ミノルタXD-sのカメラ修理

今日は「盆送り火の日」ですね。
これも宗派や地域でいろいろ異なるのですが
一般的には今日の夕方送り火を焚いて
ご先祖様の霊を送り出す日です。
まぁ、私は今年は墓参りにすら行っていませんが。。。(汗)
子供の頃は仏壇が盆灯篭で飾り立てられたり
親戚が墓参りを兼ねて遊びに来たりで
お盆中ってちょっとしたイベントでした。
一応、お店はお盆休みにしていますが
これといって大した予定もなく
開けておいてもよかったかもしれません(苦笑)

さてさて

本日は「ミノルタXD-s」のカメラ修理を行っています。
XDの登場から半年後の1978年に追加されたモデルで
XDをベースに視度補正機能が追加されたモデルです。
視度補正機能が追加された代わりに
アイピースシャッターは省略されました。
モデル名の「s」は「Senior」の頭文字を取ったということです。
視力が衰えてきた中高年向けということでしょうか。。。
もう少しポジティブな捉え方のできるネーミングにすればよかったのに(笑)

基本的な部分はXDと全く変わりません。
各動作部の使い心地の良さも
アキューマットスクリーンによるファインダーの明るさや
ピントのキレも同様です。
お預かりしているXD-sはご依頼者さまが
数年前にオークションで手に入れたものということです。
まず電池がなくても切れるはずの「B」や「O」を含めて
全くシャッターが切れません。
正確に言うとレリーズボタンが押せない状態です。
原因はレリーズボタンの組位置がズレてしまっているためのようです。
通常、SSダイヤルがしっかり締まっていれば
位置ズレは起きないはずなのですが
妙にシャッターダイヤルがグラグラしてしまっています。
分解してみるとSSダイヤル下にあるはずのワッシャ2枚がありません。。。
どうやら分解品っぽいですね。。。

レリーズができるようになって
さて他の機能はどうかな。。。とチェックしてみると。。。
まず、レンズの絞りツメと連動するボディ側リングが
テンションが全くかかっていなくてグラグラです。
当然、露出計はまともに連動できません。
バネが外れたのか?と思いマウント部を分解してみると
バネそのものが存在しません。。。
これも分解してバネを紛失した状態で組んだものと思われます。
バネは部品取りから調達し、これで露出計はまともに動くかな。。。と
思われたのですが
今度は露出計が基本的に振り切ったままです。
原因は巻き戻しクランクしたの摺動抵抗が
台座から外れていて
ブラシが脱線状態になっているためでした。
あちこちいじられた上に適当に組み上げられた個体のようです。
スクリーンも引っかいたような傷がたくさん入っています。
不幸中の幸いはフレキを外された様子がなく
マウント周りと上カバーを外していろいろやろうとしたのだけど
途中であきらめて適当に組みなおした。。。といった感じです。
分解することをとやかく言うつもりはないですが
中途半端な分解品を普通にオークション等に出すことは
次のオーナーさんが気の毒なのでやめてほしいですね。。。

写真は一通りの分解整備が終わって
あとは電気的な調整を行って
上カバーを閉めれば完成といった状態のものです。
XDは電気的トラブルが現行品の頃から多い個体なので
フレキ周りの処置は慎重に行います。
状況によっては修理不能な可能性もあるかと思っていたのですが
今回は非常に良い状態に戻すことができそうです。
これから安心して長く使っていただけると思います。

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