ニコンEMのカメラ修理

今日は「温泉の日」だそうですよ。
大分県の九重町というところが制定した記念日で
町内に数多くの温泉があり「九重九湯」(ここのえきゅうとう)と
呼ばれたことが由来となっているそうです。
この日は九重町内の多くの温泉施設で
入湯無料なのだそうです。いいなぁ。。。
これから少し肌寒くなってくるといよいよ温泉シーズンですね。
去年は全く行けなかったから
今年こそ少しくらいは。。。日帰りでもいいから温泉に行こうと思います!

さてさて

本日は「ニコンEM」のカメラ修理を行っています。
愛称は「リトル・ニコン」ですね。
それまでいわゆるエントリー機をほとんど作ってこなかった
ニコンが満を持して発売した
絞り優先AE専用のエントリー機です。
そのため、それまでのとにかく堅牢なニコン機と比べると
全くイメージが異なる部分も多いのですが
適度にコンパクトで軽くて使いやすいEMは
当時も市場に歓迎されヒット作となりました。
ジウジアーロデザインのちょっと丸っこいデザインも
それまでのニコンとは全く違うイメージですね。
絞り優先AE専用機ということで電子制御シャッターなのですが
エントリー機でも機会制御で動作する「M90」と「B」を装備しているのは
さすがニコンと思ってしまいますね。
私も個人的に非常に好きなカメラです。

お預かりしている「EM」は
まず巻戻し部のASA感度設定盤が外れてしまっています。
支えているのは巻戻し側の軸も支えている筒状の部品ですが
EMは軽量コンパクトなローコスト機ということもあり
ここが樹脂製なのですね。これが折れてしまっています。
何らかの無理な力が加わってしまったものと思われまが
こうなると中古部品と交換するしか手段はございません。
ここが破損してるのは比較的めずらしいですが
これよりもEMは巻戻しクランクの円盤が
破損しているものを非常に多く見かけます。
経年劣化で脆くなっているせいもありますが
動かない状況でちょっと無理に回転させると簡単に割れてしまいます。
まぁ、これも樹脂製だからしかたがないのですが。。。
今回はその部分は無事でほっとしました
(当店の部品取り用のEMはことごとく巻戻しクランク部が
使われてしまって既にない状態なので。。。(汗))

他、電池室及び配線の腐食があり
電源が非常に不安定です。
さらにEMではめずらしいのですが
プリズム腐食がありファインダー視野真ん中に
横線が入ってしまっています。
プリズムは交換で対応します。

1980年発売の電子制御シャッター機なので
しっかりフレキで覆われています。
まだ取り掛かったばかりですが
下に転がっているのが破損してしまっている
巻戻し部の樹脂部品です。
これから分解を進めて本格的に整備に取り掛かっていきます。

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