フジカST-801のカメラ修理

今日は11月29日。。。
語呂合わせで「いい服の日」、「いいふぐの日」
「いい文具の日」。。。いろいろあるのですが。。。
なんていっても「いい肉の日」ですよね!
牛肉、豚肉、鶏肉、魚肉。。。いずれにしても肉は美味し!です。
そういえばまたしばらく焼肉行ってないなぁ。。。
ロースとホルモンと生ビールでお腹一杯になりたいです(笑)

さてさて

本日は「フジカST-801」のカメラ修理を行っています。
フジカSTシリーズは本来M42マウントを採用したカメラですが
シリーズ第二弾となるST-801で独自の開放測光を採用したため
厳密な意味ではM42マウントではなくSTマウントとなります。
ST-801にM42マウントレンズを装着はできますが
その場合は開放測光ではなく絞込み測光となります。
STシリーズ用の交換レンズも絞込み測光用のM42マウントと
開放測光用のSTマウントが存在しますので注意が必要です。
ST-801は1972年の発売開始ですが
当時としてはまだめずらしいLED式の露出計を搭載します。
そして布幕横走りシャッターで1/2000を実現したのは
当時ではST-801だけなのではないかと思われます。
(チタン幕であればF2やF-1が存在しますが)
ちょっと地味なイメージのST-801ですが
なかなか先進的なカメラだったわけです。

その1/2000シャッターですが
現存している個体でも未整備のものはまず精度が出ていないと思われます。
とりあえず開いていれば実質あまり気がつかないかもしれませんが
個体によっては開かない、開ききらない、ということも多いと思います。
お預かりのST801もとりあえず開いてはいます。
ただし、測定機でしっかり計ってみると
シャッター走り始め付近(写真でいうと左端)の露光量はほぼ1/2000ですが
写真中央部分では1/800程度
シャッター走り終わり付近(写真でいうと右端)は1/400くらいになってしまっています。
写真両端で露出が1.5段くらい異なってしまうわけです。
全体的に露光量が多い(SSが遅い)とか少ない(SSが早い)とかであれば
ネガであればあまり気にならないと思いますが
1枚の中で露光量が異なるとネガでもポジでも影響は出ると思います。
特に単一の明るさの被写体を撮影すると顕著に出ると思われます。
シャッター幕軸の汚れ、油切れが原因と思われますが
おそらく調速カムの動きも悪いと思われます。
スローガバナーも若干粘っているようです。
ちなみにSTのスローガバナーは底部にあり
底板を外すと簡単にアクセスできます。

まだ取り掛かったばかりですが
これから本格的に分解整備を行っていきます。
シャッターはもちろん、ミラー駆動部、巻上部の整備
ファインダー清掃、露出計調整等々
各部点検整備一式を行います。

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