キヤノネットQL19のカメラ修理

明日は「文化の日」ですが
(当店も祝日のためお休みです)
11月3日といえば子供の頃、近所の神社で
秋祭りが行われる日だったのですね。
で、その前の日の夜は前夜祭みたいな感じで
「よごろ」と呼ばれるお祭りが行われます。
翌日の本番同様露店も出ます。
夜のお祭りということもあり
子供心に非常に楽しみにしていました。
「よごろ」って呼ぶのは広島あるいは呉だけかなぁ。。。

さてさて

本日は「キヤノネットQL19」のカメラ修理を行っています。
1965年に発売されたモデルです。
社会現象にまでなった初代キヤノネットをベースとし
巻上げレバーは底面から一般的な上カバー部へ
受光部はセレン光電池からCDSへ変更されました。
それから忘れてはいけないキヤノンお得意の
「クイックローディング」が搭載されました。
モデル名のQLはその頭文字です。

キヤノネットQL19(17)はその生産時期によって
使用電池が異なります。
どちらにしても1.3Vの水銀電池ですが
まず電池室のフタがバヨネット式のものは
他のカメラでもおなじみのMR9を使用するモデルです。
そして電池室フタがねじ込み式のものは
MR50を使用します。
今回お預かりしているQL19はこちらです。
現在のボタン電池1.5Vで対応できるように
調整いたしますが電池装着には一工夫必要です。

針挟みこみ式のSS優先オートを搭載しますが
これは電池を入れてある程度、露出計の針が振れないと
もちろんシャッターは切れません。
しかしながら今回はマニュアルでも全くシャッターが切れません。
定番のシャッター羽根の粘りも当然ありますが
それよりもシャッターロック機構の動作不良で
レリーズができない状態でした。

写真は整備後です。
露出計も不動でしたがもちろん動くようになりました。
コンパクトカメラと呼ぶにはちょっと大柄ですが
そのぶん余裕を持って作られていると思います。
一般的にはこの後に出てくる
ニューキャノネットやGⅢが人気ですが
初代や「S」、それからこの「QL19」や「QL17」の
余裕のあるしっかりした造りはなかなか魅力的です。

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