月別アーカイブ: 2020年9月

オリンパス35DCのカメラ修理

今日は「苗字の日」なのだそうです。
1870年(明治3年)のこの日に
「平民苗字許可令」という太政官布告により
平民も苗字を名乗ることが許されたのだそうです。
それまでは苗字を名乗るのは貴族と武士の特権だったのですね。
でも許可令が出されても読み書きが不得手の人がまだまだ多く
また当時国民は明治新政府を信用しておらず
苗字を付けたらそれだけ税金を課せられるのではないかと警戒して
なかなか広まらなかったのだそうです。
私の苗字は「迫田(さこだ)」ですが
こちら(関東)ではあまりみかけない苗字ですよね
中国地方・九州ではそれほどめずらしい苗字ではないのですが。。。
上京してからやたらと「追田」ってメールや文書で
間違われることが多くなりました(苦笑)
いやさすがにそれでは読みがおかしいでしょう?と本人は思うのですが(汗)
あ、加えるならこっちに来てから「さこた」だと
思われているることも多いですねぇ。。。「さこだ」が正解です。
ちなみに「迫田」の意味は
「山間(やまあい)の小さな谷にある田」なのだそうです。
私の先祖は私の知っている限りでは元々、蒲刈島で農業をしていたそうなので
島の山間の小さな田を持ってたのかなぁ。。。とかってに思っています。
苗字が付けられたのが明治初期だから約150年前。。。
さすがにその頃の私の祖先の生活ぶりはわかりませんが
高祖父の時代になるのかな。。。
たった3~4世代前くらいなのですがわからないものですね

さてさて

本日は「オリンパス35DC」のカメラ修理を行っています。
数多くのモデルが存在する「オリンパス35シリーズ」の一員です。
発売は1971年です。
大口径のFズイコー40mmF1.7レンズを搭載します。
プログラムオート露出専用機なので
絞りを任意にコントロールすることはできないので
積極定期にボケを楽しむための大口径レンズではありません。
この時代の大口径レンズ(特にレンズ固定式カメラ)は
主に少ない光量時にシャッタースピードを稼ぐためのものです。
シャッターもプログラムシャッターでシャッター羽根と
絞り羽根が兼用されるタイプです。
シャッター制御自体は機械式でシャッターの駆動に
電池を必要とはしませんが35DCの場合は
ある程度露出計が振れていないと光量不足と判断し
シャッターロックがかかるので電池を入れていないと
シャッターは切れない構造になっています。
このあたりは考え方の違いですがコニカC35みたいに
何のロック機構も搭載せず露出計の針が振れていなければ
とりあえず絞り開放・SS最低速でシャッターが切れるというのも
便利な場合もありますし
でも当時、このカメラを使うであろう比較的初心者の方で
露出の考えがない方だと
やはりロックしておいたほうがいいのか。。。とも思いますし。。。
うーん、今となってはその辺りは好みですかね(苦笑)

お預かりしている「35DC」はファインダーにクモリ
レンズに少々大きなカビが確認できる以外は
比較的、外観のコンディションも悪くない個体です。
電池を入れれば露出計も作動しシャッターも切れます。
しかしながら。その露出計の動きが少々おかしく
どんな明るいほうへレンズ(受光体)を向けても
ファインダー上で1/30・F2.8以上の高速側へ
指針が全く触れません。何かにぶつかって進めないような感じです。
ファインダー上の指針は露出計の指針を挟み込むことによって
連動して動きます。挟み込みはレリーズに連動しますので
レリーズボタンを半押ししなければ
ファインダー上の指針は左側に引っ込んでしまいます。
大元の露出計はボディ下部にあるのですがそこの指針が
何らかの原因で動けないと予想します。

画像ではわかりくいのですがボディダイキャスト側の下部に
露出計本体が見えています。
指針が動かない原因はメーター内にネジが挟まっていたせいでした。
ペンEE系やトリップだと自然にネジが緩んで外れて
メータ(磁石)にくっついて動作不良。。。というパターンは多いのですが
35DCではめずらしいですね。
ただ。。。自然に緩んだ感じではないかな(苦笑)
挟まっていたネジの形状と大きさから判断して
メータ本体を留めているネジか前板を留めていたネジだと思われるのですが
どのネジも外れてはないのですよね。
念のため外れている箇所がないか入念にチェックしましたが
どこも外れてはいないようでした。
ともかく挟まっていたネジは取り出して仮組して
露出計の動作チェックをしますが
今度は明るいところでいったんかなり右側まで振った指針が
暗いところに持っていても戻ってこないという現象が発生しました。
ネジが挟まっていた関係で指針が変形して
挟み込み機構に引っかかってしまうようです。
それでももう原因はわかっているので
レンズ清掃、シャッターユニットの整備を行いつつ
露出計周りも整備していきます。
値の調整やオートの調整はある程度組みあがった後で行います。
そいえば35DCといえば
ASA感度設定枠の変形による固着が非常に多いのですが
今回はそこは大丈夫でした。
落下歴もなく丁寧に使われていた個体だと推測されます。

