ニコンFのカメラ修理

今日は「虹の日」だそうですよ。
虹の写真って過去、何度か撮ったことがありますが
なかなか満足のいく写真になったことがないです。。。
まず虹に出会うのは偶然のことが多いので
そのとき撮影に適したカメラを持ってないことがほとんど。。。
機材を持っていたとしても
撮影に適した場所に自分がそのときいる確率がまた低くて
もたもたしていると意外と虹はすぐ消えてしまうのですよねぇ。。。
でも、そのうちまた虹の写真には挑戦したいですね!

さてさて

本日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
ニコンがその後、業界トップをひた走る大メーカーになったのも
この「F」があればこそ。。。だったと思います。
当時の超高級カメラであり、唯一のプロ向け一眼レフであり
数々の伝説と共に今でも人気のカメラですね。

確かに分解するたびに思いますが
ひとつひとつの部品が非常に頑丈に
(ある意味、オーバークオリティに)できていて
また組み付け精度も他メーカー同時期の一眼レフとは
比べ物にならないほどキチンとできています。
当時から頑強で少々のことでは壊れない。。。と言われていますが
発売から60年近く経過した現在でも
普通に保管されてさえいれば
まず動かない。。。なんてことはないカメラだと思います。

それでも油キレや汚れなどにより
精度は狂ってきますから定期的なメンテナンスは必要です。
今回、お預かりしている「F」は
ご依頼者様が最近、手に入れたものとのことです。
先ほど、「動かないなんてことはない。。。」と書きましたが
今回はめずらしく普通に動きません。
シャッターを押すとまずはミラーがアップしてから
シャッター幕が動作するのですが、
ミラーが。。。ゆっくりと1/3ほどあがったところで。。。
止まってしまいます。
指で押してやると上まで上がってシャッターが何とか切れます。
単なる油切れではここまで動きが悪くなることはないのですが。。。

分解してミラーボックスを外してみると。。。
ミラーを駆動する軸やその周りにたくさんのサビが発生していました。
さすがにこれではスムーズに動けません。
サビが発生している部分はキレイに磨き
薄い皮膜ができるように新しい油を塗っていきます。
この処置以降は気持ち良く動作するようになりました。
ミラーボックス周りがこれだけ錆びているということは
他の部分もあまり良い状態でないことは容易に想像できます。
わかりやすいところではスローガバナが全く動かない状態でした。
他の各動作部も点検清掃注油を行います。

写真は整備後に撮ったものです。
非常に気持ちよく軽快にシャッターが切れるようになりました。
今回は数少ない弱点でもあるプリズム腐食もなく
とても快適に使える1台に仕上がりました。

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