日別アーカイブ: 2022年12月14日

オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「南極の日」だそうですよ。
1911(明治44)年のこの日に
ノルウェーの探検家ロアール・アムンセンと
4人の隊員が世界で初めて南極点に到達したことに由来しています。
もはや寒いのが近年すっかり苦手になってしまって
北極南極なんて考えただけでも凍り付きそうです(笑
身体冷えると血圧上がりますからねぇ…こわいこわい…
南極大陸って世界地図でも当然端っこで馴染みがないのですが
相当大きくてオーストラリアの約2倍
日本の37倍もの面積があります。
氷で覆われていますが平均海抜も最も高い大陸で
最も標高の高いのはビンソンマシフ山で
標高4,892mだそうです。
ただし平均海抜が高いのは
3000mを超える氷河におおわれているせいだそうです
…それでなくても寒いのに標高4800m超えって
どんな世界か想像もつきません…
ちなみに記録に残っている世界で一番の寒さ(世界最低気温)は
1983年7月21日に南極のボストーク基地で観測された-89.2℃です。
ポストーク基地の標高は標高3,488mだそうです。
でも沿岸部に位置している昭和基地(標高28.8m)だと
夏には雪が融け、年間平均気温-7.6℃だそうです。
でも最低気温は -45.3℃なので寒いことには間違いないですね
何だか寒い話ばかりしていると
足元がより冷え込んできたような気が…(笑

さてさて

今日は(も?)「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
今回のOM-1はフィルム室にスタッドが4本立っていて
それに伴ってフィルム圧板の左右の長さも短い
初期モデルです。
ネーミングこそ「OM-1」ですが中身は最初期の「M-1」とあまり変わりません。
ただ今回の個体は過去に修復歴や整備歴があるようで
カバー部が破損しやすい巻上レバーは中期以降の「OM-1」のものに
変更されていて内部の露出計回路も一部改良されているようです。
プリズムも交換されているものと思われます。
プリズム接眼部の悪しきモルト貼りも対策が行われています。
とはいっても整備が行われたのは随分昔の話だと思われます。
シャッターは動作していますが少々動きが悪く
精度の面でもそのままでは問題がある状態です。
ご依頼者様からご指摘をいただいているのは露出計に関してで
露出計の指針は精度はともかく一応動作していて
SSダイヤルを動かすとそれに伴って露出計の指針も動きますが
レンズ側の絞りを回しても全く指針が連動しないようです。
レンズ側絞り設定レバーと連動するマウント部の絞り連動部を
早速チェックしますが絞り開放の位置に押し込まれたまま
レンズを外しても全く連動爪が戻ってこない状態です。
構造としては開放側に絞りを回すとレンズ側の連動レバーに押されて
ボディ側連動爪が押し込まれていき
レンズ側が最少絞り側に回されるとバネの力でボディ側連動爪が
戻っていくような造りなのですが
バネが効いていないのか押し込まれたままで戻ってこず
指で戻すと戻ってくる状態です。
ただ、指で戻しても露出計指針は連動しないようです。
…ということは、バネで引っ張られる連動糸が
内部で絡まっている可能性が高いような気がします。

連動糸はマウント側からの分解でもSSダイヤル側は
一部確認はできますが絞り連動側は
ミラーボックスをまずは外さないと様子がうかがえません。
で、まずはここまで分解するのですが
やはり連動糸がプーリーから外れて絡まってしまっています。
まずは切れてなくて一安心です…
絡まったままになっているせいで戻す方のバネが
これでもかといわんばかりに引っ張られて辛そうだったので
まずは絡まっている糸を早急に外し
再度プーリーに通して微調整を行います。
部品破損等はなく何とか修復できそうです。
プーリーやガイドに汚れが付着してるのが原因と思われますので
該当部分も含めて入念に清掃を行います。
少々動きが悪い幕軸や幕上げ機構、底部三連ギアも念入りに
清掃を行っていき、その上で調整を行っていきます。
最後にファインダー清掃や電気的な露出計調整も行います。
今回も問題ない状態に仕上げることができそうです。
OM-1はなかなかデリケートな部分が多いので
常に気を抜かずに作業を行っていきます。

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