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ペンタックスSLのカメラ修理

今日は「しまくとぅばの日」なのだそうです。
最初にこれ見て「どういう意味?」と思って調べたら
「しまくとぅば→島ことば」で
沖縄地方で伝えられてきた言葉(琉球方言)という意味なのですね。
今は現地に行ってもそんなに意味が分からないほどの
方言にあうことはないとは思いますが
現地の高齢者の方とかが話しているのを聞くと
きっとわからないのでしょうねぇ。。。
文脈がわからないほどのハードな方言ではないとはしても
まだまだ地方には独特の方言が残っていたりしますものね
私も地方出身だから自覚があるのですが
それも当の本人は「方言だと思っていない」という言葉もたくさんあります(笑)
私も関東に移り住んで十数年は経つので
さすがに今はイントネーションはともかく
もろに言葉そのものに方言が出ることはあまりありません
でも最近、歳のせいと例のワレンベルグ症候群の影響で
「あ~背中がにがる」とか「右足がにがる」とか
よく独り言で言っています(笑)
「にがる」。。。これ広島地方の方言だそうです。
だる痛いというかじわっとくる鈍痛みたいなときに
よく使う言葉で「にがる」に変わる言葉がみつかりません(笑)
じいさんばあさんと暮らしていたので
他にも方言。。。というか広島弁(呉弁?)には
いろいろ思い入れがあるのですが
それをここで書くときりがないので
また何かの機会に少しずつ小出ししていきます(笑)

さてさて

本日は「ペンタックスSL」のカメラ修理を行っています。
大ヒットした「ペンタックスSP」から露出計を省略したモデルです。
SPのデビューは1964年ですが
SLは4年後の1968年の発売開始です。
この時代にはまだまだそれまでの実績のない「内蔵露出計」を
嫌うユーザー層も結構存在している上に
露出計を内蔵することによって故障の要因が増えることを
懸念するユーザ層も存在しました。
今となっては露出計が内蔵されているのは当たり前ですが
その気持ちもわからないではないですよねぇ
ちょっと話が逸れますが
以前、当時流行っていた「テレビデオ」(ビデオデッキ内蔵型のテレビ)を
買ったことがあったのですが
案の定、ビデオ部分が壊れ、
修理に出すとテレビも見られなくなるし。。ということで
結局、テレビ部分のみ使ってビデオは新たに外部のデッキを
買い足した。。。なんてことがありました。
同じように考える方もいらっしゃったでしょうね。
それから、壊れる・壊れないはともかくとしても
私は一時期、露出計は単体スポットメータのみを使っていた時期が合って
その頃はカメラ内蔵の露出計は一切使っていませんでした。
カメラごとに測光に癖があることと
平均測光や中央部重点測光では輝度差の大きな1枚の時に
露出設定が困難であるということが理由でした。
それでもネガなら大雑把に撮ってしまえばよいのですが
ポジだとそんな簡単にはいきません。
結局、一番大事な部分に露出を合わせつつも
輝度の高いところや低いところも
「ある程度」考慮に入れる。。。みたいなことを
やろうとすると単体のスポットメータが便利なのです
あ、基本的に自然光の風景写真の話で
ポートレートやフラッシュ使用時にはまた全く変わってきますね。。。
話が逸れましたがそういう意味でも露出計レスのカメラというのは
特にこの時代は存在意義があったと思います。
今となってはトラブルの元になりやすい露出計がないことは
より安心して長く使える。。。という考え方もあると思います。

露出計がないということは
巻上が普通にできてファインダーが見え
シャッターの精度が確保できていれば
写真はしっかり写るということですが
お預かりしている「SL」は
この時代のSP系にありがちな状態で
全体的に汚れや油切れで動きが悪く
シャッターも高速域での精度が全く出ていない状態です。
それでも1/125あたりを使っていれば
何とか写真は撮れるかもしれませんが
シャッター音や巻上の操作感も含めて
とても本来の姿とは言えない状態です。
ファインダーの中や装着されている55mmF1.8レンズにも
大量のカビが発生しています。
おそらく長年仕舞い込まれたままの個体と思われます。
ただ、逆に考えると
経年劣化で動きが悪く、汚れ・カビが酷いものの
致命的にどこかが破損しているわけでありません。
分解清掃をきっちり行うことで
見違えるように復活できるパターンということもできると思います。

ということで、見違えるほど復活できました。
巻上は本来の非常に軽やかな感触になり
シャッター音も小気味よい耳障りの良い音に戻りました。
レンズ・ファインダーは非常にクリアになり
ピント合わせも非常に気持ちよくできる状態になっていると思います。
シャッタースピードの精度は
もちろん1/1000から1秒まで問題のないレベルに調整されています。
この状態であればこれから当分の間
安心して使っていただける状態だと言えると思います。
SLはSPと異なりボディ前面にモデル名の刻印がないのですが
そういう部分も含めたシンプルさが魅力のカメラだと思います。

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オリンパスXAのカメラ修理

今日は「モノレール開業記念日」だそうですよ。
東京オリンピックが開催された1964年(昭和39年)のこの日に
浜松町~羽田空港間の「東京モノレール」(東京モノレール羽田線)が
開業したのだそうです。
今でも日本を代表するモノレール路線ですよね。
「モノレール」はその名の通り1本のレールの上を走ります。
通常の電車は2本のレールの上を走るのでそこが根本的に異なるのですね。
鉄の車輪ではなくゴムタイヤで走るので
静かで乗り心地も良いという利点もあります。
ちょっとややこしいのは同じようにゴムタイヤで走る
いわゆる「新交通システム」はモノレールとはまた異なります。
「ゆりかもめ」や「舎人ライナー」、広島の「アストラムライン」とかですね。
こちらはそもそもレールがなくコンクリートの走行面の上を
走行輪とは別途の案内軌条に沿って走るものなのです。
日本国内でもモノレールは減少傾向だと思いますが
それでも世界的にみると日本はモノレール大国なのだそうです。
建設コストがかなり削減できるということで
一時はかなり注目されたそうなのですが
実際はそれほどお安くは建設できなかったそうで
それが世界的には思ったほど普及していない原因の一つだそうです。
これを書くのにモノレールのことについて少し調べたのですが
東京モノレールのような形式のモノレールだけではなくて
モノレールって本当にいろいろなものがあってちょっと驚きでした。
もはやロープウェイ?みたいなものまであるのですねぇ。。。
それから瀬戸内の島々でよく見る「みかん運搬用」の
農業用のモノレール。。。言われてみれば確かにモノレールですね!
いろいろ調べてみると身近なものでも
知らないことはまだまだ多いですねぇ。。。

