書き忘れていましたが
レンズは35mmF2.8、気軽に撮り歩くにも
じっくり風景撮るにも丁度良いレンズですね。

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ペンタックスMXのカメラ修理

今日は5月7日で「コ(5)・ナ(7)」で
「コナモンの日」だそうです。
お好み焼き、うどん、たこ焼き。。。などなどですね。
この連休中は広島・呉に墓参りに行っていたので
ヒサビサに「お好み焼き」と「細うどん」を満喫してきました!
お好み焼きは東京でも食べようと思えば
食べられますが
「呉の細うどん」はこちらではなかなか食べられないので
滞在中は毎日食べていました。
地元のスーパーで売っている「うどんパック」を大量に
買って帰ろうかとも考えたのですが
日持ちがしないのであきらめました。残念!
もう墓参りはついでで「細うどん」のために
また近いうちに呉に行かなくては!

さてさて

本日は「ペンタックスMX」のカメラ修理を行っています。
軽量コンパクトな一眼レフで
「ペンタックスMシリーズ」の中で唯一の機械制御シャッター機で
非常に人気のあるカメラです。
発売開始は1976年です。
その4年前に発売され「軽量コンパクトな一眼レフ」の代名詞となっていた
「オリンパスOM-1」を強烈に意識して開発されたようで
同じようにシャッターリボンを紐状にする等々の工夫を重ね
OM-1よりも縦・横・厚み、それぞれ0.5mm小さく作られています。
露出計はLED式でここは発売された時代が反映されていますね。

お預かりしている「MX」は
高速側シャッター(1/1000~1/125)が全て
ほぼ同じスピード(露光量、1/100程度」で変わりません。
加えてたまにミラーアップしたまま固着してしまいます。
メーターも少しオーバー気味です。
MXはシャッター走行やミラー周りにトラブルの多いカメラです。
一見、まともにシャッターが切れているように見えても
測定してみるとまったく精度が出ていなかったり
先幕・後幕のバランスが大きく崩れていることの多いカメラです。
いえ、横走りシャッター機で長期間放置されていたものなら
よくある話なのですが
「MX」は何故かその度合いが酷いものが多く
精度が出ているものに滅多に巡り会わないような気がします。
もちろん、しっかり清掃整備注油した上で
調整を行えば無事に直るものがほとんどなのですが。。。

(装着されているレンズは当店のテストレンズです)

幕軸、ミラー駆動部の清掃注油、
他各稼動部の清掃整備を行った上の
調整で問題ない状態に仕上がりました。
この時期のペンタックス機、特にMXは内部モルトも
非常に多いのでそれももちろん交換しています。
内部モルトが多いのでモルト屑が内部に入り込みやすいのも
細かいトラブルが多い原因かもしれません。
少し時間を置いて様子見した上で
最終的にチェック及び微調整を行って完成となります。

「Mシリーズ」以降のペンタックス機らしい
スマートな佇まいが良いですね。
黒だと尚更締まって見えてそれが強調されるような気がします。

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オリンパスXA4のカメラ修理

今日は「立夏」でもありますが
「コロッケの日」らしいですよ。
揚げたて熱々のコロッケは香ばしくて美味しいですよねぇ~
ちなみにコロッケはまだ平気ですが
ここ数年で「メンチカツ」は食べられなくなってしまいました。
食べている最中は美味しいのですが
食べた後にどうにも胃がもたれてツラいのです。
あぁ。。。やっぱち色んなところが
歳相応に傷んで来ているのでしょうね。。。(涙)
この間、広島で出会って40年超えの親友と
焼肉行きましたがカルビはあまり美味しく感じないし(苦笑)
ロースやヒレが最高に美味しかったです!
脂の多いもの全てがダメなわけではなくて
ホルモンはガンガン食べられるのですよねぇ。。。不思議だ(笑)

さてさて

本日は「オリンパスXA4」のカメラ修理を行っています。
XAシリーズは「XA、XA1、XA2,XA3、XA4」と
ラインナップされていましたが
XA4は28mmF3.5のレンズが装着され
接写(マクロ撮影)が可能というのがポイントでした。
最短撮影距離は0.3m
一眼レフで28mmレンズであれば
このくらいは寄れるのが普通だし
最大撮影倍率はたいしたことはないのですが
このサイズのカメラで0.3mまで寄れるというのは
たしかに貴重ですね。
ただしXA4もそうですがレンジファインダーを搭載する
無印XA以外のXAシリーズはピントは目測です。
近づいた状態では少々ピントに苦労しそうではあります。
1985年発売ということもあり
DXコードに対応しています。

