日別アーカイブ: 2022年4月29日

ミノルタニューSR-7のカメラ修理

今日は「昭和の日」で祝日ですね。
元々は昭和天皇の「天皇誕生日」の日で
昭和天皇崩御の後は昭和天皇が生物学者であり
自然を愛したことから
「自然にしたしむとともにその恩恵に感謝し
豊かな心をはぐくむ」日として「みどりの日」となりました。
さらにその後、多くの国民の要望を受けて
「昭和の日」に改称することとなり
2007(平成19)年の「国民の祝日に関する法律」(祝日法)の
一部改正により4月29日は「昭和の日」に改称され
「みどりの日」は5月4日となりました。
このあたりはもう「GW」でひとくくりにされてしまいがちですが
それぞれの祝日の成り立ちは理解しておきたいですね。
ところでもともと「みどりの日」ということもあり
い草の緑色から、今日は「畳の日」でもあるそうです。
実家がなくなってから本当に畳の部屋に縁遠くなってしまいました。
最近はフローリングに敷ける畳があるらしいから
自宅に敷いてみようかな…
この季節の天気の良い日に窓を開けて畳にごろんと転がるのは
本当に気持ちいいですよねぇ…
昔は当たり前の日常だったのですが…(苦笑)

さてさて

本日は「ミノルタニューSR-7」のカメラ修理を行っています。
1965年発売のカメラです。
前身となる「SR-7」の登場から3年後に発売されたカメラですが
機能的にはSR-7そのままで感度2段階切替の外光式のCdS露出計を装備し
布幕横走り機械制御シャッターで1/1000~1S・Bのシャッターを搭載します。
ただし中身的にはもはやフルモデルチェンジで
骨格ともいえるダイキャストから変更され
縦横幅数mmずつですが小型化が図られています。
このダイキャストは次のモデルでもあるSR-T101でも使われることになり
その後の機械制御シャッター機SRシリーズのダイキャストとして
非常に長く使われることになります。
シャッタ音や巻上フィーリングも明らかに向上しており
使い心地に重きを置くよりミノルタらしいカメラになりました。
細かいことを言えば露出計の感度切替ボタンは背面から
マウント脇に移動され、バッテリーチェックも追加されました
そのため底カバー部の形状やSWもSR-T101とほぼ同様になっています。

お預かりしている「ニューSR-7」は
巻上はロックされておりレリーズも押すことができず
うんともすんとも動かない状態です。
シャッター幕の位置から判断してシャッターチャージはされているようです。
この状態でよくあるのは何らかの原因で
ミラーチャージが完了しておらず
レリーズボタンを押しても何も動けないというパターンが多いのですが
今回はレリーズ自体もロックされて押し込めないので
それとも異なるような感じです。
露出計も不動ですがこれは電池室にかなり緑青が吹きだしているので
接触不良及び配線断線かと思われます。
で、電池室からの配線を見るためにまずは底カバーを外したのですが…
予想以上に電池室からの腐食が広がっていて
巻上部からレリーズ機構の下部も緑青がびっしり付いています。
レリーズロックの原因もこれですね…
応急処置的にレリーズ下部の緑青を落としてみたところ
レリーズは押せるようになったのですが
それでもシャッターは作動しません。
巻上部やシャッターロック機構、ミラー駆動部にも
緑青が広がっておりどこもかしこも動けない状態のようです。
これはもう徹底的に分解して洗浄して磨いていくしかなさそうです。
なかなか手のかかる作業になりそうです。


ここまでは底カバー部分から一部を覗いてみていただけなので
これからまずは全貌が確認できるところまで
本格的に分解を進めていきます。
基本的には機械制御のシャッターで
露出計もシンプルな外光式なので
SSダイヤル連動部にだけ気を付けながら分解を進めていきます。
上の画像でも少し確認できますが
プリズム抑えに挟まれているのはモルトではなくコルクです。
同様にプリズム前部にもコルクが挟まれていますが
モルトとは異なり加水分解を起こしません。
すなわちプリズム腐食が起こりにくいわけですね。
Xシリーズも同じように処置していてくれれば…(苦笑)

まずは駆動部分はスムーズに動けるように
整備を行っていきます。その上で各部の調整を行います。

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