さてさて

本日は「オリンパスXA」のカメラ修理を行っています。
1979年に発売された35mm判コンパクトカメラです。
その後のコンパクトカメラにこぞって採用された
スライド式レンズバリアの元祖はこのXAです。
レンズキャップを不要にし、さらにファインダー窓も一緒に閉めるので
レンジファインダー機でありがちな
「レンズキャップの外し忘れ」もあり得ません。
レンズの出っ張りもないスタイリッシュさも先進的ですし
35mm判なのにハーフのペンと変わらない大きさも魅力です。
XAシリーズにはXA、XA1、XA2、XA3、XA4が存在しますが
レンジファインダー搭載なのはこの最初のXAのみです。
さらに絞り優先オート露出なのもこの初代XAのみです。
(他のXAはプログラムAE)
カメラの性格上なるべく簡単に。。。という面では
他のXAのほうが合っているという考え方もできますが
できるだけ自分で絞り値をコントロールして
やはり絞り開け気味の時にはしっかりピント合わせしたいという意味では
この初代XAが使いこなしがいがあると思います。

ただこのXAというカメラ、シャッターはもちろん電子制御で
レリーズボタンもフェザータッチで軽く押さえるだけで
シャッターが切れるという当時としては先進的なものです。
ここまで書いただけでもいざ壊れると修理が大変そうだということは
想像に難しくないかと思います。
XAは実は密かに修理依頼の非常に多いカメラです。
でもあきらかに拝見した時点で修理不能な状態のものも多く
お断りしているものも多いカメラなのです。
いったんお受けしたにしても修理でいるかどうかは
やってみないとわからない。。。というものも多く
そのためここのブログにはあまり出てこないのですね。
電子制御機であることも修理が困難な理由の一つではあるのですが
それよりもやはりこの大きさを実現するために
それなりに整備性に少し無理をした造りをしている部分も多く
壊れるとごっそりそのユニットごと交換しないとダメな部分も多く
当然新品ユニットが手に入らないので修理不能ということも多いのです。
さらにXAは一部レンズがカシメで留められているため
そのレンズ内側の清掃はできません。

お預かりしているXAはまずシャッターが切れません。
でも電源自体は入っています。
(BCが機能する、露出計が動いている)
こういう場合、普通の電子制御機なら
ソレノイドの汚れとかから疑うのですが
XAの場合はまずレリーズボタンの感圧センサーから疑います。
ここに汚れがたまると自慢のフェザータッチのレリーズが
動かなくなるのです。
今回もセンサーの汚れがシャッタ不動の原因でした。
それでシャッターは動くようになったのですが
今度はシャッター制御がやたらと不安定です。
シャッタユニット周りやソレノイド周りをチェックしていくと
ソレノイドにかかっている小さなキックバネが
外れてしまっていました。動作不安定な原因はこれのようです。

それからXAではよくあるのですがファインダー内表示の
露出計がやたらとオーバー気味です、
例えばASA100で絞りF16設定で明るさがLV15だと
露出計は1/125を指すのが正常なのですが
実際は1/30辺りを指してしまいます。
原因は受光体(CdS)の劣化です。
実はXAは絞り優先オートで露出制御するための
受光体や回路は完全に別回路になっていて
こちらにはあまり問題が起こらないのですが
ファインダー表示用の受光体だけが
やたらと劣化している個体が多いのです。
完全別回路ですからファインダー内で2段オーバーの
1/30で表示していても実際にシャッターを切ると
正常な1/125で切れ正確な露出となります。
とはいえファインダー内表示が正しくないのは
気分が悪いので今回も何とかできる限りの調整で
問題がないレベルに調整いたしました。
しかしながら毎回この調整ができるとも限りません
(もともと調整できるような構造ではありません)
おまけにオート制御用の受光体と
ファインダー内表示用のCdSは互換性がありません
困ったものです。

そんなこんなでなかなか整備するには問題の多い
XAですが今回は何とか安心して使っていただけるレベルで
整備が完成いたしました。
専用フラッシュのA11も問題なく作動します。
これを付けると少し自慢のコンパクトさがスポイルされますが
便利ですし専用だけあってスタイリッシュです。
元々このXAはご依頼者様のお父様のカメラなのだそうです。
きっとご依頼者様の子供の頃の写真もこれで
たくさん撮られているのだと思います。
当店としては比較的新しめのカメラですがそれでも
40年以上経過したカメラです。
こういうカメラができるだけ
今回のように引き継がれて使われていけばいいですね。
そうすれば私の仕事も少しは安泰。。。ですかね?(笑)