お預かりのXA4はとにかく電源が安定しないようで
シャッターも切れたり切れなかったりです。
バッテリーチェックも反応しないことがあるので
電池室周りの問題か思いきや
どうもそれだけではないようです。
各接点に白い粉状の付着物等もあったりと
とにかく磨けるところは全部磨きます。
そうこうしているうちにやっと動きが安定してきました。

で、精度の調整も行い組みなおして少々様子見です。
付属の専用ストラップは短くしたときに0.3m
途中の瘤まで伸ばした状態で0.5mと
接写時の距離測定に使えるようになっています。

ところで最近、シャッター不良のXAの修理が結構多いのですが
正直なところ、修理不可能なものも多いです。
今回も同じタイミングでもう1台XA4の依頼があって
いろいろ手を尽くしているのですが
こちらはシャッターは切れるもののシャッタースピードの制御が
全くできない状態でもう少し努力してみますが
なかなか難しい状況です。
ある程度、分解してみないと
修理可能かどうかはわからない場合が多いので
待っているお客様にしても
こちらとしても少々苦労の多いカメラです。
それでも魅力的なカメラなことに間違いはないのですが。。。

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オリンパスペンD3のカメラ修理

今日は「こどもの日」です!
「こどもの日」といえばやはり鯉のぼりですよねぇ。。。
私も子供の頃には鯉のぼりあげてもらっていたなぁ
うちの実家は昔ながらの長屋でしたが
路地の端に山から切ってきた10mちょっとくらいの大きな竹に
4月後半あたりから5月5日まで
毎朝鯉のぼりを上げて夜降ろすのが日課になっていました。
天気の良い日は下からずっと眺めてたことを覚えています。
鯉のぼりといえばカープ!
昨日は劇的なサヨナラ勝ちでしたが
今日のデーゲームにも勝って
何とか再び5割に戻っていただきたいものです!

さてさて

このブログも休みの関係で少々久しぶりですが
お店は7日までお休みです。
。。。。とはいえ、手間仕事で個人事業主な私は
そんなに調子の乗ってのんびりしてるわけにもいかず
今日から少しずつひっそり仕事を始めます。
本日は「オリンパスペンD3」
デラックス版のペンの3代目です。
2代目から露出計の受光素子はCdSとなり
電池を必要とするようになりました。
3代目はレンズがF1.9からF1.7にグレードアップされています。
今回は同じタイミングで
異なるお客様から一台ずつお預かりしてるので
一気に2台進めていこうと思います。

まず1台目は電池室の一部腐食及びそこからの
リード線腐食のため露出計が全く動きません。
加えてシャッター羽根粘り、スローガバナも粘り
レンズカビとこのままだととても使える状況ではありません。
2台目も電池室及びリード線腐食で露出計不動
こちらはシャッター羽根は粘りどころか
レリーズしても全く開きません。
露出計は電源が供給されれば大丈夫かと思われましたが
CdSそのものが劣化しておりほとんど指針が振れません。
中古良品と交換で対応します。

写真は一通り整備が完了した後のものです。
レンズシャッター機はシャッター羽根粘りは宿命ですが
ペンシリーズは小さな羽根を
小さなバネの力で動かしているせいか
羽根粘りの確率が非常に高いような気がします。
定期的にメンテナンスが必要だと思われます。
ご依頼者様はどちらも女性の方ですが
やはりペンシリーズは小さくて(重さは結構ありますが)
持ち歩いて気軽に撮るには持って来いのカメラですね。

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コニカオートレフレックスT3のカメラ修理

今日は「昭和の日」ですね。
昭和天皇の誕生日で昭和天皇崩御の後
「みどりの日」としてそのまま祝日になり
2007年に「昭和の日」となり「みどりの日」が5月4日となりました。
GWとしてひとかたまりで見てしまいがちで
この辺はちょっとわかりにくいですね。
平成もあと1日少々で終わりますが
今上天皇の誕生日(12/23)は平日に戻るらしいですね。
ちなみに明治天皇の誕生日は11/3文化の日で
崩御15年後に祝日として復活しました。
大正天皇誕生日8/31は現在は休日とされていません。

