日別アーカイブ: 2022年4月14日

ペンタックスKXのカメラ修理

今日は「椅子の日」だそうですよ。
「よい(4)いす(14)」(良い椅子)と読む語呂合わせからだそうです。
私はお店の作業机に1日軽く12時間以上は座っているので
椅子とその椅子に敷く座布団やクッションは
めちゃくちゃ大事です。
違和感あるまま座っていると確実に身体のどこかに不調が出ます。
今の椅子も使い始めて2年ほど経ちますが
最初はちょっと違和感あって
長時間座っているとお尻が痛くなってきていたのですが
敷物にジェルクッション使い始めてからなかなか快適です。
でも背中のあたりに微妙に違和感があるのですよねぇ
気分転換も兼ねてそろそろ次の椅子も検討しようかな…
家具の椅子も車やバイクのシートもそうですが
椅子やシートってコストがかかっているかどうかが
割とわかりやすく出る部分ですよねぇ
短時間しか座らないものであれば
少々なんだって構わないような気もしますが
長時間身をゆだねるものであれば
少しの違和感も妥協しない方が良いと思います。
腰や背中やお尻、場合によっては全身に影響出ますものね
そういえば座ったり寝たり服着た時とかに
妙に違和感が合ったり体に合わなくて不快な状態を
私の育った広島・呉では「いたしい」という言葉で表現します。
標準語に直訳すると「難しい」とかに置き換えられますが
「難しい」とは微妙に違うのですよねぇ…なんといったらよいやら…
椅子に座ったりして何となく違和感がある状態って言うのは
まさに「いたしい」なのですよねぇ
そういえば幼いときに寝かされたり服着せられたり
おんぶされたときとかに、じいさんもばあさんも
必ず「いたしゅうないか?」って口癖のように聞いてきたなぁ…

さてさて

本日は「ペンタックスKX」のカメラ修理を行っています。
「Kシリーズ」はレンズマウントをそれまでのねじ込みM42マウントから
独自バヨネットマウントのKマウントに変更した最初のシリーズです。
1975年6月に「K2」、「KX」、「KM」の3機種でスタートしましたが
翌年の冬には一気に小型軽量化を進めた「Mシリーズ」に
バトンタッチすることとなりシリーズとしても
非常に短命に終わりました。
しかしながらそれまでのM42機で培った技術を
さらに熟成させて展開しているKシリーズはボディサイズに余裕があることもあり
非常によくできたカメラだと思います。
ただトップグレードの「K2」は70年代半ばの
古い電子制御機ということもあり
前身となるESやES2もそうですが何かトラブルが起こると
修理が困難な場合がほとんどです。
中核を担うのが今回の「KX」で機械構造的には
M42マウントの大ヒット作であるSP系の造りを継承しており
実績と信頼のある構造と言えると思います。
その基本構造に加えて受光体はSPDを搭載し、
ファインダー内表示も2針式の直感的にわかりやすいものを採用し
ペンタプリズムもそれまでのアルミ蒸着ではなく
銀蒸着となっています。
絞り値もレンズ刻印を直読できる構造で
メータードマニュアル機として使いやすいファインダーとなっています。

お預かりしている「KX」は一応一通り動作してはいるのですが
まずファインダー内のSS設定指針(緑色の指針)が
シャッタースピードを変更しても追従してくれません。
指針動作部の固着と思われます。
露出計指針もたまにうんともすんとも動かなくなることがあり
何かの拍子でまた動き出すような状態です。
どこかで接触不良が起きていると思われます。
高速シャッターの精度も出ていない上に不安定です。
やはり全体的に整備清掃調整が必要な状態であると思います。

SPと同様にプリズム周りに遮光材を巻く悪しき習慣は
まだ引き継がれています(苦笑)
今回はプリズム腐食はまだありませんが
巻かれている遮光材は慎重にいったん取り除いて
接着面がプリズム側にならないように
腐食しにくい素材に交換します。
KシリーズもSP系やMシリーズ同様に内部モルトが多く
またその多くが劣化して腐食や緑青を引き起こしています。
もちろん今回の分解で全て交換していきます。
指針の動作不良は結構しつこい固着になっていて
元の動きを取り戻すのに少々苦労しましたが
問題なく修理でできそうです。
機械的部分、露出計を中心とする電気的な部分それぞれに
一通りの整備を行っていきます。

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