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ヤシカエレクトロ35GTのカメラ修理

今日は「マッチの日」だそうですよ。
1948年(昭和23年)のこの日に
それまで配給制だったマッチの自由販売が認められたのだそうです。
日中戦争以降、いろいろな生活必需品が配給制になっていたのですよねぇ
ちょっと調べてみるとお米なんて
実質的には1960年代に配給は終わっていたのに
1981年まで「米穀配給通帳」が、まだ存在していたのですね
見たことないのですが、きっと実家にはあったのだろうなぁ。。。
マッチの話に戻りますが
今やマッチを擦ったことがないって方もきっと多いですよねぇ
小学校の頃には擦り方をじいさんに教えてもらいました。
仏壇のろうそくや線香に火をつけては喜んでいたような記憶が。。。
中学校の頃にはいわゆる「安全マッチ」ではなくて
どこで擦っても火が付くマッチが欲しくって手に入れたなぁ
(要は靴の裏とかでカッコつけて火をつけたかっただけ(笑))
マッチを擦ったときの匂いが何だか懐かしく感じますね
そのためだけに1箱マッチ置いておこうかな。。。(笑)

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GT」のカメラ修理を行っています。
「GT」の発売は1969年ですね。つまり私と同い年です(笑)
1966年に初代エレクトロ35が発売され
電気接点が金メッキにマイナーチェンジされた「エレクトロ35G」が
1968年に発売されます。その「G」のブラックヴァージョンが
今回の「GT」になります。
つまり接点等以外はまだ初代とほぼ共通という内容です。
(ASA感度設定範囲等が実は細かく変更されていたりしますが。。。)
「ろうそく1本の光でも写る」カメラを目指して
長時間露出性能の高い電子制御シャッターを採用した
絞り優先AE専用のレンズ固定式レンジファインダーカメラです。
長時間露光もポイントでしたが
暗所で少しでもシャッタースピードが稼げるように
45mmF1.7という非常に大口径のレンズを搭載しています。
この「GT」までは旧コーティングの「ヤシノンDX」で
次のモデルである「GS」からは
新コーティングの「カラーヤシノンDX」となります。
60年代の電子制御機ということで
電子部品に不安がある部分もあるのですが
エレクトロは比較的電子部品トラブルの少ないカメラです。
とはいえコンデンサ等に何かトラブルが起こると
修理不能になる場合も確かにあります。

エレクトロ35シリーズの特徴のひとつに
巻上レバーを少し回した時に「カツン」と
それまで引っ込んでいたレリーズ軸が戻る音がします。
それがしない個体が特の初期のモデルに多いのですが
今回の「GT」もその音がしません。
レリーズ軸を押し込む部分にゴムブッシュがあり
そこが劣化して厚みがなくなるとこの音がしなくなります。
この音のしない状態のエレクトロは
オート露出がほぼ間違いなくしっちゃかめっちゃかになっています。
今回ももちろん同様です。
レリーズ軸が正しい位置まで押し込まれないため
一部接点に届かないことが原因です。
。。というわけで電源は入るしシャッターは切れるものの
オートは全くまともに動作しない状況です。
オート専用機でこの状態では全く撮影に使えません。
他、レンズ・ファインダーにかなりのカビが発生しており
これも撮影にかなり悪影響を与えそうです。

目印とか入れる余裕がなかったのですが
画像に腐食して用を足さなくなったゴムブッシュが見えています。
ここに腐食しにくい素材の新しいブッシュを入れていきます。
もちろん各接点の清掃やシャッタユニットの整備を行います。
この状態で仮に電源をつなげて動きを見ている感じには
何とか正常な動きを取り戻せそうです。
毎度のことですがリード線の多さと接点や基板に
非常に時代を感じますね。
でも個人的にもちょっと好きなカメラです。
大事に使われていた個体らしく外装は非常にキレイです。
中身もしっかり整備して再び大活躍できるように整備を行っていきます。

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ペンタックスMEのカメラ修理

今日は「コスモスの日」なのだそうです。
由来や制定した団体等が全く不明なのだそうですが
ホワイトデーから半年経ったこの日に
プレゼントにコスモスを添えて交換する日なのだそうです。
そんなにプレゼントを必要とする記念日を
たくさん作られても。。。と思いますよねぇ。。。
まぁ私にはなんにしても関係ないことですが。。。(苦笑)
プレゼント交換はともかくちょうどコスモスが咲き始める季節ですね。
よく漢字で「秋桜」と書いてコスモスと読ませますが
これは1977年の山口百恵さんの「秋桜」からなのだそうです。
作詞作曲はさだまさしさんですが
なんとも上手いこというものですねぇ。。。こういうのはセンスですよねぇ
もう1977年といえば前にも書きましたが
「秋桜」ももちろん聴いていましたが
どちらかというと無限に「カルメン’77」が
頭の中でリフレインされる世代です(笑)

さてさて

本日は「ペンタックスME」のカメラ修理を行っています。
1976年、最初のMシリーズである「MX」発売から1ヶ月後に
発売されたMシリーズ第二弾のカメラです。
「MX」が従来からの機械制御布幕横走りシャッター機だったのに対して
「ME」は電子制御縦走りシャッター機で
当時の最新の電子技術を採用したカメラです。
絞り優先AE専用機でそのポジションこそエントリークラスですが
その後、出てくるMシリーズのカメラは
基本的にこのMEがベースとなっています。
小型軽量なMXよりもさらに軽量にまとめられ
電子制御機のメリットが最大限に発揮されたカメラです。
使い心地もなかなか優秀で
きちんと整備されたMEの巻上フィーリングと軽快なシャッター音は
かなり官能的なレベルだと個人的には思っています。