ところで

明日(30日)~5月7日(火)まで
当店も休暇をいただきます。
久しぶりに墓参りに広島・呉に行ってこようかと思うので
少々長めにいただいております。
墓参りはともかく。。。
お好み焼き、呉の細うどん、フライケーキ、
巴屋のアイスモナカ、呉冷麺、海軍カレー。。。。
うーん、食べることばかり考えちゃいます(笑)

さてさて

今日は「コニカオ-トレフレックスT3」のカメラ修理を行っております。
発売は1973年です。
ニコマート等でお馴染みのシャッターユニット、コパススクエアを
機械式で制御します。
機械式シャッター一眼レフの場合、オート露出機構が付くことは稀なのですが
オートレフレックスT3はシャッタースピード優先AEをを装備しています。
これは当時コンパクトカメラ等で多く見られた
露出計の指針をレリーズ時に挟み込むことで
露出計の位置を把握し絞りを制御することで実現しています。
当時、レンズ一体式のオート露出コンパクトを数多くヒットさせていた
コニカならではの機能です。
1965年のオートレックスというモデルで同様の機能は搭載しており
続くFTA(1968年)にも継承されていますが
指針挟み込みの機能上、シャッターレリーズが非常に深いものでしたが
オートレフレックスに搭載された際には改善され
若干深めのレリーズではありますが
ほぼ違和感は感じない程度に変更されています。

シャッターユニットは非常に丈夫なことで有名な
コパルスクエアなのでお預かりしているオートレフレックスT3も
シャッターの動き自体にはさほど問題はないようです。
ただし、ミラー駆動部に動きの悪いところがあるようで
ご依頼者様のお話曰くシャッターが巻き上がった時点で
そのままシャッターが切れてしまう症状や
巻上ロックが起こるとのことです。
ただ、当店に来てからは一度もこの症状が出ないのですよね。。。
病院に行くと具合が良くなる子供のようですが(笑)
まぁ、よくあることです。。。
おそらくミラーチャージロックの動作不良か
シャッターユニット内の汚れが原因だと思われます。
どちらにしても分解整備なので関連する箇所をしっかり整備すれば
大丈夫だと思われます。
それよりも問題なのは露出計が6段近くアンダーで
これでは使い物になりません。
ご依頼者様曰く真っ黒な写真を量産したとのことですが
これだけアンダーだとそうなるかと思います。
アンダーというよりもほぼ振り切ったままに近い状態ですね。

写真は整備が一通り完了した状態でのものです。
レンズは当店のテスト用レンズです。
外観のコンディションは非常によく質感も非常に高いです。
コニカというと「C35」に代表される
ライトなコンパクトカメラのイメージが強いですが
一眼レフは非常に無骨で丈夫なカメラが多いですね。
このオートレフレックスT3がデビューした頃は
オリンパスOM-1の影響もあり
一眼レフもコンパクトなものにシフトし始めた時期ですが
やはりこういうがっしりした頼りがいのあるボディも魅力的です。

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ペンタックスKXのカメラ修理

今日は「缶ジュース発売記念日」だそうです。
昔ほどではないですが今でも自動販売機やコンビニで
缶ジュースは買ってしまいますよねぇ。。。
昔(私が子供の頃)は250mlの細長い缶が多かったと思います。
そのころはまだ瓶ジュースの自動販売機もかなりあって
コカコーラ系のジュースに付いていた
スーパーカー王冠とかを一生懸命集めていました。
今考えるといつのまにかなくなった(あるいは見かけなくなった)
ジュースもたくさんありますよね。。。
ミリンダとかHi-Cとかアンバサとかスコール
少し新しいものになるとメローイエローとかもかな。。。
考えていると当時の瓶とか缶まで集めたくなっちゃうな。。。(笑)

さてさて

本日は「ペンタックスKX」のカメラ修理を行っています。
「ペンタックスKシリーズ」は
それまで採用していたユニバーサルマウントM42から決別し
現在のデジタル機にまで繋がる独自のKマウントを
最初に採用したシリーズです。
1975年に「K2]「KX]「KM」の3モデルを同時に発売しました。
この中で「K2」のみが金属羽根縦走り電子制御シャッター機で
「KX」「KM」は以前のSP系をベースに進化させた
布幕横走り機会制御シャッター機です。
「KX」はSPDによる露出計やファインダー内表示等
新しい機能を積極的に取り入れたモデルです。
後の「Mシリーズ」に比べると少し大柄で重いですが
その分、機械的には余裕があり
整備性も良好なカメラです。

