月別アーカイブ: 2022年12月

キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「ビフィズス菌の日」だそうですよ。
腸内環境を整えるのに欠かせない善玉菌ですねぇ
摂取するために真っ先に思い浮かぶのは
やはりヨーグルトですよね。
ヨーグルトって無糖であれば本当に
悪いとこがひとつもない食物ですね。
できるだけ毎日ヨーグルト食べるように心がけていたのだけど
最近、頻度が少し下がっていて
いつのまにか数日に1回になってしまっています(苦笑)
これを機会にまた改めなければ!
そういえば子供の頃には
毎日ヤクルトが家に届けられていて
ビフィズス菌といえば「ヤクルトミルミル」でしたねぇ
本家のヤクルトほどベッタリした甘さじゃなくって
飲みやすくて好きだったなぁ…
今でも売ってますよね?今度買ってみよう!
おそらく30年以上は飲んでない気が…

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
絞り込み測光機だった「FT」の後継機で
開放測光に対応したモデルです。
開放測光対応のFDマウントレンズも同時期に発売されました。
同じ時期にフラッグシップの「F-1」が開発され
F-1の技術がフィードバックされている部分もあるようです。
…「F-1」も内部機構を見ていると「FT」系を基本に
より堅牢に安定性高く動作するように突き詰めたカメラでもあるので
もともと共通項は多いような気もします。
ウィークポイントでもある幕ブレーキの構造は
F-1もFTもFTbもほぼ同様です。
FT以来キヤノン一眼レフの特徴ともなっている
コンデンサレンズハーフミラー組込みの
CdS測光による中央部部分測光もFTbでも同様です。
やはり個人的には中央部重点測光より使いやすいと思いますし
キヤノンらしい凝った造りになっています。
プロ向けといえるF-1とは異なり
FTbにはこれもこの時代のキヤノンお得意のQL(クイックローディング)も
搭載されフィルム装填が非常に簡単確実です。
基本的な機能や使い心地も評価の高いカメラで
機械制御機としてはキヤノンを代表する中級機かと思います。

お預かりしている「FTb」は
マイナーチェンジ後の「FTb-N」とも呼ばれるモデルです。
従来のモデルと比べて最も大きな違いは
ファインダー内にSS設定の表示がされるようになったことです。
やはりファインダー内でSS確認できるのは便利です。
他にもデザイン的に巻上レバー、レリーズボタン
セルフタイマーレバーが変更されています。
外観上で一番わかりやすい違いはセルフタイマレバーでしょうね。
ファインダー内SS表示はSSダイヤルと糸連動して
ファインダー枠に設置されたSS表示回転盤を回す仕組みですが
これがあるせいで整備性は少々ややこしいことになってきます。
単純にファインダー枠が外せなくなったので
従来のFTbのつもりで分解しようとすると
この連動糸の処理に四苦八苦することになります(苦笑)
それ以外は内部構造的にも大きな違いはありません。
幕ブレーキ動作が悪かったり幕軸の油切れだったりで
シャッターの調子が悪い個体が多いのも特徴ではありますが
今回の個体も明らかにシャッター動作音に異音が混じっており
非常にシャッタスピードの精度が悪く
特に後幕の動きが不安定です。
シャッターバウンドまではしていないものの
これでは正確に露出を測っても全く意味がなくなってしまうほどです。
さらに露出計・BCはSW部の接触不良で
こちらもかなり不安定で指針が踊っている状態です。
そして定番のプリズム腐食が発生しています。

「FTb」のプリズム腐食の原因は
大抵の場合、プリズム抑えの裏に貼ってあるモルトの加水分解です。
プリズムにカバーはかけてあるのですが
隙間があってそこから腐食が進んでしまいます。
今回もプリズムカバーにモルトが貼り付いた状態になってしまっています。
簡単に取れるのですが付着してるモルトはボロボロです。
FTbのファインダー内で中心から少しずれた位置左右に
2本の縦線が出ている場合はこのモルトを起因とする腐食です。
今回もそうですが致し方ないので交換で対応します。

