ニコンFEのカメラ修理

今日は「南極の日」だそうですよ。
1911(明治44)年のこの日に
ノルウェーの探検家ロアール・アムンセンと
4人の隊員が世界で初めて
南極点に到達したことに由来しています。
1911年10月20日にアムンセンは
4人の選抜隊とともに南極大陸のフラムハイム基地を出発し
4台の犬ぞりを1台あたり13頭、
計52頭に引かせて南極横断を開始しました。
途中好天にも恵まれてアムンセン隊は順調に距離を伸ばし
1911年12月14日、人類初の南極点到達を果たしたそうです。
極地なんてあまりにも遠い地の話で
その環境は想像も超えると思いますが
冬の東京も十分に寒いですよねぇ…
ここ数年でめっきり寒さに弱くなった私には
ツライ季節になってまいりました。
今日は冷たい雨でスタートですが
夕方までには晴れるそうです。
身体を冷やすとロクなことにならないので
皆さまも暖かくしてお過ごしくださいませ

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
もともと修理依頼の多いカメラですが
ここのところやたら集中して依頼が続いています。
1978年発売のカメラです。
モデル詳細については
最近よく書いているので割愛しますが
適度にコンパクトにまとめられた
非常に使いやすいカメラです。
電子制御機ということで
トラブルやメンテンナスの面を心配されることもありますが
電子回路内のトラブルは非常に少ないカメラです。
おかしな分解等で内部短絡させない限り
壊れることは少ないかと思います。
トラブルの多くは機械的な部分が多く
やはり経年劣化や汚れ・油切れによる
機械的駆動部の動作不良がほとんどです。
電子制御機ならではの部分でいえば
やはり汚れによるマグネットの吸着不良と
各接点の接触不良を起因とするトラブルです。

お預かりしている「FE」は一通り動作していますが
高速シャッターの精度が出ていないことと
オート制御が少々不安定です。
やはりマグネットの汚れとシャッター金属羽根の
汚れ等が原因と思われます。
加えて絞りこみプレビューボタンが結構強烈に固着しています。
結構な力で押し続けてなんとか絞り込みできますが
今度は少々力を入れたぐらいではレバーが戻ってきません。
本来は押し込んでいる指を離すと軽く戻ってくるのが正常です。
このあたりは動かさなければやはり長い年月のうちに
粘り固着はでてきてしまいますね。
人間もそうですがやはり適度に動かしてやることも大事です。

まだ取り掛かり始めの状態です。
フレキに覆われることもあって
整備性はやはりそれなりに手はかかりますが
基盤が小さくて少ない機械制御の兄弟機「FM」よりも
糸連動が少ない分、整備性は良好かとも思います。
手順さえ間違わなければ割とお行儀よく
一通りの分解が行えます。
調整機構もニコンらしく調整しやすい構造です。
機械的動作不良や接触不良を解消すれば
あとは電気的にほんの少しの微調整を行えば
十分な精度が出せそうです。
とはいえ、うっかり短絡させたりすると
取りかえしのつかないことになるので
油断せず集中して慎重に作業を進めていきます。

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