ニコンFEのカメラ修理

今日は「中央線開業記念日」なのだそうです。
1889(明治22)年のこの日にJR中央線の前身である
甲武鉄道・新宿駅~立川駅(約27km)が開業したのだそうです。
最初は立川までだったのですね。
少し遠いですが私のお店から
中央線中野駅は徒歩圏内ですし
昔、山によく登っていた頃は
クルマで行かなければ当然、中央線を使って
山梨・長野方面に行くので馴染みの深い路線です。
中央線を題材にした往年の名曲なんてのも多いですよね。
それこそ「あずさ2号」とか…
個人的には「THE BOOM」の原曲をカバーした
矢野顕子さんの「中央線」がイメージ強いかな…
ところで昔は「中央本線」と呼んでいたような気がするのですが
いつの間に「中央線」になったのだろうと調べてみると
国鉄時代の線路名称公告では「中央本線」と
青梅線や五日市線などの支線を指す総称として
「中央線」の名称が使用されていたのだそうです。
しかしながら、国鉄分割民営化の際に策定された
基本計画において路線の名称が「中央線」とされたため
従来は「中央本線」と呼ばれていた路線に対しても
公文書を中心に「中央線」の名称が使われるようになったのだそうです。
ふーん、「中央本線」のほうが
ちょっと偉そうな感じがしていいような気もしますが…(笑)
ほら、東海道本線とか山陽本線に対抗する感じで…

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
ニコマートを前身とするニコン中級機です。
中級機とは言えニコンらしくしっかり作られたカメラで
ニコマート時代はF一桁機とあまり変わらない大きさ重さで
少々取り回しの悪い部分もありましたが
FE/FMにモデルチェンジされた際に
随分コンパクト化されてF一桁機とはまた違った魅力を身に着けています。
さすがにOM-1とか軽量コンパクトを売りとする
カメラに比べると一回り大きく重いですが
そこはこの時代のニコン製品ですから
ある程度の大きさ・重さはあるレベルの信頼性・堅牢性を維持するために
必要だという考えなのだと思います。
実際に今回のFE、兄弟機で機械制御シャッターのFMともに
基本的には非常に丈夫なカメラだと思います。
さすがにF一桁機ほどに極端なオーバークオリティさではないですが…
FEは電子制御シャッター機ということで
メンテナンスの問題で少々敬遠されがちな部分もありますが
電子部品が原因で修理不可と言うパターンは非常に少ないです。
(確かに稀にはありますが)
ニコマートEL(特に初期)では電気関係のトラブルはそれなりにあったので
そのあたりは随分進歩しているのだと思います。
確かに基板を見ると時代の差が一目瞭然でわかります。
個人的にはFEの電子制御部分よりも
FMのLED式露出計のほうが整備性も取り扱いも大変で
修理不可になっている個体の可能性も高いのではないかと思ってしまいます。
ただしショック品は別の話になります。
ショックで電子部品関連に重大な障害が起こると
修理不可能になる可能性は高くなると思います。
ニコンはそれでもショックにも強いカメラが多いのですが
やはり落としたりとかはされないように
気をつけていただければと思います。

で、お預かりしているFEは上カバーに大きな凹みがあり
明らかな落下品です。
でも一通り動いているような感じではあるのですが
たまにシャッターが完全に開きっぱなしになってしまいます。
マニュアルだろうがオートだろうが関係ないようです。
で、それが起こるときには露出計指針もダウンしているのですね
ただバッテリーチェックはそのときもちゃんと点灯します。
電源が不安定で入らないのであればシャッターは開かず
ミラーアップしたままで固まるはずなので
電源が云々ではなくて制御部分に問題があると思われます。
基板が…ではなくシャッターダイヤル下の管制部が
ダメなような気がします。
逆にそこであれば中古良品の部品と交換で対処できそうな気もしますが…

意外とこの画像ではわからないのですが
「Nikon」の銘板の上部が大きく凹んでいます。
ここまで凹むということは結構な衝撃だったと思われます。
まずは不安定な動きを解消するのが第一ですが
ショックにより意外なところに問題を抱えていることもあるので
通常以上に慎重に整備を行い入念にテストを行います。

まだ現状を確認している段階だったのですが
途中でシャッターが開きっぱなしになる症状が出て
それが引っ込まないのでSSやオート精度の確認ができていません
もう少しいろいろやってみますが
ダメなようならば詳細確認は後回しにして
まずはこの開きっぱなしになる状態を何とかすることを考えます。

ちょっと苦労するかもしれないです。
でもせっかく預かっているのですから
何とかする方向でがんばってみます。