お預かりしているKXは後幕の動きが非常に悪く
例えば1/1000でシャッターを切ると
走り始めはほぼ1/500で
走り終わり付近では1/100になってしまいます。
後幕が遅いために
走行中にスリットがどんどん開いていってしまうのですね。
これだけ後幕の動きが悪いと
やはり低速時にはスローガバナをうまく動かすことができず
スロー時にはシャッターが開いたままになってしまうこともあります。

写真のレンズは当店のテスト用レンズです。
一通り現状の動きの確認を行ったところです。
シャッター周りを中心に機械的に駆動する部分は
清掃・注油を行います。
もちろん露出計も整備。調整を行います。
機械部分の清掃・注油でシャッターの精度は
かなり回復するとは思いますが
最終的には幕速調整で精度を詰めていきます。
中身はSPに近いものがありますが
ルックスも使い勝手も随分現代的な印象です。

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ミノルタニューSR-7のカメラ修理

今日は「哲学の日」だそうですよ。
ソクラテスが亡くなった日に由来した記念日です。
うーん、哲学ねぇ。。。難しいことはわかりませんが。。。
とりあえず仕事があって
毎日美味しいものが食べられていればそれでいいかな(笑)
それよりも今日からゴールデンウィークですね!
皆さまお出かけされるだろうから
お店は意外と静かだろうと予想しています。
当店も30日~7日まで今回は長めにお休みをいただきます。
とりあえず久しぶりに呉に墓参りに帰ります。

さてさて

本日は「ミノルタニューSR-7」のカメラ修理を行っております。
SR-7の前のモデルがSR-3で
いきなり次がSR-7になったのは
1962年に発売されたレンズシャッター機「ハイマチック」が
アメリカ初の有人宇宙船「フレンドシップ7号」に
撮影用カメラとして採用されたことと
マイナーチェンジを含めればミノルタの一眼レフとしては
7代目の一眼レフにあたるからだそうです。
ちなみに「ハイマチック」もフレンドシップ7にちなんで
2代目がいきなり「ハイマチック7」になっていますね。
「SR-7」は1962年の発売で
世界初のCDS露出計内蔵カメラなのですが
「ニューSR-7」はそのマイナーチェンジモデルで
1965年の発売です。
マイナーチェンジとはいいますが
この2モデルは全くの別物です。
SR-7はそれまでのミノルタ一眼レフと同じく
ベースはSR-1でシャッターユニットと
ミラーボックスがユニット化されている独特の構造ですが
ニューSR-7は次に発売となる
「SRT101」に近いもので
ボディダイキャストから変更されています。
外光式CDS露出計という点は同様ですが
それ以外は全くの別物といって良いと思います。

お預かりしている「ニューSR-7」は
元々丈夫なカメラだけあって一通り動作してはいるのですが
やはり相当動きにくい状況で一生懸命動いているようで
高速シャッターの精度は全く出ていません。
最高速1/1000が実際は1/500
1/500は1/300。。。といったところでしょうか。。。
1/125になるとそれほど問題のない範囲に収まるのですが。。。
加えて露出計が6段オーバーと
参考程度にすら使えない状態です。
電圧がうまくかからないのかCDSの劣化ではないかと思われます。

ずっと使われずに仕舞いこまれていたカメラとのことですが
大切に保管してあったようでレンズ側に
問題のあるカビ等はありません。
ボディ側も多少のアタリがありますが
全体的にはキレイな状態です。
保管状況としては問題ない状態だったのですが
さすがに何十年も動かしていないと
動作部分に問題はいろいろ出てきます。
永い眠りから覚めて軽やかに動いてもらうためにも
一通りの整備をこれから行います。

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ミノルタハイマチック7Sのカメラ修理

今日は「4・26」ということで
「よい風呂の日」だそうです。
1週間に一度くらいはお店の帰りに
銭湯に寄ってゆっくり温まっていますが
ゆっくりのんびり入るお風呂は本当に気持ちよいですよね!
家でもしっかりお湯をためて入ればいいのですが
足伸ばして入れないし
近所に銭湯があるのだから
ゆっくり入りたければ銭湯に行ったほうが気持ちよいです。
たまには山奥の温泉とかにも行きたいですねぇ。。。
平日の人の少ないときに
そのうち行きましょう。。。