これから分解を進めまずがは機械的部分の動作不良を改善していきます。
それから露出計周りの電気関係の整備と
ファインダー清掃を行っていきます。

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ニコンFのカメラ修理

今日は12月1日ということもあって
たくさんの記念日が制定されています。
何と言っても「映画の日」ですよね
今は映画の通常料金は1,900円ですが
今日は多くの映画館で1,000円です!
先日、ひさしぶりに新宿のミニシアターで
観たかったドキュメンタリー映画を鑑賞したのですが
やはり映画館で観る映画はいいですよねぇ
私が行くのは平日の昼間なので
それほど混むこともないですし
じっくり集中して鑑賞できます!
都内には小さなミニシアターがいくつもあるので
大手配給の映画ではなくて
また何かあまり知られていないようなものの中から
何か見にいってみようと思います。
他にも「一万円発行の日」「カイロの日」「いのちの日」
「手帳の日」「鉄の記念日」等々たくさんの記念日がありますが
そんな中に「着信メロディの日」なんてのもありますね。
今や携帯に電話がかかってくることなんて
滅多にないのですが
私の携帯の着信はもう長らくドリフの「盆回り」ですねぇ(笑
何せかかってこないのでめったに聞くことはないのですが…(苦笑)

さてさて

本日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
ニコン初の一眼レフカメラであり
伝統のFマウント初採用のカメラであり
今や伝説のカメラでもありますね。
一眼レフカメラ及びいわゆるシステムカメラを
世に知らしめたカメラであると思います。
約100%のファインダー視野率、
ファインダー交換機能、ミラーアップ機構搭載、
自動絞りなど非常に機能的なカメラで
また豊富な交換レンズ群、アタッチメントやアクセサリーなど周辺機器を
システム体系として供給し、それらから選択し活用することで
いろいろな撮影場面に対応することができたカメラです。
これらはその後の世流れでは当たり前になっても行くのですが
やはり最初に大きく1歩を踏み出したのは
ニコンFだと思います。
さらにその優れた堅牢性も当時としてはずば抜けていて
報道分野等のプロユースでも非常に多く活躍しました。
ニコンの…というより日本製カメラを大きく世界に広げたという意味でも
記念碑的なカメラだと思います。
先述したように基本構造が非常に丈夫なカメラで
よほど無茶なことをしない限り
シャッターや巻上に致命的な故障を抱えていることは
少ないと思われます。
ただこのカメラの性格上
非常にハードな使い方をされている個体も少なからず見かけることがあり
そういう個体だとシャッター周りや巻上等に
大きなトラブルを持っているものもあります。
あまりにも外観の傷みの多いモノは気をつけた方が良いかと思います。

お預かりしている「F」はアイレベルファインダーを装着しています。
機械的な構造は非常に堅牢にできていますが
さすがにファインダープリズムは腐食しているものが多いです。
今回のアイレベルファインダーは内部モルトも当時のままで
かなり劣化してボロボロな割にはプリズムへの影響は少なく
それほど大きな目立つ腐食はない状態です。
よくこれでこのくらいですんでいるな…と感心するレベルです。
フィルム室にはモルトを使用していないのに
プリズム接眼レンズ周りにはモルトを使っているのですよねぇ…(苦笑)

シャッターは動作していますがさすがに高速シャッターでの
精度は今一つといったところです。
そして「F」では比較的定番ですが
スローガバナが固着してしまっており
1/8以上のスローシャッターではシャッターが開いたままになってしまいます。
さすがにここは寄る年波は勝てないですね。
でもしっかり整備を行えば問題なく動作する状態かと思われます。

全体的に油切れの兆候も見えますので
キチンと一通り整備を行っていきます。
毎度「F」の整備時には書いてしまいますが
各部の部品の強靭さとその精度の高さには
いつも感嘆させられます。
ちゃんと整備してスムーズに各部の部品が動く状態にし
ゆっくりラチェットの音を味わいながら
巻き上げているとその精密感に心奪われます。
もおうこの素晴らしいカメラの台数が増えることはありえませんが
世の中に存在する「F」ができる限り長く
撮影に使われ続けることを
祈ってしまいたくなるようなカメラです。

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