ただ、コストの関係もあったのか
ミラー駆動部にゴムブッシュを多用したことにより
そのゴムブッシュの経年劣化により
ミラー駆動部の動作不良を抱えた個体が多く
ミラーアップした状態のまま
ジャンク箱に転がっている個体が多いのも事実です。
きちんと整備すればそこは直るのですがね。。。
ちょっと残念ですね

今回、お預かりのMEはミラー周りに関しては問題がない様子です。
ただ、巻上軸の動作不良が発生していて
きちんと巻き上げても巻上軸が反転して戻ってこず
巻上レバーがフラフラな状態で
シャッターも切れなくなるという症状です。
何回か巻上レバーをいろいろ動かしていると何かのはずみで
軸も戻ってきてシャッターも切れるといった状態です。
それを試していて気が付いたのですが
巻上レバーの引き出し予備角(完全にたたまれている状態から
実際に巻上が始まるまでの30度くらいの遊び角)に
クリック感が全くなくその領域ではレバーがフラフラです。
クリック感を出すための板バネが折れているものと思われます。
(ME系ではよくあるトラブル)
もしかしたら。。。というかまず間違いないような気がしますが
折れた板バネの先端が巻上軸に引っかかってしまい
巻上軸が戻ってこれないことになるのでないかと予想されます。
どちらにせよ、分解して破片を回収してみないと。。。

引っかかっていたかどうかまでは確認できませんでしたが
クリックバネの先端はやはり巻上軸周辺から出てきました。
おそらくこれが原因でしょう。。。
定番のミラー駆動部は対策済みとみられ
ゴムブッシュが使われている場所はプラスチック部品に
変更されていました。生産時期と分解歴から考えて
メーカー対策品ではないかと思われます。
それとはまったく別の問題でMシリーズのカメラは
内部モルトもかなり多いのでその辺りの交換もしつつ
シャッターや巻上、ファインダー周りの整備を行います。
オート制御がかなりアンダー目だったことも
最初のチェックでわかっているので
仮組した後で調整も行います。
今回も気持ちよく使えるカメラに仕上がりそうです。

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キヤノンデミEE17のカメラ修理

今日は9月13日。。。
うーん、これと言った記念日等のない日ですねぇ。。。
あ、1985年にファミコン版の「スーパーマリオブラザーズ」が
発売されてますね。私この時16歳ですが
ファミコンは意外と興味なくって
友達の家とかで少し遊んだくらいの記憶しかないのですよねぇ
私がゲームに興味を持つのは実際にはもう少し後の
プレステの時代ですねぇ
その頃になると社会人になって多少自由なお金もあって
プレステ本体とそれなりのソフトくらいなら
気軽に買えるようになったからかな。。。
私のゲーム観ってプレステ2の時代で完全に止まっているのですが
今のゲームはすごいのでしょうねぇ。。。
スマホゲームとかじゃなくて
やはり大画面(あるいはVR?)のゲーム機で
最新のゲームをやってみたいという気は少しはあるのですが。。。
それ始めるとめちゃくちゃ時間を食われてしまうからなぁ。。。(苦笑)
慢性的な寝不足になりそうだし。。。
ダメだな。。。手を出したらいけないような気がします(笑)

さてさて

本日は「キヤノンデミEE17」のカメラ修理を行っています。
キヤノンデミシリーズと言えばキヤノンのハーフカメラシリーズで
初代デミ等も相当な数が売れたものと思われます。
今回のEE17は初代の3年後、1966年に発売されたモデルです。
前年にラピッドフィルム用の「デミラピッド」が発売されており
それを35mm版に変更したのが「デミEE17」です。
受光素子は初代とは異なりセレンからCdSとなり反応速度や
暗所での性能も向上しています。
その露出計を利用したシャッタスピード優先AEを搭載し
絞りもオート時以外は任意設定もできるのでマニュアル露出も可能です。
ピント合わせが目測式なところは変わりませんが
初代のプリズムを使った特徴的な実像式ファインダーは
一般的なハーフミラーを使った
採光式フレーム付逆ガリレオファインダーとなりました。
デミシリーズの良いところの一つでもある
スムーズな巻き上げの巻上レバーはEE17も同様です。

お預かりしている「EE17」は
まずは露出計が電池を入れても全く動きません。
電池室そのものは一見キレイなのですが
電池室裏側のハンダ付けは緑青がびっしりついており
ほぼ断線している状態でした。
水銀電池の生ガスでやられてしまうのですよね。。。
たとえ液漏れしていなくてもこういうことになるので
やはり長期間しまっておく場合には電池は必ず抜いておきましょう
他、ファインダーは汚れが酷く
レンズはカビもさることながら
コーティングの傷みもかなりあるようです。
キヤノネットやFDレンズのSSCもそうですが
キヤノンのレンズはコーティングの傷みが激しいレンズが多いような気がします。
傷んだコーティングそのものはどうにもならないので
できる限りの清掃でなるべく影響のないようにしていきます。

このあと電池室の端子を磨き
配線を交換することで露出機は復活したのですが
露出計の値もオート時の絞り制御も
全く精度の出ない状態(大オーバー)で少々苦労しました。
最終的には申し分のない精度を安定して出せるようになりました。
やはり一度当たりの巻上量の少ないハーフカメラとはいえ
ちゃんと巻上レバーのあるカメラは良いですね。
それもデミシリーズはそのフィーリングがなかなか絶品です。
ちなみにEE17は初代デミと異なり
フィルムカウンターは毎回動きます。
(初代は2枚に一度、2枚分動く)
巻き戻しボタンもちゃんとロックが効き
押しながら巻き戻ししなくて大丈夫です。
そのあたりの利便性はいろいろと進歩しています。

