日別アーカイブ: 2017年7月23日

ペンタックスSPのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「大暑」ですね。
都内はここ数日の猛暑に比べれば
曇っているせいか少しだけ涼しい気もします。
これから立秋までがまさに夏真っ盛りってところですね。
若い頃なら夏といえばイベント目白押しで
楽しいことばかりだったような気がしますが。。。
今やこの暑さが堪えますね(苦笑)

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
1964年に発売開始され
国内のみならず世界的に爆発的に売れたカメラです。
世界初とはいきませんでしたが
2番目にTTL露出計を内臓したカメラでもあります。
絞込み測光のため、その後、標準的となる開放測光に比べれば
少しばかり不便な点はありますが
基本的には使いやすくしっかり造られたカメラです。
M42マウントということで
ペンタックスのみならず様々なレンズが使えるということで
現在でも非常に人気の高いカメラです。

しかしながら発売開始から50年以上経過しており
程度にバラツキの非常に多いカメラでもあります。
物置でずーっと眠っていた個体とかはそのままでは
まず使えないと思われます。

今回、お預かりしている「SP」は
仕舞いこまれていたものではなく
ご依頼者様が普段使っているカメラとのことです。
気持ちよく撮影を楽しまれていたようですが
突然、シャッターが切れなくなってしまったとのことです。
早速、チェックしてみると
シャッターは間違いなくチャージされているようなのですが
レリーズを押してもうんともすんともいいません。
レリーズが押せないパターンのトラブルもあるのですが
今回はレリーズはきちんと押し込めます。

下カバーを外してギアやカムの位置を確認してみると
どうやらミラーチャージが上手くロックできないようで
ミラーがチャージされていない状態でした。
フォーカルプレーンシャッターの場合、
ミラーが跳ね上がったときに
シャッター先幕を留めているカギを蹴って
シャッターがスタートする仕組みなので
ミラーがチャージされていない(レリーズしてもミラーが動かない)では
シャッターは当然、動作できないわけですね。

原因は小さなねじりバネが1箇所、外れていたことでした。
機械式のカメラには小さなバネがいたるところにありますが
どれひとつをとっても無駄なものはありません。
本当に良く考えて造られています。
この個体、問題はシャッター周りだけではなく
露出計もほぼ針が振り切ってしまう状態です。
こちらは電気回路的に何か問題がありそうなので
シャッター周りの整備の後、詳しく調べていきます。

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