日別アーカイブ: 2022年3月14日

ニコンFGのカメラ修理

今日は「ホワイトデー」なのはまぁおいといて(笑
3.14ということで「円周率の日」です。
関連して「数学の日」でもあり
「パイの日」だそうですよ。
さらに今日の1時59分、15時9分に祝うらしいです。
円周率の上6桁が3.14159だからですね。
「円の面積=半径×半径×円周率」や「円周の長さ=直径×円周率」ですねぇ
最初に習ったのは小学校でしたっけ???
で、中学生になると円周率は「π」に置き換わるのでしたっけ???
もう使わないから忘れちゃったな…(苦笑)
円周率はいわゆる無理数で数字では割り切れない数ですね。
他にも√2や√3とかがそうですね
ややこしいですがさらにその小数展開は循環せず
無理数であるのみならず超越数でもある…と、
このあたりからよくわかりません(苦笑)
数学ってわかる範囲だとなかなか面白いのですけど
ある段階から異様にややこしくなるのですよねぇ
あまり授業以外で勉強するタイプではなかったから
高校生くらいで一気についていけなくなったなぁ(笑

さてさて

本日は「ニコンFG」のカメラ修理を行っています。
1982発売のマルチモード自動露出搭載カメラです。
絞り優先オート専用機であるエントリー機「EM」をベースに
マニュアル露出、プログラムオートを追加したモデルです。
噂の域を出ませんが
海外では絶好調な売れ行きだった「EM」が
日本国内では「プロ仕様機」のイメージが強い
ニコンのブランドイメージにそぐわず意外と苦戦したため
急遽開発したフルスペック機とも言われています。
実際、機能的にはかなり凝っていて
プログラムオートは絞りを手動で変えると
プログラムシフトが行われシャッター速度優先オート的にも使用できます。
この露出機構のため、自動絞り連動レバーの動きを
絞り段数にほぼ比例するよう改善したAi-Sレンズが登場しました。
でもニコンらしいのは従来のAiレンズでも自動露出を可能とするため
ミラーアップ直前に絞り込み測光を行う瞬間絞り込み測光も搭載されています
このあたりの機構搭載も関連して
FGのシャッター音(正確に言うとミラー駆動音)は
ちょっと独特な感じなのですね
機能的には上位機種でもある「FE」を超えている部分もありますが
あくまでも「FG」はエントリーモデル「EM」の
派生機種のポジションであり
FEに搭載される多重露光機能やマニュアル時のファインダー情報
ファインダー内での絞り値の表示等は搭載されず
シンクロスピードも1/90です。
でもEMに通じる軽快さと取り回しの良さを持ち
それでいて撮影の幅はかなり拡げられるカメラと言えると思います。

ただし。これだけの電子制御を搭載されると
修理・整備する立場としては非常に微妙なカメラです。
正直なところ過去に預かっては見たものの
修理不能でそのまま返品…となることも多いカメラです。

今回は電源が全く入らなくなったということで
お預かりしていますが
電源の問題はSW部接点不良か
電池室裏のハンダ付け劣化や配線腐食かと思われます。
しかしながら電源が入って動作が復活したところで
SSやオートの制御関連にトラブルを抱えていると
かなりの高確率で修理不能となります。

画像は上カバーを開けただけの段階のものですが
いかにも80年代のカメラといった感じで
フレキと電子回路でびっしり覆われています。
この後で実際に分解を進めていくわけですが
電源が入らない直接の原因は電池室裏のハンダの劣化でした。
で、まずは電源が入るようになったものの
今度はLED表示が安定しません
これはフィルムカウンター部のSW(1枚目を感知するもの)の
接点接触不良でした。
このFGもかなり長い間使われずに仕舞い込まれていたものだと思われ
各部の接点や摺動抵抗には汚れで接触不良が
あちこちで起きている状況でした。
さらに機械的にもシャッター羽根基部に汚れがあり
シャッタスピードも不安定でした。
とはいえ、いろいろ細かいトラブルは抱えていたものの
致命的な電子回路トラブルはない模様です。
とりあえずはホッとしました…何とか修理できそうです。
接点や機械的部分を整備の上で
電気的調整もかなり必要なようです。
まずは露出計が2段近くオーバーに表示されていて
それに伴ってオートもかなりオーバー傾向です。

この類の電子制御機は作業中の静電気に気を使います。
うっかり帯電した手で電子回路を触ろうものなら
一発で回路が壊れることもあります。
特にまだこの季節は帯電しやすいため
細心の注意が必要です。

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