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ニコンFMのカメラ修理

今日は「宇宙の日」だそうですよ。
宇宙って一言で言っても
あまりにも漠然としてしまいますね。
私たちから見て一番身近な宇宙は
やはり毎晩見ることのできる夜空でしょうか。。。
(都会だと明るい星すら満足に見えませんが。。。)
小学校3年生くらいの頃に理科の授業で
北極星だとか代表的な星座だとかを習って
一時期星空にすごくはまりました。
「星座ガイドブック」だとか
「全天星雲星団ガイドブック」だとかをじいさんにねだって買ってもらい
昼間のうちに読みふけってはいろいろイメージを膨らませ
夜になると
私が幼稚園の頃にばあさん曰く「まだ早すぎる!」と
夫婦げんかになりながら私のために買ったという
6cm屈折赤道儀望遠鏡を引っ張り出しては夜空を眺めていました。
しかしながら小学校3年生に当時の赤道儀の
極軸合わせは無理だったなぁ。。。(苦笑)
何度も説明書見ながらチャレンジしたのですが
なかなかうまくいかず適当に動かして
何とか目立つ天体なら(オリオン大星雲とかアンドロメダ大星雲とか)
導入できたかなぁ。。。という感じです。
でもその時に見たオリオン大星雲のトラペジウムと呼ばれる
4重星の美しさは今でもはっきりと覚えています。
まぁ望遠鏡がなくっても暗い空の下で
星座を繋いでいくだけでも非常に楽しいです。
その星座にまつわるギリシャ神話までわかってくると
さらに楽しくなります。
これからの季節は空気が澄んできて星空を見上げるには良い季節です。
私もどこか満天の星空が見えるところに行きたいですねぇ。。。
(その前に今の私は左目の視力が頭の後遺症で
安定しないのでちょと難しいかな(苦笑))

さてさて

本日は「ニコンFM」のカメラ修理を行っています。
ニコマートFT系を前身とするニコンの中級機で
電子制御シャッター機のFEとは兄弟関係となる
機械制御シャッター機です。
堅牢さに定評のあるニコンの機械制御機ということもあって
現在でも非常に人気の高いモデルです。
当店ではどちらかというとFMよりFEの修理整備依頼が多いので
FMは久しぶりですね。
あくまでもシャッターの開閉タイミングを制御する部分が
電子制御なのか機械制御なのかという違いだけで
機械的に動作する部分はFMもFEも共通部分は非常に多いです。
(意外とミラ-ボックスリンク部分の部品に互換性がなくて
過去に苦労した経験がございますが。。。)
ただ露出計周りはFMとFEでは全く考え方が異なり
FMの露出計はLED表示で「+・〇・ー」を表示するもので
FEは二指針を持つアナログな追伸式です。
絞り優先AEを搭載するFEとしてはこの形態がベストなのだとは思いますが
FMも追針式にしてくれたほうが使いやすかったかもなぁ。。。とは思います。
おまけにこのLED式露出計、それほど壊れるものではないですが
制御部分が壊れると正直なところ修理不可能です。
普通に使っていて壊れることは少ないとは思いますが
分解時にうっかりショートさせてしまったりすると簡単に壊れます。
電子制御機もそうですがこのFMの場合も
分解時に静電気等によるショートに非常に気を遣うカメラです。
冬場は特に注意ですね。

お預かりしているFMは一応一通り動作しています。
ただし長い間使われずに眠っていたようで
モルトは当然全滅でファインダー内にもカビやモルト屑が結構見られます。
(プリズムにも接眼レンズにも)
シャッター羽根の汚れのせいだと思われますが
高速シャッターの精度もあまりよろしくなく少々不安定です。
先程の話の通りで実は一番気になるのは
露出計なのですがこちらは大丈夫そうです。
若干の値のずれがあるのですが調整で問題ない状態になりそうです。

まだ上カバーを外しただけの状態で
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
電気基板は露出計関連のものが巻き戻し部にあるだけで
やはりFEに比べると非常にシンプルです。
ではFMのほうがFEより分解作業が楽かと聞かれると
いやいや。。。そんなことはありません。。。
個人的好みもあるかもしれませんが
私はFEを分解するほうが気が楽です。
FMはSS表示部に連動糸がある関係上
その辺りの処理が非常に手間なのです。。。
何にしろ慎重に素早く取り掛かり
しっかり整備して素早く組み立てます。
(あまり長い間バラバラにしていると経験上ロクなことがないので(苦笑))
言い方を変えるといったん取りかかったら
なるべく集中して一気に仮組みまでは
終わらせることが大事だと思います。
(もちろん1日で終わらない作業等は仕方ないですが。。。)

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ペンタックスMXのカメラ修理

今日は「公衆電話の日」だそうです。
1900年(明治33年)のこの日に
日本初の自動公衆電話が
東京の新橋駅と上野駅の駅構内に設置されたのだそうです。
この頃の呼び名は「公衆電話」ではなく「自動電話」だったそうで
交換手を呼び出してからお金を入れ相手に繋いでもらうものだったそうです。
全く自動ではありませんね(笑)
交換手を必要としないダイヤル式の電話になってから
「公衆電話」と呼ばれ始めたそうです。
公衆電話に限らず電話に関することは
ジェネレーションギャップの出やすい事柄ですよね。
そもそも「ダイヤルを回す」という行為が理解されないでしょうし。。。
「かけ慣れた~ダイヤル~まわし~かけ~てぇ~♪」と歌った
名曲もありましたがこれも今となっては
ピンとこない歌詞になってしまうのですねぇ
そういえば家の黒電話にはかわいい柄のカバーと敷物が付けられたものも
多かったですよねぇ。。。うちの実家もそうでした
ドアノブにカバー付けるのと同じ感覚かな。。。
でもカバー付きの黒電話、今見るとお洒落でいいですよねぇ
公衆電話も赤電話、ピンク電話、青電話、黄色電話
そして今でも見る緑電話やグレー電話と
時代によっていろいろありましたよねぇ
ちょっと懐かしいのは駄菓子屋の店先なんかによくあった
赤電話かな。。。(笑)
電話に関するエピソードはちょっと考えただけでも
いろいろ思い出すのですが、キリがないのでこの辺で。。。