さてさて

本日は「ミノルタハイマチック7S」のカメラ修理を行っています。
ハイマチックシリーズはミノルタを代表する
コンパクトカメラのシリーズ名ですね。
初代ハイマチックの登場が1961年で
今回のハイマチック7Sが1966年の発売です。
1969年のハイマチック11あたりまでは
コンパクトカメラといってもこの時代なので
それなりに大きくて重いです。
そのかわり中身の構造には余裕があり
非常に丈夫にも作られています。
ハイマチック7Sに搭載されるレンズは
ロッコールPF45mmF1.7です。
SRTシリーズでお馴染みの上下分割測光である
CLCを採用しています。
シャッターユニットはセイコー製で
露出はプログラム露出とマニュアル露出が選択できます。
この時代の最新のスペックですが
マニュアルもあることで色んなシチュエーションに対応できると思います。

お預かりしているハイマチック7は
露出計も含め一通りは動作しているのですが
レンズにはかなりカビがあり
ファインダーも随分曇ってしまっています。
クモリのため見えにくいですが
二重像も縦横ともにズレてしまっています。
露出計は動作していますが
電池室には緑青も見られ
電池室からのリード線やハンダも
あまり良い状況とは言えません。
これからまた長く使うためには
一度キレイにリフレッシュする必要があると思われます。

まだ現状を確認したのみで
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
この時代のEEカメラはオート露出時には
露出計が使えてもマニュアル時には
自動的にオフになるものも多いのですが
ハイマチックはマニュアル時にも露出計が働きます。
(非連動でLV表示ではありますが)
オートで手軽に撮ることもでき
輝度差の大きい難しいシチュエーションでは
露出計を確認しながらじっくりマニュアルで
露出を決めることができるのはやはり魅力ですね。

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ミノルタX-7のカメラ修理

今日は「歩道橋の日」だそうです。
私の生まれ育った実家のすぐ近くにも
歩道橋があって、通園・通学に使うのはもちろん
その歩道橋の上から見た
夕日とか花火大会とかは未だによく覚えています。
私が小学校2年生くらいのときに
その歩道橋の下に歩行者用の信号機ができ
歩道橋を使う人は随分減ってしまったのだけど
大人になってからもたまに懐かしくなって
あえて歩道橋を渡ってみたりしましたね。
今は実家がなくなってしまったので
なかなかその歩道橋を渡ることはないのですが
今度の墓参りのときに渡ってみようかな。。。

さてさて

今日は「ミノルタX-7」のカメラ修理を行っています。
私くらいの世代の方であれば
カメラに興味がなくても
「今のキミはピカピカに光って~」のCMソングと
宮崎美子さんの水着姿のCMといえば
覚えている方も非常に多いと思います。
個人的には宮崎美子さんの水着姿も眩しかったですが
そのCMをパロディにしていた志村けんさんが
当時最高に面白くてよく覚えています(笑)

CM効果もあって非常に売れたカメラです。
絞り優先AE専用機でボディ価格4万円弱と
当時、どのメーカーもラインナップしていた
入門機クラスですが
ミノルタらしい使い心地のよさも魅力のひとつです。

お預かりしているX-7は
オートが少し不安定です。マグネット吸着部の汚れ等が
原因かと思われます。
それは清掃と整備で改善されますが
一番の問題はこのカメラに非常に多いプリズム腐食です。
ファインダー視野内の真ん中横方向に
太い真っ黒な帯ができていてとてもこのままでは
普通に撮影に使える状態ではありません。
プリズム前面に貼られているモルトが加水分解し
蒸着を剥がしてしまうことが原因です。
世の中のX-7の8割くらいが
プリズム腐食を起こしているのではないかと思います。
X-7に限らずX系のカメラ全般に多いですね。
SRTの時代にも同じようにプリズム前面に緩衝材を貼っていたのですが
モルトではなく加水分解を起こさない材質だったのです。
そのためSRT系ではプリズム腐食はかなり少ないです。
コストの問題でしょうがこれのせいでX系のプリズムは
腐食したものが非常に多いのです。
まだX-7は腐食のない中古プリズムが比較的
確保しやすいので良いのですが。。。
(その点で一番困るのはやはりXE。。。。)

生産されたX-7のほとんどが旧ロゴのものなのですが
今回のX-7はめずらしい新ロゴのものです。
ミノルタのロゴ。。。新ロゴと旧ロゴ、どちらが好みかといわれれば
やはりレトロ感溢れる旧ロゴが好きですが
新ロゴのX-7は見慣れないので
これはこれで新鮮で良いですね。

これから本格的に分解整備一式に取り掛かります。

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