オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は「国民栄誉賞の日」だそうです。
1977(昭和52)年のこの日に
2日前の9月3日に通算ホームラン数756本で
世界最高記録を作った王貞治選手が
日本初の国民栄誉賞を受賞したことに由来した記念日です。
当時、私は小学生ですが
ワンちゃんのホームラン記録のことは
さすがによく覚えてますねぇ
私の家は家族総出でカープファンなので
(まぁ広島県民のデフォルト設定ですな)
もろ手を挙げて応援してわけではないですが…(苦笑)
王選手の国民栄誉賞受賞以降
26個人1団体に対して授与されているのですが
そうそうたるメンバーが名を連ねています>
鉄人・衣笠さんや柔道の山下選手、
千代の富士関、植村直己さんに
美空ひばりさん、長谷川町子さん
私が子供の頃に大活躍していた方も多いです。
いろいろな理由で辞退されている方も何人かいらっしゃいます。
国民栄誉賞をいただけるような方は
当たり前ですがその分野でのスーパースター的存在な方ばかりですね
これからもどんなスーパースターが受賞していくのか
楽しみでもありますね。
さぁ、一小市民の私は今日もがんばって仕事しますよー(笑

さてさて

今日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
孤高のハーフ判一眼レフ「ペンF」の改良版で
巻上がシングルストロークになり
露出計・セルフタイマーが装備されたモデルです。
初代ペンFの登場から3年後の1966年発売です。
露出計が装備されているのですが
その露出計の読み取り方が少し独特です。
ファインダー内にTTLナンバーという数字が表示され
露出計指針が指している数字を読み取って
レンズ側にもに刻印されているTTLナンバーに
合わせるという方法です。
レンズ側のTTLナンバーはそのレンズごとに
絞りと一定の法則で対応した数字が刻印されていて
この方法で開放測光や絞込補正等も行えるといったものです。
なかなかよく考えられた方法ですが
レンズに一般的な絞り値とTTLナンバー、
二通りの数字が同じ絞りで存在するため
少々ややこしく感じることもあるかもしれません。
(レンズ側の刻印はTTLナンバー、通常の絞り値表示
どちらかに切り替え可能)
個人的にはそこまでして露出計搭載しなくても…という
思いもありますが
カメラに合わせて軽量コンパクトな装備にしようとすると
やはり露出計は内蔵のほうが良いということになりますよね
当時は露出計内蔵化が推し進められている時代なので
当然の進化ではあるのですが。。。

お預かりしている「ペンFT」は一通りの動作はしています。
たださすがに登場から50年以上経過しているカメラなので
各動作機構部の動きは全体的に渋いです。
巻上も明らかに油切れの兆候が見られます。
ペンF系というとミラー駆動部の動作不良に関連する
ミラーアップとSS最高速1/500以外のSSすべての制御に関わる
ガバナー部の動作不良が定番のトラブルですが
このまま使用しているとどちらのトラブルも出てきそうな状態です。
装着されているレンズは一番一般的な38mmF1.8レンズですが
レンズには汚れ・カビ、絞り羽根の粘り等が見受けられます。
やはり今後安心して使うためには
一通りの整備が必要な状態です。

元々の「ペンF」に比べると
セルフタイマーや露出計が組み込まれているせいもあり
上カバー下は結構ぎっしり詰まった感じがしますね。
元々、シャッターやミラー機構も
ペンFならではの非常に独創的な構造ですが
露出計の構造も「ペンFT」ならではの造りで
SSダイヤルとの連動やハーフミラーを介した
受光部等、「ペンFT」でしか見られないものばかりです。
オリンパスのカメラ自体どのカメラも独特な造りのものが多く
ある程度、整備に慣れていないと
戸惑う部分の多いカメラだと思います。
それではこれから本格的に点検整備一式に取り掛かります。

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