さてさて

本日は「ペンタックスMX」のカメラ修理を行っています。
1976年に発売されたカメラで
「ペンタックスMシリーズ」の最初のカメラでもあります。
ただ基本的に「Mシリーズ」は翌年に出る「ME」が
メインともいえるシリーズで
その後に続く「MEスーパー」や
「MV1」、「ME-F」、「MG」は
「ME」の派生モデルともいえると思います。
「MX」は他の「Mシリーズ」とは異なり
機械式制御シャッターで横走り布幕シャッターです。
MEよりは少しばかり重いですが
機械制御でコンパクトな一眼レフというコンセプトでも
先行する「オリンパスOM-1」にかなり対抗心が見えるカメラでもあります。
機械制御シャッター機ということで
壊れても壊れても修理が効くと思われている場合がありますが
機械制御だろうと電子制御だろうと
修理不能な場合は普通にありますのでご注意ください。
MXの場合で言うとシャッタ幕交換は当店では対応しておりません。
(できないことはないでしょうがコストとのバランスを考えると
現実的ではありません。)
他、露出計はLED式ですのでLED制御部の故障の場合は
修理不可能な可能性も高いです。
ネガティブな話題が続きますが
どうも「機械制御シャッター機」というだけで
何でもできると思われていることが最近多そうな気がしたので
少し書かせていただきました。

今回、お預かりしている「MX」はそんな困難なトラブルはなく
「MX」でよくある「ミラーアップしたままになってしまう」という症状です。
同じ「Mシリーズ」でも「ME系」のカメラでミラーアップであれば
ミラー駆動部のゴムブッシュ劣化等による動作不良が原因ですが
「MX」の場合はそのほとんどがミラー駆動部に原因があるのではなく
「シャッター幕の走行不良」が原因であることが多いのです。
同じペンタックスで「SP系」でも同様の症状が良く見られます。
シャッター幕が走行完了したタイミングで
後幕軸のリンクがミラーダウンレバーを蹴り
ミラーダウンが行われるというのが一般的なパターンですが
後幕の走行がスムーズでないため
最後にミラーダウンレバーを力強く蹴ることができず
ミラーダウンが行われないということになります。
そのため後幕の走行不良が起こりやすい
低速シャッター時にこの症状が多発することも多いのです。
シャッター幕の走行不良が原因ということは
この症状が出ている状況であれば
当然シャッタースピードにもその影響は出ていて
後幕の幕速が足りないがために
高速シャッターの精度が全く出ていない場合も多いです。
今回のMXも1/1000~1/250までは明らかに
撮影結果に影響が出るほどのせい精度不良が確認できました。
後幕走行不良の根本的原因は幕軸の汚れや油切れによる
動作不良です。
フォーカルプレーンシャッターは比較的強いバネ力で
シャッターを駆動しますがそれでも積年の汚れ等で
幕軸の動きは悪くなります。
幕軸の清掃ができるところまで分解してしっかり清掃し
古い油を落とし新しい油を適量注油します。
これだけで高速シャッターの精度もバネが傷んでさえいなければ
ほぼ戻るはずです。あとはテンションの微調整で精度を追い込んでいきます。
当然、ミラーアップの症状もすっかりおさまり
シャッター音も軽快な音に変わります。

写真は整備完了後ですが
もう少し新しい油が馴染むまで様子を見たいと思います。
それから最終的な微調整を行って完成となります。

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ヤシカエレクトロ35GLのカメラ修理

今日は「カラーテレビ放送記念日」なのだそうです。
1960年(昭和35年)のこの日にNHK・日本テレビ
・ラジオ東京テレビ(現:TBS)・読売テレビ
・朝日放送の5局がカラーテレビの本放送を開始したのだそうです。
アメリカに次いで世界で2番目だったそうです。
今から60年前になるのですねぇ
でも実際にカラー放送が増えてカラーテレビが普及したのは
もう少し後の東京オリンピックの頃ですねぇ
私もかすかに覚えていますが
3歳くらいの頃までは家のテレビは白黒テレビでした。
で、その後、カラーテレビになったのですが
当時はもちろんリモコンもなくてチャンネルは
手で回すタイプ。。。懐かしいですねぇ
1-12chまでのVHFチャンネルは
メインのダイヤルをガチャガチャ回して
13-62chのUHFチャンネルはメインのチャンネルを「U」に合わせてから
別途のUHFダイヤルを回していた覚えが。。。
子供の頃に覚えたものは今も忘れないけど
UHFは「広島ホームテレビ(テレビ朝日系)」が24で
「テレビ新広島(フジテレビ系)」が26
VHFは1がNHK教育テレビで
5が「広島テレビ(日本テレビ系)」、9が「中国放送(TBS系)」
11がNHK総合だったなぁ。。。(広島県呉市の場合)
今は昔のようにチャンネル番号なんて
そんなに意識しないものねぇ。。。
東京は民放「4,5,6,7,8」か。。。意外と覚えてるな(笑)

