日別アーカイブ: 2020年9月18日

ペンタックスSLのカメラ修理

今日は「しまくとぅばの日」なのだそうです。
最初にこれ見て「どういう意味?」と思って調べたら
「しまくとぅば→島ことば」で
沖縄地方で伝えられてきた言葉(琉球方言)という意味なのですね。
今は現地に行ってもそんなに意味が分からないほどの
方言にあうことはないとは思いますが
現地の高齢者の方とかが話しているのを聞くと
きっとわからないのでしょうねぇ。。。
文脈がわからないほどのハードな方言ではないとはしても
まだまだ地方には独特の方言が残っていたりしますものね
私も地方出身だから自覚があるのですが
それも当の本人は「方言だと思っていない」という言葉もたくさんあります(笑)
私も関東に移り住んで十数年は経つので
さすがに今はイントネーションはともかく
もろに言葉そのものに方言が出ることはあまりありません
でも最近、歳のせいと例のワレンベルグ症候群の影響で
「あ~背中がにがる」とか「右足がにがる」とか
よく独り言で言っています(笑)
「にがる」。。。これ広島地方の方言だそうです。
だる痛いというかじわっとくる鈍痛みたいなときに
よく使う言葉で「にがる」に変わる言葉がみつかりません(笑)
じいさんばあさんと暮らしていたので
他にも方言。。。というか広島弁(呉弁?)には
いろいろ思い入れがあるのですが
それをここで書くときりがないので
また何かの機会に少しずつ小出ししていきます(笑)

さてさて

本日は「ペンタックスSL」のカメラ修理を行っています。
大ヒットした「ペンタックスSP」から露出計を省略したモデルです。
SPのデビューは1964年ですが
SLは4年後の1968年の発売開始です。
この時代にはまだまだそれまでの実績のない「内蔵露出計」を
嫌うユーザー層も結構存在している上に
露出計を内蔵することによって故障の要因が増えることを
懸念するユーザ層も存在しました。
今となっては露出計が内蔵されているのは当たり前ですが
その気持ちもわからないではないですよねぇ
ちょっと話が逸れますが
以前、当時流行っていた「テレビデオ」(ビデオデッキ内蔵型のテレビ)を
買ったことがあったのですが
案の定、ビデオ部分が壊れ、
修理に出すとテレビも見られなくなるし。。ということで
結局、テレビ部分のみ使ってビデオは新たに外部のデッキを
買い足した。。。なんてことがありました。
同じように考える方もいらっしゃったでしょうね。
それから、壊れる・壊れないはともかくとしても
私は一時期、露出計は単体スポットメータのみを使っていた時期が合って
その頃はカメラ内蔵の露出計は一切使っていませんでした。
カメラごとに測光に癖があることと
平均測光や中央部重点測光では輝度差の大きな1枚の時に
露出設定が困難であるということが理由でした。
それでもネガなら大雑把に撮ってしまえばよいのですが
ポジだとそんな簡単にはいきません。
結局、一番大事な部分に露出を合わせつつも
輝度の高いところや低いところも
「ある程度」考慮に入れる。。。みたいなことを
やろうとすると単体のスポットメータが便利なのです
あ、基本的に自然光の風景写真の話で
ポートレートやフラッシュ使用時にはまた全く変わってきますね。。。
話が逸れましたがそういう意味でも露出計レスのカメラというのは
特にこの時代は存在意義があったと思います。
今となってはトラブルの元になりやすい露出計がないことは
より安心して長く使える。。。という考え方もあると思います。

露出計がないということは
巻上が普通にできてファインダーが見え
シャッターの精度が確保できていれば
写真はしっかり写るということですが
お預かりしている「SL」は
この時代のSP系にありがちな状態で
全体的に汚れや油切れで動きが悪く
シャッターも高速域での精度が全く出ていない状態です。
それでも1/125あたりを使っていれば
何とか写真は撮れるかもしれませんが
シャッター音や巻上の操作感も含めて
とても本来の姿とは言えない状態です。
ファインダーの中や装着されている55mmF1.8レンズにも
大量のカビが発生しています。
おそらく長年仕舞い込まれたままの個体と思われます。
ただ、逆に考えると
経年劣化で動きが悪く、汚れ・カビが酷いものの
致命的にどこかが破損しているわけでありません。
分解清掃をきっちり行うことで
見違えるように復活できるパターンということもできると思います。

ということで、見違えるほど復活できました。
巻上は本来の非常に軽やかな感触になり
シャッター音も小気味よい耳障りの良い音に戻りました。
レンズ・ファインダーは非常にクリアになり
ピント合わせも非常に気持ちよくできる状態になっていると思います。
シャッタースピードの精度は
もちろん1/1000から1秒まで問題のないレベルに調整されています。
この状態であればこれから当分の間
安心して使っていただける状態だと言えると思います。
SLはSPと異なりボディ前面にモデル名の刻印がないのですが
そういう部分も含めたシンプルさが魅力のカメラだと思います。

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