ニッカ5型のカメラ修理

今日は3月3日、いわゆる「ひな祭り」
「桃の節句」、「上巳(じょうし)」ですね
…とはいえ…子供の頃は一人っ子で
今もおひとりさまの私には
まーったく縁がない行事だったりします…(苦笑)
だから触れようがないのですねぇ…
じゃ、他に何かないの???と探してみたら
まぁ当たり前ですが「ひな祭り」に関連した記念日が多いのですが
その中に「三輪車の日」なんてのがありました。
今、考えると比較的坂の多い私の生まれ育った町では
なかなか危険だったとは思うのですが
幼稚園の頃に夢中になって乗った記憶が…(笑
あの時代ですから4~5歳児でも
割と家の外で一人で乗って遊んでたなぁ
あの小さな三輪車にちゃんと乗ってこぐことのできる時期って
意外と短くて自分が大きくなって乗れなくなっても
後ろのステップに立って下り坂で勢いよく乗ったりしていました
かなりボロボロになって捨てるしかない状態になるまで使ったなぁ…
そういえば…一応、三輪ですが
当時、黄色の「ローラースルーゴーゴー」にもよく乗ってたな…
こぐ部分のチェーンが割とすぐ壊れちゃって
切れたチェーンを引きずって走るただのキックボードになっていましたが…(笑

さてさて

本日は「ニッカ5型」のカメラ修理を行っています。
ニッカは戦前~1950年代にかけて存在したカメラメーカーで
いわゆる「ライカコピー」を作っていたメーカーです。
メーカー名の「ニッカ」は元々「ニッポンカメラ」で
カメラ名として「ニッカ」の名が使われており
1950年に社名も「ニッカカメラ」に変更されました
今回の「5型」は1955年に発売されたカメラで
このモデルからボディがダイキャストとなりました。
いわゆるバルナックコピーと言われるカメラですが
底蓋を外すと裏蓋が開けられる構造になっており
バルナックタイプのカメラならではの
フィルム装填の面倒さがかなり解消されています。
実はこれ、修理・整備する立場でも非常に便利な部分で
背面が開けられると分解しなくても
そのままシャッタスピード計測ができるのですよね!
これが例えばキヤノンのバルナックタイプだったりすると
モナカ状の外カバーは全て外さなくては計測ができず
且つその状態だとレンズが装着できず…
(当店のシャッターテスターはレンズを装着してSS計測するタイプ)
なかなかこれが大変なことになるのです…

お預かりしている「ニッカ5型」は定番のシャッター幕交換です。
厳密に言うとシャッター幕自体は以前に交換されいるようで
幕自体の状態はそれほど悪くないように見えたのですが
それでもシャッター幕がまともに走行できない状態です。
こうなるとどちらにしても幕を交換しなおして
設定も最初からやり直した方が無難なので
いつもの幕劣化の場合と同様に同様に
シャッター幕交換を行います。

で、シャッター幕を外して交換したのですが
幕の状態は見た目ほどよくはなく
布部分とゴム引き部分が剥離しているような状態でした。
剥がれたゴム部分が軸に付着して
幕が全く走行できない状態だったようです。
張り替えた幕の素材が悪かったのか
その後の環境が悪かったのか…
いずれにせよ現在は新品のシャッター幕に交換され
非常にスムーズにシャッターは動作しています。
精度も全く問題ございません

ニッカといえば純正で組み合わされるレンズは
通常、日本光学(現ニコン)のニッコールで
同じくライカコピーメーカーでライバルと言える
レオタックスカメラが東京光学(現トプコン)のトプコールを装着していて
ここでも「海のニッコー、陸のトーコー」のライバル関係が再現されていると
言われていました。
ですが…今回のニッカに装着されているのは後のニコンの
最大のライバルとなるキヤノンの沈胴型50mmF3.5が装着されています。
この時代のカメラはLマウントが主流ですので
いろいろな組み合わせが楽しめますね。
ハマると大変な世界ですが…
こちらのレンズもできる限りの清掃を行い
快適に使っていただける状態に仕上がっています。
これからボディと共に最終チェックを行って完成となります。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。