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GL」のカメラ修理を行っています。
今月も何台かエレクトロ35の修理の予定が入っています。
本当にちょっと意外なほど多いですね。
今月最初のエレクトロは「GL]です。
それまでの初代から続く少し大柄なボディを持つ「GSN/GTN」と
同等の機能を持ったまま小型化が進められたモデルです。
発売は1973年で、受光素子がCdSから
シリコンフォトダイオードに変更になっています。
これによって低輝度時の反応速度が劇的に改善されています。
レンズはカラーヤシノンDX40mmF1.7で
使用電池はいk全のエレクトロと同じHM-4Nです。
もうこの電池はエレクトロ専用と言っても良いですね。
(エレクトロのために開発されたと言われています)
アダプターは必須で4LR44やLR44x4で6Vで駆動します。

お預かりのエレクトトロ35GLは一応電源は入るのですが
オート制御が妙に不安定です。
たまに異様にオーバーな露出になってしまうようです。
(写真が間違いなく真っ白になってしまうほどの)
さらにシャッタ羽根の動きがいまいちで
スローシャッター時に確認するとよくわかるのですが
シャッター羽根が全開に開き切らないようです。
基本はレンズシャッター機なので
シャッター羽根や絞り羽根の清掃はもちろん
このタイプの電子制御機はとにかく接点がキレイで
きちんと通電してるかどうかが生命線なので
各接点の清掃を徹底的に行います。

基本的に電子部品関連は比較的丈夫でトラブルは少ないほうだと思います。
今回も接点の接触不良や機械的問題はありますが
電子部品的には全く問題ない状態です。
意外と内部モルトがあちこちに使ってあり
それが粉状になってあちこちに入り込んで悪さをするので
細かいところまでしっかり分解して清掃を行います。
基本的にオートの調整用のボリューム等はない構造ですが
しっかり接点で導通が取れていれば
それほど大きなオートのズレは出にくい構造だと思います。
逆にオートがどうにも合わない場合は
まだどこかに問題があるということです。
この後、仮組してオートの測定を行いましたが
まず問題ない精度が出ていました。
初期のモデルほどではないですが
このGLのシルバーもヤシカらしいちょっとギラついたシルバーです。
個人的な好みですがエレクトロはシルバーが良いような気がします。

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キヤノンF-1のカメラ修理

今日は9月9日ということで
「重陽の節句(菊の節句」ですね。
奇数は陽の数であり陽数の極である9が重なることから
「重陽(ちょうよう)の節句」と呼ばれ
旧暦では菊が咲く季節であることから「菊の節句」とも呼ばれます。
邪気を払い長寿を願って菊の花を飾ったり
菊の花びらを浮かべた「菊酒」を酌み交わして祝ったりするそうです
お酒は常にあるから菊の花買ってきて花びらを浮かべなければ。。。
重陽の節句はいわゆる「五節句」のひとつなのですが
少々他の節句に比べると地味ですよねぇ
実際の菊の季節が旧暦でもう少し後なのもちょっと残念かな。。。
そういえば子供の頃、10月になると毎年のように
「菊祭り」みたいなのに連れていかれて
菊人形が子供心にちょっと怖かったことをかすかに覚えてるなぁ
たしか5歳くらいの頃だから場所も何も覚えてないけど。。。
あ、昔のアルバム見たらきっとあるような気がします。
こういう忘れかけの記憶を引っ張り出すアイテムとしても
写真は大事ですよねぇ。。。
やはり記録写真こそが最強ですね。。。(笑)

さてさて

本日は「キヤノンF-1」のカメラ修理を行っています。
実は作業自体はあらかた終わっているので
今日はいきなり写真から。。。

今回お預かりしているF-1が元々美品なこともありますが
やはりいつ見てもF-1はカッコ良いですねぇ
またSSC(スーパースペクトラコーティング)の
赤文字FDレンズが似合いますよねぇ
やはり低く構えたペンタ部がポイントなのでしょうね。
ライバルのニコンF2とは正反対のスタイリングですが
どちらも70年代を代表するカメラですね。

お預かりのF-1はやはり長らく整備されていなかった個体と思われ
シャッタ幕軸の油切れのため、何度かシャッターを切っていると
たまに高周波のノイズの混じった嫌なシャッター音がしていました。
高速シャッターの精度も不安定だったのですが
それは油切れというより調速カム周りの偏芯軸のネジが
緩んでしまっていることが原因だったようです。
さらんび低速シャッタ時にはシャッターがたまに開いたままになることが
あったのですがこれも単純にスローガバナの固着とかではなく
シャッタダイヤル裏で使われているチューブが外れ
これがスローガバナまで転がっていき引っかかっていたことが原因でした。
さすがにこういうのは分解してみないと予想はできないですね。
普通に動作するときにはガバナには何の問題もなさそうだったので
ガバナ自体の問題ではないかも。。。とは思っていましたが。。。

もちろん整備後は高速側低速側も申し分ない精度が出ています。
シャッター動作音や巻上感触もお預かり時に比べると
段違いに良くなったと思います。
もともと美品だった外観に中身も追いついて
非常に良い状態のF-1になったと思います。

もう少し様子見をしてから
最終チェックを行い問題なければ完成となります。
ご依頼者様は何度も当店をご利用いただいているお得意様ですが
今回のF-1でも早く撮影を楽しんでいただきたいと思います。

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